GetsuFumaDen:UndyingMoon1週目クリアレビュー、浮世絵のような地獄をめぐるローグライク

GetsuFuumaDen:UndyingMoonゲームレビュー

今回の記事では、2022年2月10日に発売された、ローグヴァニア2Dアクションゲーム、GetsuFumaDen:UndyingMoonの1週目クリアレビュー(プレイ時間10時間)をお届けしていきます。(NintendoSwitch/PC

冒頭では、ゲームシステムや魅力を解説、終盤でプレイして感じた気になる点を解説する、という構成となっています。つかみだけ知りたいという方は冒頭だけ、すでにメディアやSNSで情報は見ているので、気になる点を知りたいという方は終盤からでもいいので読んでみてください。

細かい本作の魅力や気になる点は後述します。端的に言えば死に覚え繰り返しながら、マップを探索し新たなアイテムを見つけ攻略への糸口を探す、高難易度のローグヴァニアゲームです。そのゲーム性が、魑魅魍魎を倒しながら、地獄をさまよいあるくという世界観にマッチした、完成度の高い一作だと感じました。何度でも死にたくなる、そんな魅力のある作品です。

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34年ぶり月風魔伝の新作GetsuFumaDen:UndyingMoon

本作GetsuFumaDen:UndyingMoonの概要から見ていきましょう。

本作の元となっているのは、その名前の通り、1987年に発売されたファミリーコンピュータ専用の2DアクションRPG「月風魔伝」です。

開発は、コナミコマンドの生みの親としても知られる、故橋本和彦さんらが手掛けました。本作はそれ以前にアーケードやPCエンジンなどで発売された「源平討魔伝」と似通った部分も多いことから、批判されることもあったようです。

ですが、それまでのアクションゲームではあまりなかった純和風な世界観、3Dダンジョン探索要素や2Dマップ探索要素なども取り入れたゲーム性、そして絶妙な難易度から、名作とも評価されている作品でもあります。

GetsuFumaDen:UndyingMoonはそんな月風魔伝の世界観を基に作られたシリーズ最新作となっています。2021年4月15日にPCにてアーリーアクセス版が配信開始。そして2022年2月10日にとうとう発売となりました。

舞台は月風魔伝にて、初代月風魔が魔王・龍骨鬼を倒してから1000年後。月氏一族は、彼岸と呼ばれる辺境の地で、魑魅魍魎がわき出でる、地獄の監視の任についていました。ある日、龍骨鬼が復活、時を同じくし、地獄の蓋が開き彼岸に魑魅魍魎が跋扈するように。主人公である27代目月風魔は地獄の異変を探るため地獄めぐりの旅に出ることになります

GetsuFumaDen:UndyingMoonは高難易度ローグヴァニアアクション

GetsuFumaDe:UndyingMoonは主人公月風魔を操り(プレイキャラクターを変えることもできる)浮世絵のような地獄世界をめぐる、ローグヴァニアアクションゲームです。

死んだら最初からやり直し、道中のボスやマップに登場する敵の種類以外は完全ランダム。危険な敵やボスのアクションなどを死にながら覚えることが攻略に必須なタイトルとなっています。

最近で言えば、同分野の金字塔的作品ともいえる、デッドセルズ、恋愛要素など新たな領野に踏み込んだHadesといった作品に近いゲーム性といえるでしょう。

難易度はとにかく高いの一言につきます。特に防具などの概念がないため、敵の攻撃が痛いのです。序盤の敵でも、一発で体力の半分近くを持っていかれます。敵の数も多く、床の下から攻撃が飛んできたと思ったら、傍にいた敵がかわし切れない速度で突進。ぼこぼこにされたりと情け容赦のない難易度となのです。

ただし、ソウル系のような理不尽な難易度設定ではありません。後述する各種お助け要素もあり、あまり苦痛なく死んでからもどるという繰り返し作業をすることができます。

死を繰り替えし、システムに習熟し、プレイスキルを高めるうちにいつの間にか強敵に勝てるようになる。そんなローグヴァニアのだいご味ともいえる楽しさを味わい尽くせる作品といえるでしょう。

GetsuFumaDen:UndyingMoonは武器の吟味が楽しい

思わず何度も死に戻りを繰り返したくなるGetsuFumaDen:UndyingMoonの魅力の一つは武器システムにあります。

本作で主人公の相棒となる武器は近接攻撃の主武器、遠距離攻撃やスリップダメージなどのからめ手が使える副武器の大きく分けて2種類です。

主武器は通常攻撃のほかに、刀ならパリィ、鈍器(こん棒)なら高火力のため攻撃など、武器にちなんだ専用モーションが用意されています。

また、剣戟アクションと公式で銘打っているだけあり、そのほかの特殊攻撃も多彩です。敵が攻撃する直前に斬撃をヒットすることで「閃」攻撃が発動、高ダメージを与えることができます。何度か攻撃を繰り返しあてることで敵の体制を崩し「崩」状態にすることもできます。この状態でさらに斬撃を叩き込むことで「殺」という特殊ギミックが発生、雑魚であれば一撃で屠ることができます。

プレイスキルに習熟することにより、敵をばっさばっさと切り刻み、時にパリィをし、特殊攻撃を発動させる。そして次々に屠っていく。侍映画さながらの剣戟プレイが楽しめるようになります。ただしそこでネックになるのが高火力な敵の攻撃です。

特に序盤は後述する武器の育成が進んでおらず、火力が出ません。気持ちよく切り刻んでいたのに全然敵が倒れず、反撃にあい、あえなく死亡といった流れにつながりやすい。

迫られる主武器・副武器の使い分け

そこで重要になるのが副武器です。序盤では主武器を凌駕する火力が出せるほか、先ほどからめ手、と説明したように様々な副次的効果があります。

例えば爆弾は敵にヒットすると大ダメージを与えられるだけでなく、あてた敵をぶっ飛ばします。敵が体制を立て直すには数秒時間がかかるため、傍で鈍器のためモーションを開始し、起き上がる直前にため攻撃を叩き込む。

毒のスリップダメージが入る苦無を使って、攻撃が強力なため、手を出しにくい敵を遠距離から始末する、といったプレイも可能です。

ただし、副武器は無制限に使えるわけではなく、一定回数使うとクールダウンが必要になります。

副武器を使い切り抜けるか、プレイスキルを駆使し副武器を温存するかはプレイヤーの腕次第というわけです。

ランダム武器をいかに使い分けるか

これらの武器は敵を倒すと一定の確率でドロップ、道中の宝箱を開けることでも入手が可能です。

出てくる武器はランダムです。使ったことがない武器を拾ってみたところ思わぬ活路が開けたり、慣れ親しんだ武器種で強力な武器が出てくるまで粘ってみたりといったランダムならではの楽しみがあります。

これらの武器はステージにある「金の鳥居」の中でお金と武器を分解したりすることで手に入れられる「戦いの記憶」を消費することで、「段位」つまりグレードを上げて強化することもできます。

序盤では使えない武器でも、強化次第では使えるようになる。逆に言えば鍛えた武器より弱くても基礎能力値が高いので、今の武器を分解して、戦いの記憶を手にいれ、同じくらい鍛えればより強くなるので、といった選択をプレイヤーは迫られるのです。

そうこうしているうちにプレイヤーはあるボスに有効な武器を見つけたので再戦しようとしたり、強力な武器が手に入ったのに、ボスの手前で雑魚に屠られてしまい、くやしくなって、といった具合に死に戻りのゲームプレイにのめりこんでいくことになります。

GetsuFumaDen:UndyingMoonは武器やキャラクターを育てる要素も沼

繰り返しになりますが、GetsuFumaDenUndying Moonはローグヴァニアゲームです。つまり、先ほど説明したような武器は次の地獄めぐりに持ち越すことはできません。

とはいえ、死ぬ前の地獄めぐりが全く無駄になるわけではないのです。魑魅魍魎を屠ることで手に入れられた素材の一部、武器設計図などは拠点である月氏の館に持ち帰ることができます。

手に入れられた素材は主武器・副武器の「技能開放」に使います。技能を解放すると武器の基礎攻撃力などが強化されるのです。こうして解放された技能はステージ攻略中先ほど登場した金の鳥居で「戦いの記憶」を使うことで「活性化」が可能です。段位アップに加えて、強化の幅を広げることができます。

設計図と一部素材は新たな武器の鋳造にも利用できます。序盤から使える武器は攻撃力に特化したものが多い。ではこれをシンプルに鍛えればいいかというとそうではないのが、月風魔伝の深いところです。

バリエーション豊富な特殊武器

中盤以降はとにかくガードが堅い敵や状態異常を発生させる敵がでてきたりと一筋縄ではいきません。そこで威力を発揮するのが、設計図で解放できる武器なのです。

基礎攻撃力を上げる技能は少ないものの、先ほど説明した崩れ値をためる能力に優れており、敵をすぐに「崩」状態にしやすい武器。特定の属性の敵に攻撃を通しやすい武器などもあります。

こうした武器を解放することによって、苦手な敵を克服したりと、局面の打開につなげることができるのです。

月風魔を強化して難局を乗り切ろう

加えて、プレイヤーキャラである月風魔は基礎能力値を強化することができます。まずプレイ中では大きな宝箱や桃色をした強敵を倒すことで手に入るアイテム「魂」を使うことで強化が可能です。

魂の個数に応じて、画面真ん中下にある能力値の欄が光ります。左から順番に主武器強化、副武器強化、生命力強化、回復薬+1とありますが、魂1個で主武器強化が点灯、三つで生命力強化が点灯ということになります。この時に吸魂することで、能力値をあげることができるのです。

これら基礎能力値もまた月氏の館などで強化することができます。強化に必要なのが、勾玉のようなアイテムです。既定数手に入れると、スキルツリー鍛錬で基礎生命力や攻撃力を強化、スキルツリー秘伝で回復アイテムの所持数増加、死亡した際に持って帰れる素材数の増加などの恩恵が受けられます。

基礎能力増強に使うアイテムもまた、死亡すると一定数しか持ち帰ることができません。ステージでは最後にまちうけるボスを倒すことで、次のステージに進む門が開かれます。同時に一番右端に月氏の館に戻ることができる門も用意されているのです。

この配置の妙が何度も続けたくなるプレイ感につながっています。つまり、地獄めぐりをいったんやめて、アイテムをすべて持ち帰り、能力を強化するのか。

武器も比較的強力なものがそろっている、ボスもダメージをあまり受けることなく倒せた。しかし、次のマップは苦手なものしかない、さて進むか進まないのか。進んで死ねば、努力のほとんどが泡と消えます。

さて、どうするか……。

悩み、試行錯誤を繰り返していると気が付いたときには何時間もたっているというわけです。

GetsuFumaDen:UndyingMoonは浮世絵がそのまま動き出したような世界、そして静謐ながらもどこか恐ろしいBGMが流れる

最後に紹介したい魅力がその世界観です。まずグラフィック。

月風魔がめぐる地獄は、浮世絵師歌川国芳が描いた「地獄絵」がそのまま動き出したかのような世界観です。

たぎる炎、波しぶきの一つ一つ、降りしきる雪、敵となる魑魅魍魎の顔かたちに至るまでそのすべてが浮世絵のような筆致で描かれています。

書き込みもすさまじく、そのすべてが動くのです。正直、開発陣が何人か死んでないか不安に感じました。

特にボスは巨大な魑魅魍魎がおどろおどろしく出現する、迫力満点のカットシーン。技の一つ一つ。月風魔の攻撃によってゆがむ表情。

本作を通底する表現が余すところなく発揮されています。ボス戦をプレイするだけでも「GetsuFumaDen:UndyingMoon」を買ってよかった。そう思えるレベルだと感じました。

個人的には中盤で戦うことになるボス「九尾狐狸」に特に魅了されました。美しい毛並み、忌々しそうに月風魔を見つめる表情、男とも女ともとれる不気味な声色、どれもたまりません。

そしてそれら世界観を彩るBGMも秀逸です。

まず、アクションゲームの演出としてのBGMの使い方がさえています。ステージ1のボス「龍骨鬼」戦では月風魔伝のラスボス「龍骨鬼」戦のBGMのアレンジ版が流れたり、ネタバレになりますが、とある大ボス戦では月風魔伝でマップ移動中のBGM「行け!月風魔」のアレンジ版が流れたりとここぞという場面で欲しいBGMが入ります。端的にいってむねあつものです。

本作オリジナルである琵琶法師西原鶴真さんの演奏を採用したBGMも最高でした。落ち着いた趣があり、心地よく聞いていられる。ですが、眼前に広がっている地獄を映したプレイ画面が合わさると不思議なもので、どこか不気味な雰囲気を感じます。「べぇん、べべん」といった琵琶の旋律とともに、敵が現れると、鳥肌がたちます。

静と動のバランスがよく、アクションゲームとしての興奮。魑魅魍魎がうごめく地獄を行く、恐怖感、両者がしっかりと表現されていると感じました。

GetsuFumaDen:UndyingMoonの気になった点

ここまでは、魅力ばかりを説明してきました。このままだと「コナミの回しもんじゃないか!」と言われそうです。もちろん、そんなことはありませんし、気になる点もありました。最後にまとめて紹介していきます。

一つは操作性の面です。月風魔の挙動が若干もっさりしています。デッドセルズなどの類似作品を1とすると0.7~6ぐらい。これでゲームの魅力がなくなるわけではありませんが、スピード感のある、爽快なプレイはあまり期待できないと感じました。

もちろん、スピード強化をする要素は用意されています。それが鬼人化です。ダメージを受けず敵を攻撃し続けていると、月風魔が青白く光りだし、徐々に攻撃力や速度が上昇していきます。ただ、正直なところ、普通にプレイしているときには維持が難しい。

ダメージを受けるか、敵を一定時間倒していないと解除されるのですが、特に時間がかなりシビアです。特に序盤だとダメージソースが乏しいのですぐに鬼人化が切れてしまいます。一方で技能開放が進み、武器を強化できてくると、敵の動きに習熟しているので、あまり恩恵を感じづらい。そんなジレンマを感じました。

難易度に直結してくる部分なので手を入れることは困難なのかもしれませんが、個人的には改善を期待したい部分です。

ステージのバリエーションが少なく、特定のステージが異様に高い難易度

もう一点はステージのバリエーションに関して。決して多くはありませんし、加えて、あるステージがいびつなほどに高難易度だと感じました。

GetsuFumaDen:UndyingMoonでは、ランダム生成のステージをうろうろしながら、ときに能力値アップの魂を探し求め、ときに武器の吟味をしたりしながら、ボスが待ち受けるまがまがしい鳥居を目指します。

各マップ、基本的にそれ以上の要素はありません。表現は雑かもしれませんが、多くのステージではただうろうろとボスが出てくる鳥居を探すだけのゲームになります。もちろん、ステージごとに若干雰囲気の違いはありますし多少のギミックも登場します。ただ大きな違いといえば敵の種類とマップが広くなるという点くらいしかないのです。

先述したようなゲームシステムと世界観によってリプレイの楽しさは担保されていると個人的には感じますが、プレイに慣れてくると作業感が出てくるプレイヤーも出てきてしまうでしょう。

それを見越してなのか、終盤、それまでとは一風変わったギミックまみれのステージが出てきます。

しかし、このステージが他とは比べ物にならないほどの高難度なのです。狭い通路に敵がわらわら出てくる上に、道中配置されているトラップは月風魔のライフ最大値の3分の1ほどのダメージを与えてくる上にかわしにくい。すぐに月風魔が死にます。

ある種スパイス的な要素として配置したのではないかと個人的には感じています。とはいえ、ゲーム性が大きく変わるといっても過言ではない違いです。苦痛に感じてしまうプレイヤーも出るのではないか、とも思ってしまいました。

以上月風魔伝の1週目クリアレビューを紹介してきました。最後に気になる点をまとめましたが、完成度が高く、世界観が秀逸な何度でも死にたくなるローグライク、という個人的な評価は揺らぎません。値段もダウンロード版で2700円ほどと大手が販売しているもののわりにはお手頃です。気になった方はぜひ手に取ってみてください。

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