Cult Of The Lambレビュー カルト村運営は楽しいが、ローグライクとかみ合っていない

ゲームレビュー

かわいい子羊が主人公のカルト村運営シミュレーション+ローグライクな一作。クリアまで遊んだので感想をまとめておきます。(プレイ時間15時間)。

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Cult of the Lamb 概要

クトゥルフ神話を髣髴とさせる謎の邪教がはびこる、動物の森のような世界が舞台。邪神「待ち受けし者」を封印する儀式の生贄にされた子羊が主人公です。

主人公は今わの際に、突如現れた待ち受けし者に救われ、復活します。救った命と引き換えに自らの封印を解くことを求める待ち受け者。主人公はその求めにこたえるべく、邪神崇拝カルトを運営しながら、信心によって手に入れたスーパーパワーを使って異教徒どもを粛清し、邪神復活のために奔走する……。というのが大まかなストーリーです。

Cult of Lambは大きく分けて三つの要素から構成されています。メインとなるのが、プレイヤーが随意に名付けられる邪神崇拝カルト「○○教」の教祖となり、カルト村を運営していくシミュレーション。そしてランダム生成のダンジョンを探索し、随所にいる「迷える子羊」を導いたり、素材集めをしたりながら「異教徒たち」を粛清していくローグライクアクション要素「聖戦」です。

ダンジョンを探索することでカルト村周囲に暮らす人々と交流ができるようになり、ミニゲームやちょっとしたアドベンチャー要素も解放されていきます。これらを駆使しながら、教団をより強大に。聖戦時の永久アップグレードを解放し、教祖たる子羊の力をより強くして、ストーリーを進めていき、最終目標への到達を目指すことになります。

あふれる汚物、蔓延する病。文句ばかりの信者に裏切り者も登場。カルト村運営は大変です。

プレイしていてよかったと感じたのはやはり、メインであるカルト村運営要素でした。かわいいキャラクターでデフォルメされていたり、ファンタジー要素はあるもののかなりリアルです

村の礎となる「信者」たちはダンジョン探索時、異教徒たちの生贄の儀式から助け出したり、中ボスとして登場した異教徒を改心させたりしてカルト村に引き入れます。

村には当初

・礼拝堂
・教祖像
の二つのみが置かれています。礼拝堂では、教祖自ら説教をしたり、儀式を行うことができ、それにより信心を集めることができます。一定程度信心を集めると教祖はレベルアップ。より聖戦を効率よく進められる永久アップグレードが解放されます。

また教団の中心にある「教祖像」の前で信者たちが祈りを捧げさせると得られる「祈念」を集めることで村はより大きくなり、教団に設置できるオブジェクトも解放されていきます。これらオブジェクトを駆使しながら、教団をより豊かで強大にすることもまたこのゲームの目的です。

三つパラメーターを管理しよう

教団を運営するために常に管理しなければならない三つの重要なパラメーターが

・空腹
・衛生
・信仰です。

三つの中で最もわかりやすいのが空腹でしょう。ご飯を食べなければ、腹が減る、腹が減りすぎたら信者たちは餓死する、というわけです。しかもご飯はまずかったり栄養バランスが悪くてもいけなません。どうしても資源が足りないときは質素なものを出したくなりますが、まずければ、信者たちから忠誠は得られません。また「ベリーのみ」「残飯のみ」といった質素な食事には例えば下記のように

・一定の確率で病になる
・糞便、吐しゃ物を一定の確率で出す

様々なデバフ効果が設定されています。栄養が偏っていれば、村の衛生環境が悪くなったり、病がはびこるというわけです

衛生面も重要です。ご飯を食べたら出るものが出ます。そこは人間もかわいい見た目の信者たちも一緒です。体調が悪ければ上から出すことも。衛生のパラメーターがあることからわかる通り、汚物を放置すると、カルト村の衛生環境はどんどん悪くなっていきます。

衛生のパラメーターが下がれば、今度は疫病が蔓延。病にり患した信者たちは吐きまくりだしまくりの大騒ぎ。物が放置されればさらに衛生環境は悪化、ひどい場合は信者が死んでしまうこともだってあるのです。

こうした、カルト村の快適さがトータル面で現れるパラメーターが信仰です。教祖が説教することで、数字を上げることができるのですが、寝る場所がなく、ご飯は残飯を煮詰めたようなもの、そこらじゅうは汚物まみれ、となれば「教祖様はあんな偉そうなこと言っているけれど全部嘘では?」と信者たちは教祖に疑いをもちだします。

村の快適度が低ければ、みるみるうちに信仰は下がっていき、あまりに信仰が低いと教団を糾弾する離反者が登場。不信の波が広がり、教団が崩壊してしまうことに……。

教祖=プレイヤーは村の環境を整え、信者たちに快適に暮らしてもらい、信心を集めるため教団を維持するために、奔走する羽目になります。

序盤はとにかくタスク管理が大変

このように、教団運営は前途多難です。特にゲーム序盤、カルト村には教祖像と教会、食料を煮炊きできる台、そしていくばくかの資源しかありません。村にやってきた信者たちの望みをかなえるため、必死に働く必要があります。

教祖の朝は信者たちへの「説教」から始まります。説教が終わったら、信者に食べさせる食事作りです。村に自生しているベリーをとってきて、調理台で煮たり焼いたりします。一回一回ミニゲームが挟まれこれが結構厄介なんです。(※後述の気になる要素でも触れますが、現状動作が安定しないことがあります)

料理が完成したら、思い思いに食べ始める信者たち。その間に食事が終わった信者と一緒に木を伐採したり、鉱山を砕いたりして資源を集めをします。資源があつまったら信者たちの寝場所を作ったり。合間合間に信者たちが隅っこでした糞便を掃除して村をきれいにしたり。休む暇がありません。教祖様の働きぶりは奴隷のようにですらあります。

ただ、字面にすると大変なだけに見えますが、面倒ではある一方、ちまちまタスクを管理しながら進めえていくのは結構たのしいものです

加えて信者たちにはそれぞれ個性があり、ただ、お世話をしているだけではうまくいかない場合があります。信心深く、働き者で頼もしい信者もいます。中には「糞便」を喜んで食べたり「死肉」を食べても平気と、村の運営に直接役に立つ信者も。

一方で、怠惰な性格のものがいたり、食にうるさかったり、疑り深い性格で、些細なことで離反する迷惑な信者もいるんです。食事がまずかっただけで「目を真っ赤」にしてメガホン片手にネガキャン始める姿は本当に憎らしい。

こうした「むかつく」信者への対策を考えなければいけないことで単なるコミュニティ運営シミュレーターではない面白さが生まれているのもCult of Lambの魅力でしょう。

あくまでもカルト村運営シミュレーションです。嫌なやつは洗脳したり、消したりしちゃいましょう

Cult of Lambのメインはあくまでもカルト村運営です。カルトに必要なものといえば、教義と数々の儀式でしょう。

カルト村の信者たちは教祖への忠誠度が一定以上高まると、贈り物をくれます。この贈り物を一定以上集めることで、カルトの経典の一ページに新たな教えを刻むことができます。

経典には4分野、最大で16の教えが書き込めます。教えによって、信者たちの性格は変わっていきます。教え次第では、例えば信者たちを死んだ仲間を食べても平気な「カニバリスト」にして「自給自足」できるようにしたり、雑草を食べても大丈夫な「草食」にして、雑草を煮るだけの粗末なごはんでも文句を言わないようにさせたりもできるのです。(あと、信者の特別な個性として「糞便を食べたがる」というものもあったりします)

この経典の組み合わせ手によって、儀式が解放されていきます。儀式は全部で12個です。儀式は穏やかなものから怪しげなものまでバリエーションが豊富です。例えば、

・素材によりをかけてみんなで食卓を囲む
・豊作の儀式をして、野菜収穫までのスピードを上げる
・死者を弔う

といった穏やかなものもあれば……

・信者を生贄にささげ、教祖がパワーアップ
・「怪しいきのこ」を使って信者を洗脳
・お金を信者にばらまいて買収する
・信者と結婚する

なんて、いかにも「カルト」っぽいものもあります。

ようするに、信心深くなく信者たちに嘘を吹き込む離反者は生贄にしてしまえばいいし、村の信仰が下がり、運営がうまくいかなくなったら洗脳して無理やり信じ込ませて一端立て直すのもありというわけなのです。もちろん、そのまま洗脳し続けて楽をするのだってありです。

ちなみに、村におけるオブジェクトの中にも信者を拘束できる「貼り付け台」「プロパガンダを流すメガホン」「告解所」などカルト村を支えるものが用意されています。

まじめにカルト村を運営しつづける必要はなく、ときには邪法を使って無理やり苦難を乗り越え、教団をどんどん大きくしていくというのが本作のだいご味といえるでしょう。

カルト村づくりに正解はありません。

皆穏やかなで文明も発展している古代都市のようなカルト村を築くもよし。

プロパガンダで洗脳し、離反者は生贄の儀式でパージする、虚飾と暴力で彩られた独裁者が支配する限界カルト村をつくるもよし。

邪教がさかえ、村人が村人を喰いまくる、絵にかいたようなカルト村を築くもよし。

信者のスキンや村の床も随意に変えられますし、村における装飾品の数も豊富です。

一面水びだしで海産物のような顔を持つ信者にあふれたクトゥルフ神話の「漁村」のようなカルト村を作ったり。

一面花畑で穏やかそうな信者ばかり、しかし「生贄の儀式」で村の結束力が高まる「ミッドサマー」的な村だって作れます。

Cult of The Lambではとにかく自由度が高く、プレイヤーの数だけ、様々なカルト村が作れるのです。

村ができたら終わりじゃない、時間の概念がより深みを生んでいる

どんどんと村を大きくしていき、オブジェクトも増やしていくと、信者たちは勝手に動いてくれるようになります。

例えば、排せつした糞尿を勝手に掃除してくれる用具箱を設置、集めた糞便は「コンポスト」に加えておけば、他の村人が肥料として撒いてくれる、それで育った野菜を収穫してみんなで食卓を囲む。

といった具合にエコシステムがうまく循環していくんです。じゃあクッキークリッカーのように、インフレしていくか、というとそうではないのが面白いところ。

このゲームには「ゲーム内時間」の概念があります。時間が反映される要素の一つが信者たちの年齢です。年を取れば老化で仕事はできなくなり、病気にもかかりやすくなります。

例えば序盤で一気に信者を集め、ゲームを進めていると中盤でおじいちゃん、おばんちゃんだらけで労働力はほぼゼロの高齢化カルト村になってしまうこともあるんです。村のエコシステムが一気に立ち回らなくなる可能性だってあります。

そして、年を取れば当然、命が終わるその日が来ます。死体を放置していたら、衛生環境が悪化します。

信者の心情面も考えなければなりません。先ほど紹介した信者たちの性格の中には「死を恐れる」この性格はいわばデバフ的なもので、他の信者の死に直面すると信仰が下がってしまうのです。つまり死を恐れる信者が多い村では、一人死ぬだけで、信仰度が著しく下がってしまう場合もあります。そして気が付けば、村が崩壊寸前に……。

という感じで、村が一度安定してもそれでおしまいにはならず、ゲーム終盤になっても、だらけず、カルト村シミュレーションが楽しめます。ちなみに、ネタバレではありますがゲームクリア後には「不老」の信者が仲間になり、年齢制限を気にせず、自由に村育成ができます。クリア後に運営要素が快適になるよう工夫がされている点も高評価ポイントでした。

ローグライクアクションは正直大味

というわけで村づくりがとても楽しいと、3000文字くらいかけて語ってきたのですが、本作はローグライトアクションでもあります。正直こちらはかなり大味だと感じました。後ほど詳しく単調なのです。またこちらも後程詳しく説明しますが、村のシステムともかみ合っていません。

さて、教祖が向かうダンジョンですが全部で5種類あります。最初は一つのダンジョンしか解放されておらず、プレイ以降は増えた信者の数に応じて新たなダンジョンが解放できる仕組みです。クリア順は特にありません。要求される信者の数が多いダンジョンの方が素材などが若干優れている傾向にはあるので、いち早くそちらを解放するのがおすすめです。

ダンジョンが難しい場合は村で信者たちへの説教を繰り返しましょう。説教で得られる力を集めることで、ダンジョン攻略の際に役に立つ永久アップデートが解放されていきます。

ただ、どのダンジョンもアップデートされるごとに敵の体力や攻撃力が上がる仕様になっています。「レベルを上げて殴ればいい」という仕様にはなっていません。この点はよくできていると感じました。

ダンジョンは見下ろし型で表現されます。最初にランダムで手に入る

・メインウェポン(近接攻撃、攻撃速度が設定されている、そのほか攻撃と同時に毒が入るもの、クリティカルするものなど特殊能力が設定されている場合もある)大きく分けると種類は
・サブウェポン(呪力と呼ばれるMPを使って使用する遠距離攻撃、呪力の最大値はアップデートできる)

二つを武器に異教徒たちを粛清していきましょう。武器にはそれぞれレアリティがあり、村で信心を集めることで、手に入る武器のレアリティを挙げていくことができます。

操作はシンプルで、
・攻撃
・サブウェポン攻撃
・回避

だけとなっています。これに加えて、そのほかのローグライクでいう「レリック」要素をランダムで手に入れられます。
・攻撃力上昇
・回復量アップ
・移動速度アップ

などのシンプルなバフから
・夜間(あるいは昼間)攻撃力アップ
・被ダメは増えるが攻撃力アップ

といった、システムを利用したバフやメリデメのはっきりしたものも。

全体としてはいわゆる近年ものローグライトローグライトに近いしようかと思います。アクション周りに関しては最近の作品でいうとハデスに近いです。進め方という点では階層をクリアすると、次に進む場所が表示される点はSlay the spireに近いでしょうか。素材だけが手に入る階層やイベントが起こる階層などがある点はかなり似ています。

階層を何度か進むとボスが登場、何回か踏破することによってダンジョンボスが潜んでいる「神殿」に到達することができ、ダンジョンボスを倒すことでクリアとなります。

かなりオーソドックスなもので、正直に言えばよく見たことがあるシステムですが、バランスの取れたものだと思います。

敵の動きが単調かつ画面の都合で攻撃見づらい

ではなぜ大味だと感じたかというと、敵の動きが単調だからです。敵の攻撃パターンは大きく分けると、

・手に持った武器での近接攻撃
・飛び跳ねて着地地点に衝撃派が発生
・遠距離攻撃

の三つで、難易度が上がってくると、シンプルに敵の数が増える、弾幕が増える、遠距離の敵と近距離の敵が組み合わせで登場し避けづらい、といった程度の派生しかありません。

ボスの攻撃も雑魚敵に準じたもので、攻撃の速さが増す、弾幕が増えるといった程度のバリエーションです。ずっとプレイしていると見飽きてきます。

加えて、ダンジョンには教祖の攻撃で破壊できるオブジェクトがあるのですが、中には「影」があるものがあり、敵の攻撃が隠れてしまう場合があり。この点もストレスでした。

ダンジョンを攻略している間もゲーム内時間が進むのがとにかくストレス

加えて大きなストレス要素があります。先ほど、Cult of the Lambでは時間の概念があると説明していましたが、実はダンジョンをプレイしている間も時間は止まりません。ボスと戦っていようが村では時が過ぎていきます。

食事がなければ信者が飢えていくし、教祖がいない間に出した信者たちの排泄物はどんどん積みあ画がっていきます。疫病が広まっても対処することはできず、次々に村人の間は広まっていくのです。

ゲームを進めることで、ダンジョン探索途中に村に戻るスキルが身につきます。ではこれで、村で大問題があるときに戻れる、安心、ということになりません。

何故かというと、ローグライクはライフ管理、敵の攻撃を回避できるスキルがだけでなく運が重要だからです。マップや武器はランダム生成です。プレイヤーにとって有利な効果のあるマップが続くのか、最初に有利な武器が引けるのか。運次第では、準備不足でも簡単にクリアできたり、永久アップロードの解放が進んでいても、クリアが難しくなったりするわけです。

本作はそこにカルト村運営要素がのしかかります。つまり、せっかくレアリティの高い武器が見つかっても、

「この武器を持っていたら、ダンジョンはクリアできる、でも村の問題を放っておいたら、もとに戻すのにもっと時間がかかる、戻らなくては」

というように戻らざるを得ない場面がそこそこ出てきます。このやきもきする感じは、楽しいというよりは「ノイズ」だと感じてしまいました。端的に言えばカルト村シミュレーションとローグライクアクションというシステムがかみ合っていないんです。

とはいえ、シビアな時間の概念がリアルなカルト村シミュレーションにつながっているのも事実でしょう。例えば「ローグライクアクションパートでは時間が進まないようにすればいい」かというと、そうでもありません。ダンジョン探索時には新たな信者が見つかったり、村を開発するための資源を見つけることができます。儀式を起こすための大事な資源である「骨」は異教徒由来です。

繰り返しになりますが、本作は自由な順番でダンジョン攻略を勧められますが、ダンジョンによって得られる素材や信者の質が異なります。つまり、グレードのいいダンジョンでプレイし続けているのに、時間の要素のような「ダンジョン探索をし続ける」デメリットがないと、「ひたすら素材を集めて後はほぼ自動で村を動かす」みたいなこと要するに、レベルを上げて物理で殴るができてしまい、カルト村運営要素の楽しさが減ってしまう可能性があるんです。

じゃあローグライク要素をなくせばいいかとこれも難しいと感じました。繰り返し、カルト村運営要素は大変だと、書いてきましたが、プレイしていてストレスを感じる局面があるのは事実です。その点でいうとローグライク要素をプレイすることは「つらい労働」から解放されるような楽しさがあるんです。それがなくなってしまうと、正直カルト村運営がつらいかな、と思ってしまい……。

非常に悩ましいところですね……。この点はインディーならではの粗削りさ、やりたいことを詰め込みすぎたがゆえの問題、といえるのかもしれません

また、現状動作におかしな点が多かったり訳がうまくいっていかったりする場合がある。

その他発売当初ということもあってか動作面で気になるところがありました。私はPC版(RTX3070 搭載のゲーミングノートでプレイ)をプレイしていますが、何度かゲームが落ちたほか、プレイ中に熱暴走などが主因ではないかくつきもありました。

また、基本的にローカライズはうまくいっている印象ではありますが、現時点では一部でそもそも翻訳されていない文章が見られます。気になっている方はロードマップに記載のあった無料アップデートを待ってから購入することをお勧めします。

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筆者プレイ動画

アクションパートのプレイ動画です。

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