話題になっていた、サバイバルホラー「Tenebris Somnia」、デモ版がめちゃくちゃ面白かったので感想をまとめておきます。(プレイ時間20分程度)
Tenebris Somnia デモ版概要
開発はアルゼンチンのAndrés Borghiさん、Tobías Rusjanさん二人がメインとなる、SaibotStudiosです。これまでに、2D格闘ゲーム『The Black Heart』、デバッカーとなってシステムに入り、バグを修復するという設定のFPS『Out of Bounds』を製作しており、本作が3作目となります。
Tenebris Somnia はこんなゲームだぜ
舞台となるのはとあるアパート。元恋人であるイヴァンが奇怪な化け物に殺される悪夢を連日見ていた主人公のジュリアは、イヴァンにそのことを伝えるため『二人の愛の巣』だったイヴァンが住む部屋に向かいます。
ノックしますが、返事がない。『合鍵』を使い部屋に入ります。
すると床に散乱する映画のフィルムが、何やら尋常ではないことが起こっていそうです。キッチンに行くと、オーブンが稼働しており異臭がします。開けてみるとそこには焼かれたフィルムが。映画監督を目指し、自主製作映画を作っていた、映画を愛していたイヴァンがそんなことをするはずがない。いったいイヴァンはどうしたのか、そしてどこに行ったのか?
リビングの中央に血のりのような物体で封じられた扉が。怪しい……。ということでまずはこの扉を開けるために二人の愛の巣をウロチョロすることに。
すると寝室の近くに謎の古い本が置かれています。唯一読める9ページを見てみるとそこにはこんな一説が。
――
Desiderium(日本語で熱望、切望の意)は、硫黄のシンボル(錬金術のもの)と赤くダイヤモンドのように固いLAPIS FICTUS(訳が見つからず)の層によって封じられている。
封を説くことができるのは、AURISATIO(ラテン語で金メッキの意)のみである。
AURISATIOを手に入れるには、鉄により飼いならされ、陽光により祝福されたTARTARUS(ラテン語で地獄の意)の酸が必要だ。
――
ということで、地獄の酸を入手するために、元「二人の愛の巣」をさらにうろうろすることに。
まずは寝室に入ってみましょう。枕の横にいかにもな感じでおいてある、コップを入手。うっすら空いているカーテンを開けてみると、窓の内側は木で目張りされています。やっぱりイヴァンおかしいぜ!
木を調べてみると、どうやら一番下は物理でなんとかはがせそう。物理で使えるもん、何があるっけ?
ということでまだ行ってなかった、バスルームに。当然、バスルームもめちゃくちゃです。洗面台の鏡はバキバキ。しかも拳をつかったのか、血まみれに。トイレにはバキバキに折られた映画賞のトロフィーがぶち込まれています。穏やかで映画を愛したイヴァンがしたとは考えられない。
そして、ホラー映画お馴染み、バスタブを囲むシャワーカーテンの後ろに人影が……!
イヴァン、ここで死んどる……!?
がばっと、開けると、別に誰もいません。しかし、排水がむき出しになっており、バスタブには排水をいじったと思しきレンチが。
これで、さっきの木をぶち壊せってこと……? というわけでレンチを装備すると、今後戦闘がありそうなレンチの使い方のレクチャーが(Rボタンで構え×ボタンで攻撃※Dual Sense使用時)。
これで、いろんなものをぶん殴れるようになったので、寝室の木の目張りをぶち壊してやるぜ! 壊すと、うっすら日の光が刺すように。これでどうやら古い本に書かれていた「陽光」が手に入ったようです。
まだない「地獄の酸」どこにあるかな? そうだキッチンかな、と冷蔵庫を開けてみるとわかりやすくフィルムの現像液が入っています。そういえば現像液の主原料は「亜硫酸ナトリウム」ですね。酸に日の光を当てるということは?
ここで大事になってくるのが「組み合わせ」です。バイオハザードとかと同じようにアイテムを組み合わせられちゃうんですね。このゲーム。先ほど入手したコップと現像液を組み合わせると、コップに注がれた現像液を入手できたぜ。これを光に充てりゃいいのかなと思い、窓際に持っていきますが、全く変わらない。まだ、なにか足りない。
しばらくうろうろしているとキッチンに置かれた本を見逃していたことに気づきます。読んでみると化学の本で、以下の2文に線が引かれています。
――
Tartaric acid is one of the key components used to alter colors in the developing process.
酒石酸は現像工程で色を変える際に重要な成分の一つだ。Blood is another iron-rich substance
血もまた鉄分を多く含む物質だ。――
ここでいろいろ謎が解けます。TARTARUS酸って要は酒石酸のこと? そして、鉄に支配されたというのは血を使うってことかい?
今度は血を入手することに。そういえば、バスルームの洗面台が血まみれになっていたな。ということは……。
ってなわけで、現像液、もとい酒石酸が入ったコップを洗面台で使うと、都合よくジュリアは手を切って、コップに血液が入り酒石酸と血が混じった液体が完成!
いざ、太陽の光を当てるとAURISATIOが出来上がります。硫黄のシンボルが描かれた扉にAURISATIOをぶっかけると、LAPIS FICTUSが溶け扉の中がついにあらわに。
まず目につくのが部屋のど真ん中にある寝そべった人の形をした血のような物体、もしかして、イヴァン…?しかし、正体はわからず。
奥には血文字で描かれたイヴァンのメモが残されています。
――
彼女のことが忘れられない。どんなにやめようと思っても俺はジュリアのことが忘れられない。ジュリアがいなくなってから彼女の不在に苦しむばかりだ。”奴ら”は俺が彼女を忘れること手助けすると約束してくれた。奴らは最初のステップとして、エレベーターで最下層まで降りろと言ってきた。
元カノを忘れるために、邪教の儀式っぽいことまでするなんて、いかれた野郎だぜイヴァン!
今度は、イヴァンのメモに残された話を手掛かりにアパートのエレベーターに向かおうとするのですが、部屋からでると、レイアウトはかわっていないものの、あたりは一面どどめ色。
各部屋も錬金術のシンボルのようなものが描かれ、封じられてしまっています。
しかし、玄関だけは空いている。まずは外に出てみよう……。あれ、外に誰か立っている!?
とここで実写イベントが。ゆっくりと歩くジュリアの前に、赤ずきんのような化け物が登場。
ジュリアは襲われてしまいます。※ちなみにジュリア役の女性はめちゃくちゃ美人だぜ!
映像が流れている間、そういえば玄関が開いていたから、そこから逃げるのか「クロックタワーみてぇだな」と思っていたのですが、実写のイベントシーンが終わってみると、玄関が閉まっています。
エッじゃあ…レンチで戦えってコト……!?。ここから、美女ジュリアがレンチでぶん殴り化け物に対処するアクションパートがスタート。
化けもの赤ずきんの長い舌を使った攻撃をダッシュ(□ボタン)を使った匠なステップでよけ、レンチで撲殺することができました。やったね!(実際にはなんどか死にました※3発ベロの攻撃を受けるとジュリアは死にます)
そして、ついに部屋からでて、エレベーターにのり……。
ここで、デモ版は終了です。
Tenebris insomnia 魅力
まずよいのが8ビットのレトロな画面ですね。解像度は今風で見やすいのですが、ファミコンの時期のゲームの息吹をしっかりと感じさせる造りです。ただ、単なるレトロゲーというわけではなく、インベントリー画面はバイオハザードシリーズのようになっていて、例えばジュリアの顔色でライフの残り具合がわかったりと、当時はできなかった組み合わせでレトロな遊び心地ながら、極力ストレスが減る設計になっています。
それからアクション。デモ版で遊べるアクション要素は先ほどの戦闘だけなのですが、これもよかったですね。まず、ゲームを最初遊んだ限りでは、クロックタワーのようにプレイ中適宜挟まれる怪物との逃走劇がメインなのかなと思っていましたが、いきなり化け物との殴り合いが始まるのはいい意味で虚を突かれました。
プレイし終わってから改めて、公式のトレーラーを見たところ、レンチでぶん殴るだけでなく、ショットガンを使ったて化け物赤ずきんに対処するシーケンスもあるよう。いいですよね。めちゃめちゃビビったあとにバイオレンスな方法で怪異に立ち向かう美女。
戦闘バランス的には結構辛めです。ジュリアの移動が遅いのも相まって、結構イライラしますがそれが恐怖を駆り立てているので全体としてはグッドなバランス。
それから実写ホラー。デモ版でさわりだけ見た限りなのですが、マジでクオリティが高いです。登場する化け物赤ずきんの造形もメチャクチャいいし、ジュリアへの迫り方も不気味で最高!実写シーンだけをつなげても良質なホラー作品ができそうなくらいでこれもめちゃくちゃよかったですね。
というわけで、発売が楽しみの一作でした。現状では主言語がスペイン語、翻訳は英語のみ対応しているとのことですが、SNSを見ると将来的には日本語対応も検討しているようです。気になった人はウォッチリストに入れて、日本語対応をお願いしよう!
了
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