Rusted Moss 人類世界の黄昏を行くメトロイドヴァニア 癖のあるグラップリングと高難易度が評価の分かれ目か

ゲームレビュー

2023年4月12日に発売を開始した探索アクションゲーム「Rusted Moss」、真エンドクリアまでプレイしたので、感想をまとめておきます(プレイ時間約20時間、難易度ノーマル)。

ゲームの雰囲気が知りたいという方は、末尾に筆者のプレイ動画を載せているので、そちらを参考にしてみてください。

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Rusted Moss概要

開発はインディーデベロッパーのfaxdoc, happysquared, sunnydaze。ちなみに、これで一つのユニット名、というわけではなく、faxdoc(エマルイーズ氏)happysquared(Happy2)sunnydazeという3人の個人デベロッパーのチームによってつくられた模様です。

現状日本語での開発者インタビューなどがないので不明点は多いのですが、開発陣のSNSアカウントの情報を見てみると、アートやデザインなどはfaxdocが担い、それをサポートするような形で作られたようです。

ちなみに、メンバーの国籍なども不明。判明しているところだと、どうやらhappysquaredの拠点はシンガポールみたいですね。

配信はゲームメディアAutomatonの運営元であるアクティブゲーミングメディアのブランド「Playsm」です。

シナリオ概要 妖精の台頭により滅びゆく人類世界を描く

舞台となるのは「鉄」と「科学」によって築かれた人類文明と「魔法」をはじめとするファンタジックな力をもつ存在、妖精の勢力が互いにしのぎを削りあう世界です。

「ラスティッドモス(さびたこけ)」という題名の通り、人類の支配領域に「妖精」たちが進出、人間の時代は幕を閉じようとしています。

妖精の世界と人類の世界の境界では日夜生き残りをかけて戦う人類の少女たちが妖精たちとの闘いに明け暮れています。その一人「ファーン」が主人公です。人類の一員ではあるファーンですが、生存をかけて妖精たちと血を洗う戦いをするそのほかの少女たちと異なり、一人人類に背き、妖精の女王「ティターニア」復活、そして「妖精の時代」の到来を求め暗躍しています。

相棒となる影「パック」の持つ跳躍の力を使い、妖精世界と人類世界の境界を一人さまようファーン、その旅の果てにあるのは……。といった流れが主なストーリー。

多くの探索ゲームと同じく、テキストではあまり多くを語らず、点在するフレーバーテキスト「ロア」を閲覧することで徐々に沿革がわかっていく内容となっています。

シナリオ自体はAutomatonの運営企業が入っているだけあって、ローカライズはばっちりで、おかしな部分はほぼゼロ、気にすることなく楽しめます。

そしてこうしたRusted Moss世界は全編、ピクセルアートで描かれています。カワイイながらもどこかもの悲しさを感じさせるアートは必見です。当ブログでも紹介したブラスフェマスのように、ピクセルで緻密な宗教画のような世界感を描いた作品とは異なり、若干ドット絵は荒いのですが、そこがまた魅力なんですね。

キャラクターたちも、日本的な「漫画」表現に近いデフォルメのされ方をしています。いわゆる「アメコミ」とか海外のコミック的なキャラクター表現ではないのでとっつきやすいのではないでしょうか。

Rusted Mossゲームシステム概要

というわけで、ここからはざっくりとゲームシステムについてみていきます。大まかな流れとしては、メトロイド、悪魔城ドラキュラシリーズに代表とされるような、探索アクションゲーム。いわゆる「メトロイドヴァニア」です。

基本的になシステムは過去作とほとんど変わりません。アクションを駆使してマップを進めていく、道中にはポータルがあり、ファストトラベルができる。中には隠し要素もあり、それらを駆使して、キャラクターを強化していく。といったよくあるやつですね。

本作Rusted Mossが既存の作品と大きく異なるのが、ダッシュジャンプや2段ジャンプといった移動手段のバリエーションが少なく、独自のグラップリングアクションがメインの移動方法となっている点です。

簡単に言うと、カーソルを動かし、アクションボタン(コントローラーの場合はRトリガー)を押すと、主人公ファーンの手元からビューンと糸が伸び、慣性の法則で動くことができるというもの。

これだけだと、メトロイドなどでも(スーパーメトロイドとか)あるグラップリングアクションなのですが、Rusted Mossは糸にゴムのような反発力を持たせており、それが独自の操作感を生み出しています。プレイした感じでいうと「ラバーリングアクション」と銘打った「海腹川背」シリーズのアクションに近いかな、という印象を抱きました。

そして、通常のメトロイドヴァニアのように「能力を獲得して移動できる先が広がる」といった進め方ではなく、本作Rusted Mossでは序盤からラバーリングアクション×慣性の法則を生かしながら、ずいずいと自由に進めてしまいます。技術の習熟度にもよりますが、多少ある移動手段(チャージジャンプなど)を習得しなくとも、マップのどこでも自由にいけてしまうというわけ。

この独自のアクション×自由度の高さが本作の魅力の一つと言えるでしょう。

戦闘はシューター系

戦闘面のアクション周りはいわゆるシューター系です。基本的に近接武器はなく、重火器を駆使して、敵をバッタバッタと打倒していく。武器は全部で7種類あり、通常攻撃に加え、チャージによるラッシュ攻撃のある初期武器「レール」遠距離からチャージ攻撃できるスナイパーライフル、チャージはない代わりにそこそこ高火力の攻撃が一定間隔でぶっ放せる「ショットガン」といった具合にバリエーション豊か。武器によっては、空中で放つと反動で移動できたりと、副次的なアクションもあり、これもまた楽しかったですね。

Rusted Moss気になった点

といった点が個人的に感じた魅力です。ゲームとしての完成度はかなり高く、メトロイドヴァニア系のゲームが好きな方であれば、おおよそ楽しめるのではないでしょうか。

ただ、一方で特に操作面で気になるところがあったのも事実です。

癖が強く、かつ難易度の高いグラップリングアクション

ずばり、売りであるグラップリングアクションがとにかく難しいんです。感性が働く上に、ゴムのように反発するので、慣れるまではどこにファーンが飛んでいくか、全くわからない、なんてことに。しかも、グラップリングアクションが移動のほぼすべてをまかなっているので、できないとどこにも行けない、なんてこともあるわけです。

特に序盤は目の前の壁が登れなくて、30分ぐらい試行錯誤してしまった、なんてこともありました。戦闘面でもグラップリングアクションが要求されるので、本当に難しい。通常のゲームであれば、ダッシュジャンプや2段ジャンプ、ダッシュ中の無敵時間を駆使して爽快だ!

みたいな遊び方ができると思うのですが、Rusted Mossではほぼできません。何よりつらいのが、無敵時間を有し、敵の攻撃を回避できるアクションが本作には一切ないこと。ですから、戦闘でグラップリングアクションが要求されるような場合はとにかく「うまくなる」しか解決法がないんですよ。

ただただ、自分のプレイスキルがないことを突き付けられる時間がクリアまでのプレイ中結構あります。

まぞっけのあるプレイヤーであれば、こういった時間も楽しいのでしょう。筆者自身なんだかんだ言いつつも、クリアまで遊んでしまいました。

ただ、爽快なアクションを楽しみたいとか、普段はRPGとかアドベンチャーメインだけれど、メトロイドヴァニアくらいはやっているみたいな方だと、かなり苦痛かと思います。

輪をかけて、結構Rusted Mossは難しいんですよね。死にゲーと言っていいくらい、死にます。そうした通常のアクションの難しさもあり、本作は「万人に楽しい作品だ」とは言えないゲームかな、と個人的には思いました。

ちなみに、本作はマウス+キーボードアクション推奨ですが、筆者はコントローラーでクリアまでプレイしました。攻略ティップス的な話をすると、グラップリングモードをR2長押しタイプにすると楽でしたね。操作の手間が一つ減るので。

当ブログその他のレビューはこちら

筆者プレイ動画

 

 

 

 

 

 

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