Dogurai レビュー ロックマンへの愛が感じられるゲームボーイ風2Dアクションゲーム

DOGURAIゲームレビュー
DOGURAIタイトル画面

Dogurai(Switch/Steam)はブラジルのインディーデベロッパー、Hungry Bear Gamesが手掛ける2Dアクションゲームです。トゥルーエンドクリア(約10時間)までプレイしたので、感想をまとめておきます。結論から言えば、レトロスタイルの2Dアクションゲームが好きなプレイヤーにはおススメの良作でした。価格もお手頃です。(※日本語対応しているタイトルではないため、一部名称は筆者が意訳しています)

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Doguraiの概要

Doguraiの舞台となるのは、獣人が暮らすディストピア世界。機械の軍勢によって支配されたこの世界で、獣人たちは地下や下水菅の中で暮らさざるを得ません。プレイヤー操作する主人公の犬(DOG)侍(SAMURAI)=Doguraiのボーンズは機械の軍団に立ち向かう、数少ない戦士の一人です。

ボーンズはとらわれた相棒の忍者、ライダーを助けるため、ディストピア世界を支配する闇に戦いを挑みます。

Doguraiの操作はシンプル、ロックマンゼロシリーズのゼロのような操作感

Doguraiはシンプルなステージ制の2Dアクションゲームです。開発陣が、2019年GameSparkのインタビューに答えたところではロックマンシリーズやメトロイドに影響を受けたとのこと。

Doguraiの操作感はそんな名作と同じく、非常にシンプルです。十字キーかスティックで移動、攻撃ボタンで(Switch版ではY)刀を振り敵を切り刻みます。ジャンプは2段ジャンプが最初から出来るようになっており、押す強さを変えると高さを調整できるようになっています。レトロライクなゲームではありながら、現代の微調整ができるコントローラーに合わせた優しい設計です。

Dogurai

刀を振るうボーンズ

そのほか、Dogurai特別な操作としてはボーンズより低い通路を駆け抜けることができるしゃがみダッシュ(Switch版ではRトリガーかAボタン)があります。操作感としては、ロックマンXシリーズのダッシュに近いです。こういったところにも影響を受けたへのリスペクトが感じられます。

Doguraiのオリジナルアクション、弾や強敵を切り刻むボーンズの斬撃

ここまでの操作はよくまとまってはいますが、名作やそのほかのインディータイトルと変わらないものです。Doguraiオリジナルの要素はタイトルにもなっているDoguraiボーンズの刀アクションです。まず、とにかく爽快です。敵はおろか一部の敵が発する斬撃、ミサイルを切り刻むことができます。

また、一部の強敵やボス戦では特別なギミックが発生します。敵の一部のアクションの前に「!」マークが登場、この時にタイミングよく攻撃ボタンを押すと、ボーンズの「絶技」がさく裂するのです。

Dogurai

絶技を繰り出すボーンズ

敵と共にジャンプするボーンズ、その動きに合わせるのように「↓」など方向キー入力が要求されます。制限時間(1秒程度)内にキーを入れるとボーンズが神速の斬撃をお見舞い。うまく入力ができれば、最大5回まで敵を「神速の斬撃」で斬りきざむことができるのです。

Dogurai

絶技を叩きこむボーンズ

要所要所やボスの強烈な攻撃が繰り出されたあとに、この絶技入力が挟み込まれ、その演出も相まって、爽快なプレイを楽しめます。

Doguraiのステージはレトロアクションゲーム愛が感じられるバリエーション

Doguraiは先述したように、ステージクリア型のアクションゲームです。ステージは全部で5つ、基本的なアクションへの習熟が要求される「シティ」、つるつるした凍り付く床を駆け抜ける、雪原の研究施設「クライオラボ」、即死トラップマグマの床が至る所に張り巡らされた「溶岩洞窟」、ボーンズをつぶそうと上から押し寄せるプレスマシーンを避けながら進む「ヘイタープラント」、バイクで砂漠を支配する要塞を駆け抜ける「デザートベース」とそれぞれ、レトロゲームが好きな人なら思わずニヤリとしそうな特徴を持つステージ構成となっています。

Dogurai

プレイヤーを待ち受ける多彩なステージ

クリアすると、これまたロックマンシリーズなどでおなじみ、物語の黒幕に迫る、追加ステージが登場という流れです。

ステージの内容は例えば、つるつる床ステージのクライオラボでは、主人公ボーンズを吹き飛ばす風邪を吹き出すマシンが登場。押し出される、と思って、操作をためらっていると今度は吸い込むマシンがボーンズを引き寄せ、ボーンズを凍らせる冷機を噴出する床に直撃、凍ったまま穴に真っ逆さまといった「わかっている」トラップがそこかしこに張り巡らされていたりと「わかっている」感じです。

Dogurai

つるつる滑るぞ

思わずコントローラーを投げ出しそうになった、あの頃の思い出がよみがえる難易度です。

Dogurai激ムズだが、理不尽ではないゲームになっている

Doguraiはロックマンなど「超高難度」とされるレトロアクションゲームに影響を受けただけあり、かなり難しいです。ですが、細かなところで、新しくレトロライクなゲームに触れるプレイヤーが投げ出さない配慮がなされています。

まず、難易度は「Normal」と「Hard」の二つ、それぞれ、Normalは「コンティニュー無制限」「ライフなし」つまり、何度でもクリアするまでやり直しがききます。

Dogurai

難易度は二種類

それに対してハードは「コンティニュー無制限」「ライフは6つまで」とこちらも、ライフ制限があるため、ライフがなくなれば、ステージ最初からやり直す必要はあるものの、コンティニュー制限はないため、ゲームオーバーになって、全てのステージを最初からやり直すという、レトロゲームあるあるの怖ろしい体験はしなくて済みます。最終ステージまで来たのに……。といった不安は皆無なわけです。

また、Doguraiのステージには、難所を抜けた先、ボスの手前など「ここに置いているとありがたい」という場所にライフアップアイテムや回復アイテムが配置されています。

加えて、適度なやり直しポイント、そこまで長すぎないステージ(一度も死ななければ数分でクリアできる)とやり直し安さにも配慮されており、子気味よく遊べます。レトロアクションの激ムズ難易度はそのままに、理不尽な部分だけが取り除かれていてとにかく遊びやすい。

Doguraiの個性豊かなボス

Doguraiではステージと同じようにボスもそれぞれ、個性豊かです。溶岩ステージでは、火を操る鳥人が、砂漠の要塞では、ミサイルや高価力のビームで攻撃してくるサイボーグドッグが登場。それぞれ、攻撃も姿にちなんだものになっています。

Dogurai

ボスの登場だ

ロックマンシリーズでは、それぞれのボスに弱点となる武器が用意されていました。エネルギー缶をあつめ、苦手なボスに弱点のブキでひたすら攻撃し、ハメたおす、といったプレイも可能だったのです。

Doguraiには、そういった武器の変更要素はありません。そのためボーンズを操るプレイヤーは敵の攻撃パターンをうまく読み切り、斬撃を叩きこむ必要があります。

前述したように、子気味良いDoguraiですが、裏を返せばボリュームが少ないとも言えます。この「ボスキャラクターをはめて倒すことができない」という仕様は少ないボリュームの中で最大限遊んでほしいという、開発陣の心意気を感じました。

それぞれのボスは理不尽な攻撃のように見えて、タイミング技の起こりがわかりやすいように設定されています。初見では苦戦した敵でも、ボーンズの死体を積み重ねながら、徐々に光明を見出していくという楽しさがあるのです。

先述したように、ボスにもボーンズの「絶技」を叩きこむことが可能です。ボスの大技を見切り、疲れ切ったボスに、絶技をたたき込み、最後は真っ二つにたたっきる、演出もあいまり、とにかく楽しいボス戦になっています。

Doguraiは音楽、画面も含めて徹底したゲームボーイ風の演出もいい

また、Doguraiは画面を見てもらえばわかるように徹底した「ゲームボーイ風」の作りのゲームです。ステージによって基調となる色は変わりますが、初代ゲームボーイの「白黒」の画面を意識した、モノクロ風の画面、バックに流れる8bit調のミュージック、そして、画面選択で選べる「スーパーゲームボーイ」に接続したときのような画面などなど、とにかく芸が細かい。開発側の愛が感じられる作りになっています。完成度が高く、ただのレトロ風になっていないところも含め、すばらしい。

Doguraiにはやり込み要素もある

また、Doguraiはステージをクリアしてただ終わりのアクションゲームではありません。各ステージには隠しアイテム「フロッピーディスク」があり、これを既定の数を集めているかいなかで終盤の展開がかわります。

Dogurai

フロッピーディスク

ネタバレになりますが、全てを集めることでトゥルーエンドが達成でき、ボーンズ相棒のライダーを使った、モードが楽しめるようになるのです。ライダーは手裏剣を使った忍者タイプのキャラクター。そう、ロックマンXで言うところの、ゼロがボーンズであったのに対し、ライダーがXというわけです。愛を感じます。

Dogurai

ライダーの絶技もかっこいい

Dogurai、全体的に完成度の高い作品です。日本語対応していないところが若干マイナス材料ですが、シンプルなアクションゲームなので、意味が取れなくても楽しめます。500円と安い今のうちにぜひ!

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