Spotifyをはじめとした音楽配信サービスが広まる中、時代に逆行するようにアナログレコードやカセットテープでアルバムをリリースする、といったこだわりを見せるアーティストは少なくない。
だが、ここまでこだわるアーティストは聞いたことがない。
ドイツハンブルグを拠点に活動しているテクノミュージシャンRemuteは、自作NINTENDO64用カセットによる15曲入りの新アルバム「R64」を3月25日に発売することを発表した。
Of course R64 will also feature some trippy 3D eye candy while you listen to the tunes. We're talking of 64 bit here. 🙂
— remute (@remute) January 4, 2022
Just think of MTV Party Zone.https://t.co/mhQ0jph66I pic.twitter.com/k1YDL7LTY2
すでに音楽販売サイト「Bandcamp」で予約がスタート。価格はデジタル音源とカセットのセットが39.99€、アナログレコードがついたセットが49.99€(100セットのみ)となっている。
Remuteの発表によると、同作はMP3プレイヤーを埋め込んだりWAVファイルに圧縮したり、そのほか一切の”チート”は使用していない純然たる64カセットだという。容量はスーパーマリオ64と8メガバイト。この中に全てが詰まっているのだ。
NINTENDO64実機で動かすためのサウンドエンジンやGUIを手がけたのはRaskyというエンジニアだ。立ち上げた際の画面などは公表されていないがRemuteがバンドキャンプに寄せた文章によれば、Raskyの働きにより”とんでもなくトリッピーな体験”ができるという。
Remuteは過去にはメガドライブ実機で動く「Technoptimistic」、スーパーファミコン(SNES)で動く「The Cult of Remute」、PCエンジンおよびTURBOGRAFX-16向けのPCエンジンおよびTURBOGRAFX-16向けの「Electronic Lifestyle」、ゲームボーイ向けの「Living Electronics」など実機で動かすことのできるカセットタイプのアルバムを発表。レトロゲーム機を音楽再生マシーンに変える実験的な試みを続けてきた。
「R64」もその活動の一環で発表されたものとみられる。Remuteのツイッターによれば、今後はゲームボーイアドバンス、ドリームキャストソフトとして動くアルバムの制作を計画しているという。
Remute氏Twitter
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