Eldest Souls レビュー ソウルライクな高難易度ボスラッシュアクションゲーム

ゲームレビュー

Eldest Souls(エルデストソウル)は7月29日に配信を開始した(Nintndo Switch Steam GoG.com PS4,PS5,XboxseriesX Xboxone)見下ろし型2Dボスラッシュアクションゲームだ。開発を手がけたのはロンドンとローマに拠点を置く二人組のインディースタジオ「Fallen Flag Studio」。本作が初の作品であり、大学を中退し数年かけてコロナ禍の中作り上げたという力作である。(GameSparkでの開発者のインタビュー

1週目クリアまでプレイしたので、ファーストインプレッションをまとめておく(攻略時間約10時間弱)

Eldest Souls(エルデストソウル)ストーリー

Eldest Souls(エルデストソウル)の舞台となるのは浮遊する「要塞」。

神々と均衡が保たれていた古代、その均衡を脅かす邪悪な神「エクシル」が現れ、人間は神々に隷属を強いられるようになる。

しかし、神々の仲にも人々を支えるものが現れた。人々は邪悪なる神々を退け、「要塞」に封じ込めることに成功する。しかし、怒れる「エクシル」は同胞たちに邪悪な実験を施し、その力を使い、人間たちに報復をする。大地は枯れ、空気はよどみ世界に荒廃が訪れた。

要塞には人間側の戦士たち「王国軍」が神々の力を押さえるべく駐留していたが、その恐るべき力の前に次々と命を落としていき、生き残りはもはやわずか。

災禍の中にある「要塞」へやってくるのが、オブシディアン(黒曜石)でできた神殺しの大剣を持つ主人公だ。人類最後の希望となった主人公は要塞にいまだに残る謎の詩人エドや鍛冶職人たちの力を借り、時に友好的な神々の力を利用し、世界を救うために、旧き神々と対峙する。

Eldest Souls

Eldest Souls

Eldest Soulsのストーリーはソウルシリーズに影響を受けていると明言している通り、死、破滅と再生にまつわる謎めいたストーリーだ。後述するように本作はボスラッシュアクションゲームで、ボスまでの道中は短いのだが、要素要素にフレーバーテキストが落ちていて、要塞に駐留していた王国軍兵士たちの絶望。古き神々がエクシルの手によって、狂神なってしまった理由、要塞の沿革などがわかるようになっている。もちろん、ソウルライクだけあってか、ストーリーの内容がプレイヤーに明示されることはない。断片的につづられる「要塞」の現実を体感した者たちののこした語りを通して、ストーリーを考察する楽しみがプレイヤーに残されているのだ。

ちなみに、主人公がデカい黒曜石の大剣を背負っているのは、開発陣が影響を受けたという「ベルセルク」の主人公ガッツが背負う大剣「ドラゴン殺し」からきているようだ。故三浦健太郎氏の名作が、こんなところにも受け継がれているとは……。

日本語ローカライズは比較的うまくいっている感じ

さて、インディーゲームというと日本語ローカライズがうまくいかず、奇妙な日本語になってしまい、ゲームの良さが半減する、ということがよくある。だがEldest Soulsはそのあたりの不可解さは感じられなかった。

後述するアクション説明などは若干雑な部分も見受けられたが、散らばるフレーバーテキストや、要所要所に現れる、導き手の詩人エドなどNPCとの会話もそれぞれキャラクター文法や言葉の破綻もなく、キャラクターの特徴がでたものとなっていた。心配の必要はない。

Eldest Souls(エルデストソウル)はボスラッシュアクション

Eldest Soulsは見下ろし方の2Dアクションゲームだ。操作感のファーストインプレッションはゼルダの伝説シリーズ(主に初期の作品)に近いもの感じた。

操作は

軽攻撃

軽攻撃ボタン長押しで溜め攻撃(相手に向かって突進していくような形)

ダッシュ スタミナバー一つを消費して行う。相手の攻撃をジャスト回避すると、スタミナが回復する。

特殊攻撃

というシンプルなもの。

そして本作アクションのキモと言えるのが、溜め攻撃が相手にヒットした際に得られる、時間制のバフ「血飢え」だ。血飢え状態だと主人公の攻撃力が増え、移動速度が上がり、攻撃速度が上がり、攻撃がヒットするたびにライフが回復する。加えて血飢えメーターを消費することで「血液爆裂」という強力な攻撃を放つことができる。Eldest Soulsには回復アイテムは一切ないので、血飢え状態でいかに攻撃をしつつ回復も行うかが重要になってくる。

Eldest Soulsの主人公はあくまで非力な人間だ。レベリングの概念はなく、基本能力は向上しない。移動速度も遅く、攻撃力も乏しい。ダッシュも連続で3回しかできない。物資が乏しく、回復アイテムもない、基本的にはいかに血飢え状態を維持して、敵に挑むようにするかを調整することがプレイヤーには求められる。

その他に、ボスである神々からを倒すことで得られる力(スキルポイント)を使うことで、戦闘スタイルを開放し、主人公に補助スキルを付けることもできる。

戦闘スタイルは

遠距離型の 「風のスライディング」

近接パワー型の「狂戦士斬り」

防御型の「カウンター」

全部で三つだ。プレイヤーはどれか一つのスタイルを選びボスに合わせてスキルをセットして、攻略することになる。ちなみにEldest Soulsはソウルシリーズと同じく周回プレイが前提のタイトルだ。各戦闘スタイルのすべてのスキルを獲得するには周回プレイが必要だが、戦闘スタイルとスキル自体はメニュー画面で随時入れ替えることができる。このあたりの自由度は高い。一気呵成に攻撃して、短期決戦で挑むもよし、敵の攻撃をかわしながら、タイミングをうかがうもよし、防御をしつつカウンターで一気に相手をしとめるのもよし。様々な楽しみ方ができる。個人的には圧倒的な攻撃力でがつがつと攻めていく「狂戦士斬り」のスタイルが楽しかった。

また、Eldest Soulsでは、特定のボス(神)を倒すと「欠片」と呼ばれるアイテムが手に入る。武器に注入することで、腐食、氷、爆発などそれぞれの神が持っていた力にもした能力を「ダッシュ」「ため攻撃」「血液爆裂」に付与することができるほか、Rボタン(PS版)で発動する特殊攻撃にも使うこともできる。

全体的にこれを使えば正解という戦闘スタイル、特殊能力はない。どれもトレードオフだ。例えば、狂戦士斬りのスタイル場合、溜め攻撃や血液爆裂の威力を上げたり、使用頻度を上げることはできるが、被弾のリスクは高くなる。逆に攻撃回避のタイミングを得やすい風のスライディング、防御がしやすいカウンターは、その分攻撃力を上げることはできず、戦闘は長引きやすい。特殊能力も攻撃系の能力の場合は発動後にプレイヤーがダメージを受けるもの、くらうダメージ量が増えるものがあり、使用のタイミングはシビアになっている。

プレイヤーは常に能力のよしあし、ボスとして立ちはだかる神の立ち回りを記憶しながら、最適な攻撃手段、防御手段を模索していくことが求められる。

立ちはだかる強力無比な神々を非力な人間が滅ぼす快感

Eldest Soulsはボスラッシュアクションゲームだ。2Dの見下ろしマップを探索しながら、プレイヤーは突如現れた強大なボス(神)に立ち向かうことになる。神はそれぞれ、野戦場で死肉をむさぼる人狼の戦士、不定形のなにかに蝕まれ発狂した守護者、狂神となってしまった古き神、禁忌に触れた魔導士、古代兵器など個性豊か。

例えばやりで衝撃波を飛ばしてきたり、触手で主人公の体力を吸って回復してきたり、プレイヤーに悪夢を見せてきたり、弾幕のようなレーザービームを飛ばしてきたりとその見た目に合わせて攻撃のパターンも豊富に用意されている。

唯一神に傷を負わせることのできる黒曜石で出きた大剣を背負っている主人公、だが、それ以外は並の人間と同じく非力。それに対して神は強力だ。序盤に登場するボスから情け容赦がない。数発もろにヒットしてしまうと主人公はあっけなく死んでしまう。

そのため、攻撃、回避の入力のタイミングもシビアだ。例えば強力なバフ「血飢え」状態にするためには最大まで溜めた「溜め攻撃」をヒットさせる必要があるのだが、溜めた後、ダッシュして神に向かっていくような形で攻撃が発生するため、神の移動パターン、そして距離を把握していなければ、攻撃は空を切ってしまう。しかも、攻撃の直後には入力を受け付けない瞬間があり、神が攻撃するタイミングにかぶってしまうと、一気に瀕死の状態まで追い込まれてしまう。

また、仮に、「血飢え」状態にできたとしても、血飢え状態は時間制なので、ゲージを使って「血液爆裂」攻撃を行うのか、血飢え状態の通常攻撃を連続で行うのか、判断を迫られる。神の攻撃を回避する手段は攻撃の及ばない範囲まで移動するか、ダッシュの無敵時間を利用して回避するのみだ。しかしこのダッシュも連続でできるものではない。スタミナゲージは全部で三つしかない。スタミナ管理も常に気に欠けなければ、主人公を神の強力無比な攻撃が四方八方から襲う。ジャスト回避をすることで、スタミナゲージを回復することができるが、そのためには神の攻撃の起点をしっかりと把握せねばならない。などなどEldest Soulsはとにかくシビアである。

死にながら、神の攻撃パターンや動きのクセを覚え、攻略していく必要がある。ソウルライクの味である「死にゲー」要素も十分にある。しかし、むちゃな難易度ではない。一週目に関しては、ある程度パターンを把握しやすい技、攻撃の場所、おこりがわかりやすいものが多く、死んでいるとそのうち隙、回避するタイミングが覚えられる。一見すると攻略不可能に思えた、神を打ち滅ぼすことができた瞬間の興奮が本作の醍醐味の一つだろう。

マップを探索する楽しみも残されている

Eldest Soulsはアクションゲームの要点に登場する重要なボスキャラクターとの戦闘のみに焦点を置いた、ゲームだ。道中に雑魚敵はでない。だが、マップを探索する楽しみはしっかり用意できている。RPGのクエストのように明示されることはないのだが、クエストのようなおつかい要素がEldest Soulsには用意されている。

要所にはフレーバーテキストが書かれたアイテムが落ちており、それを「要塞」に点在するNPCたちに渡すことで、武器や防具が強化されたり、エンディングが分岐したりと、クエストをクリアの報酬は様々だ。

また、序盤から中盤にかけてはただ、マップをだらだらと探索するだけなのだが、中盤以降はトラップが出現、タイミングよく回避したりとアクション要素も出てきて、プレイヤーを飽きさせない。

Eldest Soulsは似たような攻撃パターンの神が多い、難易度は少し大味

Eldest Soulsは目立つようなバグもなく、世界感も良くできている。難易度もいわゆる鬼、死にゲーといえるものなのだが、理不尽なものではない。100回200回とさすがに心が折れるほどのリプレイが必要な神はほとんどおらず(後述する2週目以降は別)プレイやーへの配慮がなされているように感じた。

一方で気になる点がないと言えばうそになる。

一つは似たような攻撃パターンを持つ神が多いことだ。具体的に言うと、極太のレーザーのようなものを射出し、それをギリギリのタイミングで回避する、という行動パターンを要求してくるボスが、全9体のうち3体を占めている。これでEldest Soulsの楽しさががくっと落ちるわけではないのだが、いささか単調に感じてしまった。

また、中盤以降の難易度調整が大味なのも少し気になった。Eldest Soulsは序盤までは特に救済要素はなくプレイヤーが自力で神の攻撃パターンを見分けて何度も死にながら戦う必要があるのだが、中盤以降は「武器」または「防具」の強化という救済イベントが用意されている。だが、これが難点だ。クリアは非常に容易になる。だが、強化してしまうと、特に「武器」の場合顕著だったが、高火力になり、戦闘スタイルとスキルの割り振りによってはボスをガチャ押しでも倒せるようになってしまうのである。

序盤から通底していた強大な神々と非力な人間との戦い、という緊張感のあるゲームとは全くことなるものになってしまう。だったら、武器を強化しなければいいのだが、そうすると、探索の楽しみが奪われてしまう、そんなジレンマを感じてしまった。

ただ、Eldest Soulsは周回が前提のゲームだ。NewGame+を選択することで強化したボスと闘うことができる。おそらく武器、防具の大幅な強化は2週目以降のプレイを見越してのことだろう。2週目はボスの体力2.6倍、攻撃力アップ(具体的にいうと2発とか1発で死ぬ)攻撃モーションも追加されているなど、これ見よがしな強化っぷりで武器や防具を強化していようがいまいが骨太な難易度。ギリギリで回避し、隙を見て強化攻撃を当て、突っ切る、そういうプレイができなければボスを打倒することができない。Eldest Soulsの本気が楽しめるわけだ。大味に少しがっかりしたプレイヤーはぜひ2週目を楽しんで欲しい。「深淵」の二つ名がついた全く新たなボスが楽しませてくれるっだろう。

Eldest Soulsはこれが初めてのインディースタジオのゲームということはまったく感じさせない、完成度の高い良作だった。自作にも期待したい。

Steam https://store.steampowered.com/app/1108590/Eldest_Souls/ 

PSstore  https://store.playstation.com/ja-jp/product/EP6960-PPSA03260_00-1010499476640141/

Nintendo store https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000043436.html

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