いまさらながら、ニンテンドウパワーとはなんだったのか

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初代ファミコンにはディスクシステムと呼ばれるシステムが存在しました。従来のカセット型のソフトではなく、フロッピーディスクを採用。ゲームショップやおもちゃ屋さんに置かれている「ディスクライター」という機械にディスクを入れ500円を支払うことで、ゲームを書き換えたり、容量の範囲内であれば、ゲームを追加出来たりとかなり斬新なシステムでした。

スーパーファミコンも後期に入るとにたようなサービスを提供するようになったのです。

それが「ニンテンドウパワー」です。1997年コンビニ大手のローソンと提供することで始まったサービス。現在もチケット購入などで利用する方も多い、ロッピーを利用。対応カートリッジ(スーパーファミコン版とゲームボーイ版がある)をローソンにもっていくことで購入したゲームデータを書き込んだり、することできるというこれまた画期的なものでした。

サービス自体は2007年までの10年間というという長きにわたり続きました。(人気が低迷していたためか、コストがかかったためか、2002年にはローソン転倒店頭でのサービスは終了したようです)

今回はそんなニンテンドウパワーメモリーが一体どんなものだったのか、改めて見ていきたいと思います。

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発売の背景

今現在もダウンロード販売が当たり前になったり、過去のゲームソフトをアーカイブ版としてデータ配信することが一般的になりました。背景には単に過去ハードの作品をプレイしづらくなったユーザーへのサービスという目的だけではなく、増える海賊版対策など様々な要因があったようです。

当時の内容をまとめたネット資料などをみると、ニンテンドウパワーもにたいような問題意識のもと生まれたサービスだと言えそうです。

その当時は今ではなかなか考えられないことですが、ゲームソフトに限らず、中古ソフトの販売自体が一つの社会問題として考えられていました。

つまり「中古ソフトを販売することが、販売会社の利益に損害を与えている、著作権などの権利侵害ではないか」として販売者側が問題提起をしていたわけです。

ただ、消費者側としては安いソフトが購入したかったりするのも事実なわけで、そうした中で、任天堂を含め各種ゲームハードや権利を持っているメーカー側は頭を悩ませていた、というわけ。

加えて1997年といえばすでに次世代機「プレイステーション」「ニンテンドウ64」「プレイステーション」が発売されており、新規ハードの人気に押され、スーパーファミコンの人気は停滞気味になっていたわけです。そこでうち足られたのが、ニンテンドウパワーメモリーなのです。

現在のWiiUVCにも近い形で、それまでに発売されたたソフトをデータのみで格安で提供(スーパーファミコン163、ゲームボーイ122ソフト +ファミコンのメタルスレイダーグローリーなど※2000年当時 参照資料https://www.nintendo.co.jp/nom/0011/thisisnp/index.html)

それ以外にも幻獣旅団、スーパーパンチアウト、ファイアーエムブレムトラキア776など、ニンテンドウパワー専用ソフトも配信していました。※これらのソフトは発売時期が極短期間だったので、ゲームデータが記録されているカセットは希少品になっている。

仕組みはシンプルで、当時2500円のゲームボーイ用の「GBメモリカートリッジ」または当時3980円の「SFメモリカセット」

これらを提携するローソンの店舗のロッピー端末ロッピーに併設された専用の機械までもっていって、でもってガシャンとカセットを入れてデータを書き換えるという寸法になっていたわけです。

料金設定は明瞭で初回に1000円ほどの書き換え料金は必要でしたが、それ以外はソフト料金のみ、というものでした。参照資料https://www.nintendo.co.jp/nom/0011/qanda/index.html

やっぱりこけたニンテンドウパワー

その後のVCやPSのアーカイブなどを考えると画期的なサービスだったパワーメモリー。しかしサービスを開始した時期は1997と遅かった。当時はすでにファイナルファンタジー7をはじめとした名作が発売されており、一部のコアなファン以外にとっては時代遅れのハードとなっていたのです。

また、中古ゲームをめぐる騒動も販売側が合法という結論が2002年に最高裁判決によって出てしまったのです。

※98年にメーカー側が中古ソフト販売会社ソフトハウスを提訴、2002年4月25日に「中古テレビ・ゲームの自由流通は合法」という最高裁判決が出ています。

参照 日経クロステックhttps://xtech.nikkei.com/it/free/ITPro/OPINION/20020427/1/

また、店頭でのサービスが終了する2002年までに目まぐるしくハードが進化し、2000年にはプレイステーション2が、2001年にはゲームキューブ、ゲームボーイアドバンスが登場。

中古ソフトは自由に購入できるうえに、ハードは時代遅れ、ユーザーにとってはあまり魅力的ではなくなってしまった。加えて、そもそも、操作を行うための、施設を確保することが難しく、ローソン以外に販路を伸ばせなかったことも問題にとなり2002年の店舗でのサービスにつながったようです。

ニンテンドウパワーメモリーのせいで激レアソフトが多数生まれた

サービスが短命に終わってしまったためか、一部限定ソフトは販売本数が少なく、また手に入りづらいため、希少価値がついてしまいました。

面白いものです、安く提供するべく始めたサービスが図らずも高額ソフトを生んでしまうとは……。

アクセラから発売された「幻獣旅団」という戦略ゲーム

ファミコンで人気を博したパンチアウトの続編「スーパーパンチアウト」(ちなみに北米やEUではカセットで発売されています)

メタルスレイダーグローリーディレクターズカット アドベンチャーゲーム(最後の発売ソフトが、ファミコンの激レアソフトのリメイクというのだから何とも皮肉です)

ファイアーエムブレムトラキア776は現在でも、希少価値の高いソフトとして知られています。

今こそあった方が面白いかも

結果として残念な道をたどってしまったニンテンドウパワーメモリー。ですが、斬新なサービスであったことも事実です。現在海賊版が多数出ている(ニンテンドウは戦っており、勝訴している裁判も多いようですが)現状、ソフトが入手困難になっている現状を考えると今こそ似たようなサービスがあったほうがいいのではないか、とも思ってしまいます。

2019年にはVCがサービス終了、SwitchのNintendo Switchオンラインはラインナップが微妙(あくまで個人の感想ですが)と同様のサービスは振るわないのは事実なのですが、ぜひやってほしいなぁと思う次第です。

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