常世ノ塔 レビュー 操作方法など紹介 ストイックながらも遊びやすい国産良質ローグライト

ゲームレビュー

常世ノ塔のレビューです。

6月2日に発売を開始した常世ノ塔。

魔王の弟ぼくっ子メイド
ドジっ子お掃除ロボ
忍者っ子
ポンコツドラゴン娘
のじゃろり狐

常世ノ塔 レビュー

のじゃろり狐

彼女たち? 別世界から突如、謎の「常世ノ塔」に集められたかわいいキャラクターたちが、もと来た世界に戻るために、塔の踏破を目指すアクションゲームとなっている。

舞台となる「常世ノ塔」は毎日ランダム生成だ。ようするに、ローグライクのように、プレイの旅に新しいマップが生成されるわけじゃない。道中にはマップの構成を決める「白い死神」「黒い悪魔」、プレイキャラにバフ能力を授ける「レリック要素」など若干のランダム要素はあるんだけど、塔が生成された日の間であれば、常に同じ同じマップを楽しむことができるというわけ。ここは個人的には新鮮に感じた。

また、かわいらしいキャラクターがフィーチャーされている本作だけど、難易度はというと、死に覚えの辛め。マップも敵も殺意が高く、とにかくすぐ死ぬ。

常世ノ塔

牛ねぇの乳で回復だ!

敵の攻撃は雑魚でもライフの4分の1程度は持っていくし、随所にライフを奪うトラップが仕掛けられている。回復手段はクリアまでに3回現れる牛系おねぇさんが営んでいる牛乳屋さんのアイテムと、一部レリックしかない。

加えて、常世ノ塔には、プレイヤーを魅了して方向キー入力をおかしくさせるサキュバス、プレイヤーを見つけると走って襲い掛かってくるゾンビっこ等、固有モーションを持つ強敵もいたるところにいる。

ゲーム自体はシンプルなマリオ的プラットフォーマーアクションなんだけど、敵から適当に逃げて、殴って進めていけばいい、というなめた遊び方をさせないシステムになっているのも本作の面白いところ。

その一つが風来のシレンのコマンドアクション的を感じさせる攻撃周りのシステムだ。

常世ノ塔 レビュー

のじゃろり狐のスキル

今作の攻撃手段はキャラクターの見た目に合わせたスキルのみになっている。スキルボタンを押すと、画面いっぱいに、キャラクターのカット絵が挿入されて、発動するって寸法だ。

これも個人的には結構わかっている感じでよい。

忍者っ娘であれば、敵を追尾するキツネ火のような忍術。ドラゴン娘であれば、正面に向かって放出されるレーザービームなどどれも個性的。威力や射程距離、効果時間なども異なっていて、ピーキーなものもあれば威力は使いやすいものもあったりする。それでこれがなぜ、コマンドアクション的かというと、スキルはのべつ幕なしにずっと打てるものではないからなんだ。

スキルにはクールタイムが設けられている。そのため、スキルを使ったあと、プレイヤーは逃げ回ることしかできない無防備な状態になってしまう。使うタイミングを間違えれば一気に窮地に陥るけれど、逆にうまく使いこなすことができれば九死に一生ができるというシステムなんだ。マップを覚えて、次は強敵が出てくるから温存しておこう。ライフが少ないからまずは生き残りを優先して、すぐスキルを使おう、といった駆け引きが楽しめる。

繰り返しになってしまうけれど、操作は移動(十字キー)ジャンプ、スキルだけとシンプル極まりないものだ。だが、こうしたスキルの要素などがあることによって、シンプルなマリオ的ゲーム。つまり、難易度は高いけれど、死に場所と操作のコツを覚えてしまえば、クリアできるようになってしまうゲームとは緊張感が生まれている。

また、塔の各階を探索している際にはカルマ値という値が時間経過とともにたまるようになっている。風来のシレンの「強い風が吹いてきた」的な要素で、マックスまでたまるとプレイヤーを追いかける強敵が出現し、ほぼ強制的にゲームオーバーになってしまう。このあたりもかなりストイックに作られている。

じゃあ、ストレスフルなゲームなのかというと常世の塔はそうじゃないんだ。まず1プレイの時間が短い。クリアまで遊んでも20分くらいで終わる。途中で死んだらだいたい5分から10分くらいで1プレイが終わるくらいなんだ。

ローグライクというと、数時間、あるいは数日準備したものが、一瞬のミスで台無しになってしまい、画面をぶん殴りたくなってしまうほどストレスフルな側面のあるタイトルも多いけれど、常世ノ塔は一プレイが短いから、あまりストレスを感じず繰り返し遊べる。

また、毎日の初プレイ時にソシャゲで言うところの石である「金平糖」が手に入る。これは、死亡時のリスポーンなどに使える。つまりアクションが苦手なプレイやーでも、結構乱暴にプレイしたりもできてしまうし、初回だけならクリアもできるように作られている。こうしたローグライク、アクションゲームになじみがあまりないプレイヤーへの配慮が見られたのも結構好印象だ。

さらに意欲的な部分としてオンライン要素がある。

このゲームでは一度おっちぬと、骨だけになったあと、死んだ場所に墓標が出現する演出が挟まるんだけど、これがほかのプレイヤーの塔に影響を与えているんだ。どういうことかというと、他のプレイヤーが遊んでいるときにほかのプレイヤーが死んだときに立った墓標が出現するんだ。そして近づくと「無念」「次こそは」みたいな感じで今わの際の言葉をほかの世界のプレイヤーに聞かせる。

これだけだとソウルシリーズのパクリ見たいだけど、常世ノ塔はもうひとひねり効かせている。ランダムで墓標からお助けアイテム、レリックが出現することもあるんだ。

そして、ボス部屋とか、トラップがたくさんあるマップとかには、墓標がたくさん立っていて、それだけレリックが手に入る確率が高くなっている。その結果、ほかのプレイヤーの屍を乗り越えていくようなプレイ感も味わえるんだ。これが結構楽しい。

という感じでつらつらと述べてきた、常世ノ塔。

ストイックなローグライク的な面白さを残しつつも、SNS映えしそうなかわいらしい世界観、とっつきやすいゲームシステム、独自のオンライン要素などをもりもり兼ね備えていて、シンプルにすげぇ……! と思えてしまう良タイトルだった。

ロード時に見えるキャラクターたちの挿絵の消えるスピードが異様に早かったり、ボス戦後に固まってしまうことがあったり、撃破判定が消えてしまうことがあったりとインディーゲーゆえの調整不足面はやっぱりあるんだが、それを補って余りあるくらい楽しい作品が。萌えキャラが苦手な人は拒否感があるかもしれないが、そうでないなら、買って損のない一本だと思う。

 

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