ソウルシリーズRTA記録を紹介 エルデンリングでは20分を切るタイムも登場

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フロムソフトウェアの新作エルデンリング。発売から2週間近くがたち、RTA勢も勢いづいてきました。3月18日にスピードランの世界記録を集計しているサイトSpeedrun.comのリーダーボード(世界ランキング)(※3月25日にリーダーボードが開かれました。エルデンリングのタイムに関しては目次下部を参照してください。)が開かれる予定です。それを目指してか、徐々に好タイムが登場するように。

今回は過去のソウルシリーズ作品ではどのくらいのスピードランタイムが記録されてきたのかを振り返るとともに、エルデンリングのスピードランにてどのような記録が達成されそうなのか、考えてみたいと思います。(以下登場するタイムは断りのない限りAny%(何でもあり)のクリアタイムです)

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Demon’s Souls 40分35秒 グリッチレスでは日本人が世界一

さて記念すべき第一作品である、デモンズソウルではアイルランドのスピードランナーInSlico氏がゲーム内時間40分35秒(コンソール版 リアルタイム44分49秒)という世界一記録をAny%レギュレーションで達成しています。(ちなみにキャラレベル1(初期レベルから上げない)、オールトロフィー獲得レギュレーションでもInSlico氏が世界最速)

後述しますが、これは後続作品のスピードラン記録と比べると遅めのタイム。基本的にスキップできるボスが少ない、ことなどが影響しているのでしょう。

そのほか日本人スピードランナーのSoypasteさんが、検討しています。コンソール版のAny%RTAでは、InSlico氏に次ぐ2位(ゲーム内時間41分23秒)を記録。キャラレベル1でも2位につけています。

グリッチレス(バグを使ったショートカットなどを使わない)Any%レギュレーションのスピードランでは、世界1位(ゲーム内時間50分22秒)の記録を打ち立てています。

DarkSouls 21分17秒 グリッチを利用したルート構築がカギ

ダークソウルの第一作品であるDarkSoulsでは、スピードが大幅に向上。

本来は城下不死教区のボス鐘のガーゴイル、病み村のボス混沌の魔女クラーグを倒し、「鐘」を鳴らさなければたどり着けないエリア「センの古城」にバグを利用してたどり着く、通称SGS(Sens Gate Skip)や、奇跡「家路」を使った、ワープグリッチ(火継ぎの祭壇から城下不死教区のかがり火に転送してきた状況で手すりの上から、家路を発動すると、最後のマップ最初の火の炉にワープすることができる)などの技を使ったルート開拓によって、タイムが短縮されているようです。

ダークソウルであれば、通常は都合8体の大ボス(鐘のガーゴイル、混沌の魔女クラーグ、混沌の苗床、オーンスタイン・スモウ、墓王ニト、四人の公王、白竜シース)を倒す必要がありますが、グリッチを使うことによって大ボス4体をスキップしています。

同様のグリッチを利用して最終武器に大竜牙を使ったルート(レギュレーション名はDragon tooth HWW:直訳大竜骨、家路ワープグリッチ)にてチェコのcatalystz氏がゲーム内時間21分17秒という驚異的な記録を打ち立てています.

DarkSouls Remasterd では日本人ランナーが世界記録を樹立 

なお、2018年10月に配信が開始されたリマスター版では、日本人スピードランナーのAltF4jp4氏がゲーム内時間で20分を切る(19分31秒)という記録を樹立。

3位に同じく日本人ランナーのkei_1666氏(ゲーム内時間19分58秒)が入っており、日本勢が健闘しています。

DarkSouls2 ハイグレード版RTAではバグの発見により大幅にクリアタイムが向上 23分03秒で日本人スピードランナーが世界一に

ダークソウル2、ソウルシリーズ3作目の本作。システムの煩雑さ、ボスの使いまわし、一部ステージ(クズ底やアマナの祭壇)の理不尽といえる難易度、そしてバグの多さなどから、賛否両論の評価を得ている本作。世界最大級のゲーム賞「ゴールデン・ジョイスティック・アワード」にて、2021年アルティメットゲームオブオールタイム(設立50周年を記念して行われた、50年の間に発売されたやう110万本のタイトルの中で最も優れたものを選出)に選ばれたダークソウルの後継作とは思えない「糞ゲー」といった評価を下すユーザーもいるとかいないとか。

そんな本作ですが、通常プレイすると、ダークソウルよりもボリュームが多いタイトルです。ですが、「納期のデーモン」(ソウルシリーズに限らず、フロムソフトウェアでは短納期でタイトルを作ることから、バグ、調整不足な作品が多いことで知られている)の影響によるバグの多さからか様々なグリッチが発見。

当初発表されたPS3版では、パリィをした後、ローリングなどで致命攻撃をキャンセルするとあらゆるテクスチャをすり抜けられるようになるバグ(通称致命浮遊引力バグ)などを駆使し、ほとんどのボス、ステージを飛ばすルートが構築されました。

その結果、ノルウェーのスピードランナーStennis氏14分20秒(ロード時間を含まない)という異様なスピードの世界記録を樹立しています。

同作は2015年にバグなどを修正した次世代機版であるScholar of the first shinが発売されました。こちらに関しては様々な不具合が修正され、おおむね好評の評価を得られています。

一方でバグが修正されたことで、クリアタイムは大幅に後進。基本的にクリアに必要な4王(忘れられた罪人、鉄の古王、腐れ、公のフレイディア)をカットすることが難しくなったため、ルートが変化(道中の大ボス腐れを篝火の探究者を使って、何度も倒し、100万ソウル稼いで王城ドランクレイグへの道を開くなど様々なルートが登場)50分台が世界記録となりました(1位はブラジルのNyk_Style氏の52分46秒、ロード時間を除く)

長らくこの記録は破られてきませんでした。ですが、2022年日本人スピードランナーのtsu氏が、マデューラにいるNPCマフミュランが篝火の熱2の状態だと販売する「月光蝶の腰巻き」を装備していると、修正されたはずの致命浮遊引力バグが発生することを発見。

2022年初頭に「Unrestricted(グリッチなど無制限)」レギュレーションでこれまでのタイムを大幅に更新する、23分03秒という記録を打ち立てています。動画では、tsu氏ご本人も指摘しているように、若干のタイムロスも見られます。今後の記録更新に期待です。

DarkSouls3 ソウルシリーズの集大成が見られる 31分33秒

ダークソウルシリーズの現時点での最終作ダークソウル3では、過去作で見つけられたグリッチ、様々なプレイスキルを活用した、これまで集大成といえるようなスピードランが見られます。

現在世界ランキング1位イギリスのスピードランナーMoochyy_氏(31分33秒ゲーム内時間)のスピードラン記録では、プロファイリングロードを活用して、落下死判定をキャンセルし、通常であれば死んでしまう高さから飛び降り、各工程をスキップ。

テクスチャをすり抜けるグリッチを活用し、覇王ウォルニール、法王サリヴァーンをスキップ、つまりそこまで通ることになるエリアカーサスの地下墓、冷たい谷のイルシールの工程をカットし、薪の王の一人である巨人ヨームにたどり着くといった、グリッチを活用した巧みな技が光ります。

また、基本的にダークソウル3ではラストボス王たちの化身と戦うまでに大ボス「薪の王」たちをカットすることはできません。強敵ぞろいの薪の王たちは華麗なプレイで退けます。そして最後はラスボス王たちの化身を危なげなく撃破していました。

ちなみに、ダークソウル3は日進月歩で好タイムが登場しています。Moochyy_氏の記録がリーダーボードに乗ったのはわずか1月ほど前。今後も好タイムが登場する可能性もあります。

以下 Moochyy_氏スピードラン動画

 

Blood borne 思想を受け継いだスピンオフ作品 21分15秒

2015年、デモンズソウルを手掛けた、ソニー・フロムソフトウェアというタッグで作られた作品。ゲームシステムこそ、ソウルシリーズに近いものになっていますが、19世後半から20世紀初頭を思わせる舞台設定、SFやクトゥルフ神話を彷彿とされる独自のシナリオ、ガードなし、防具の重量なし、遠距離武器の銃と近接武器を利用したハイスピードなアクションが特徴的な、いわばスピンオフ的作品です。

本作ではアメリカのImpuctfulForest氏が21分15秒という記録でクリアしています。日本人では、kiyo氏がAny%レギュレーションで9位(31分35用)、Any%グリッチレス(スキップのような裏技なし)レギュレーションでkooosuke氏が世界トップ(31分06秒ゲーム内時間)となっています。

Sekiro:Shadows Die Twice 忍びは何でもあり 19分45秒

2019年に発売された、隻狼。こちらもブラッドボーンと同じく、ソウルシリーズの世界観や「死にゲーー」としてのシステムなどを引き継いだ思想的続編といえるタイトルです。

こちらはブラッドボーンとは打って変わって、葦の国と呼ばれる「日本」のような異世界が舞台。主人公は仕込み忍具が備わった義手と刀を使って戦う忍び、敵も侍や忍者など、これまでとは全く異なる純和風の世界観となっています。

ゲームもいわゆる、RPG的な要素は弱まっています。レベルではなくアイテムで能力値がアップ、ステルス状態で敵に攻撃すれば一撃死させることができる、これまでのシリーズになかったジャンプによる移動、水中を泳げるなど、アクション要素が強くなっています。いわばフロムソフトウェア流のアクションアドベンチャーといった作品です。

からめ手、忍び込んで暗殺、毒を盛る、正面から突破というなんでもありなゲーム世界と同じようにというのだか何だか、RTAの方も壁抜け、空中浮遊(テクスチャをすり抜け空間を移動する)によるエリア、ボススキップと何でもありの様相になっています。そのためゲームボリュームと比べて異様なほど早いタイムが数多く登録されているのです。

PC版では、何でもありのAny%レギュレーションで中国のSev1ng氏が19分45秒で世界1位に。コンソール版では日本人ランナーのsutemou氏が22分45秒で世界一位となっています。(本作に限らずPC版の方がFPS調整、マウスなど複数デバイスを使った操作などが可能であるため、若干早いタイムが出る傾向にあるようです)

sutemou氏のスピードラン動画

ELDEN RING 記事執筆3月14日時点で非公式ながら、28分台の好タイムが登場

さて、最新作のエルデンリングを見ていきましょう。現状はまだ、Speedrun.comにてリーダーボードが出ていません。細かなルール設定、レギュレーションも策定されていないため、非公式の記録ですが、ソウルシリーズでもリーダーボードにのる記録を何度か打ち立てている世界的なスピードランナーDistortion2氏が3月14日、ゲーム内時間28分59秒の記録を達成しました。

Distortion2氏は素性侍でスタート。冒頭の死亡イベントを戦うことなくこなし(戦闘エリアに入って落下すると、辺境墓地にたどり着けるようです)辺境墓地に到達。

スピーディーに霊馬トレントを解放すると、ストームヴィル城には目もくれず、湖のリエーニエに直行。すぐさま学院の輝石鍵を手に入れると、そのまま四鐘楼に向かいます。

転送門を起動する際に使う魔石剣を手に入れると、南の鐘楼の転送門から崩れ行くファルムアズラへ移動、ここでまずグリッチ技を見せました。

本来崩れ行くファルムアズラは、王都ローデイルクリア後に行く、巨人たちの山麓でイベントを起こし、フラグを立てないとたどり着けない場所。つまり、最終盤に訪れるマップです。四鐘楼から行ける場所はあくまでアイテム「真珠竜印のタリスマン」が手に入るだけで、先に進むことは本来できません。

しかし、Distortion2氏はフラグを破壊します。動画を見たそのままを説明すると、Distortions2氏は崩れ行くファルムアズラにたどり着くと、すぐさまマップを起動、リムグレイブの祝福「嵐丘のボロ家」に移動します。祝福につくと今後はプロファイリングロードをおこないます。ゲームを再度立ち上げると、本来巨人の山麓でフラグを立てた後にたどり着く場所に到着していたのです。

これは既存作でいうところの「Wrong warp」グリッチであると思われます。よく見つけたものです。そのまま、崩れ行くファルムアズラを進め途中で帰還。

今度はレガシーダンジョン魔術学院レアルカリアを進めていきます。ですが、彼はべつにここにいる大ボスデミゴッドの一体「満月の女王レナラ」を倒すわけではありません。

地下にいる、人さらいの乙女人形を利用した、火山館へのワープを利用し、火山館に到達。何をするのか、ここで初めて攻略に必要なルーン稼ぎを見せます。

火山館にいるボスの一体「神肌の貴種」をグリッチと侍の初期武器打刀の出血ダメージを駆使して撃破(動画を見る限り、神肌の貴種が登場する聖堂の中に入り、フラグを立ててプロファイルロードしてから、再度ボスエリアに侵入すると、神肌の貴種が無抵抗になるようです)。

その後は湖のリエーニエで手に入る、氷殻の斧をメイン武器にチェンジ。集めたソウルと鍛石を使用し、プラス9まで強化。再度ファルムアズラへと向かい、強力な戦技「霜踏み」でエリアボス「黒き剣のマリケス」を危なげなく撃破します。

その後イベントによって最終マップ「灰都ローデイル」に移動。マリケスを倒すことで手にいれたルーンで「生命力」と戦技に必要な「精神力」を強化します。

その後も、様々なグリッチを利用し、ボス戦をスキップ。

(※ギデオン=オーフニールは屋根の上を伝って移動し、回避

戦士ホーラ・ルー(ゴッドフレイ)はボス霧前、右手側の手すりの上に乗り、プロファイルロードを行うと、再起動時にボスマップへ移動し、戦いが回避できるようです)

スキップしたことによりおかしな挙動を見せる(玉座の前にひざまずき、動かない)ゴッドフレイを無視し、そのまま、ラスボス戦へ突入。最後は霜踏みの連打で撃破、28分台でクリアを果たしました。

フラグを折りまくれば、デミゴッドを一体も倒さないで、ラスボスに挑める、というのはかなり衝撃です。現状、修正の可能性も指摘される霜踏みの強さに頼ったルート構築なので、ガラッと変わる可能性もありそうですが、一つの指針となるタイムにはなりそうです。

 

 

Elden Ring最新タイム 霜踏み弱体前のパッチでは17分台 全ボス撃破1時間30分台の記録が登場

さて、発売から1か月となる2022年3月25日について、Speedrun.comのリーダーボードが開いたエルデンリング。

開始から2週間ほどたちましたが、好タイムが続々寄せられています。

最速タイムではAny%Unrestrictedレギュレーション(パッチバージョンなども含めて何でもあり)にて前項で紹介したアメリカの配信者Distortion2氏が17分43秒(ゲーム内時間)を記録しています。

動画を見てみると、素性は放浪騎士。主武器となるのはパッチ1.03で弱体化されるまでは最強と言われていた戦技「霜踏み」を使える斧「氷殻の斧」を使うようです。開始早々リエーニエで武器を獲得。

その後はWrongwarp(祝福へのファストトラベル機能を使って通常と異なる場所にワープするグリッチ)や当ブログでも紹介したペガサスグリッチなどを活用して、四鐘楼から崩れ行くファルムアズラへ移動。

喪色の鍛石7・8を購入できるようになる「喪色堀りの鈴玉4」を入手すると、リエーニエにいる鍛冶師いじーから強化に必要な4までの喪色の鍛石を購入。そのまま火山館へのワープを利用し、今度はAIが機能しなくなるグリッチを活用し火山館の中ボスである「神肌の貴種」を撃破。

レベルと強化に必要なソウルを獲得すると、崩れ行くファルムアズラへと帰還。霜踏みの連打でマリケスを撃破すると、今度もWrongwarpを使って、瞬く間に女王の間へと到達、そのまま霜踏みの連打でラダゴン・エルデの獣を撃破するという神速で攻略を果たしていました。

このほかのRTA動画を見てみても、どのレギュレーションに限らず、序盤で条件なく使える強武器「夜と炎の剣」などを獲得。道中で喪色の鍛石を拾いつつ、AIをだませるボスの一体である神肌の貴種を倒し、強化、その後のルート、あるいはボス撃破につなげる、といった流れになるようです。

日本勢ではNo Wrongwarpレギュレーションで世界記録が

また、日本勢ではWrongwarpグリッチを使わないレギュレーションにて、日本人ランナーのAltF4jp4さんが59分21秒で現在の世界記録を樹立しています。

Twitch
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ちなみに、エルデンリングに限らずソウルシリーズRTA関連情報に関してはSpeedSoulsという英語サイトを参照するのがおすすめです。

Sekiro以外のソウルシリーズ作品のRTAレギュレーションや各ルートの内容、Any%RTAなどで使われるグリッチ技の解説などもされています。

チャレンジしてみたい方はのぞいてみるとよいでしょう。

 

 

 

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