Steamにデモ版が来ていたMiSide。
開発を手掛けるのは海外のインディーデベロッパーAIHASTOです。itchの公式ホームページを見ると今作MiSideが同スタジオの9作目となる作品のよう。どこが主な拠点かは不明ですが、ゲームを見る限り英語を主言語として開発に当たっているスタジオのですようですね。
ゲームは主人公がバーチャル彼女を愛でるスマホアプリをいじっているところから始まります。主人公の二次元彼女、その名は「ミタちゃん」。
料理を手伝ってあげたり、一緒にゲームをしたり、重い戸棚を運んであげて、部屋のレイアウトを変えるお手伝いをしてあげたり。
スマホアプリの中の「ミタちゃん」を愛でていたら、ある日不思議なイベントが。
「こんなに良くしてくれてありがとう、私はあなたに直接会いたい」
「私は今あなたのそばにいます」
なんて嬉しいことを言ってくれちゃうミタちゃん。運営が作ったイベントか、すげぇ、さすが、これからも推せちゃうな、なんて思って、一息ついてスマホから目をそらすと、そこは今までいた部屋とは全く違う場所に。
しかし何やら見覚えはあるぞ……。
よくよく、見てみると、スマホの中のミタちゃんの部屋に似ています。
「一緒に暮らすってそういうこと?」でもミタちゃんは部屋にはいません。
意味ありげに浮かんだ矢印に従って進むと、ミタちゃんの寝室で転送装置のような謎の機械を見つけます。
というわけで、まずはこの装置を作動させることに。しかし、スイッチを押しただけでは動かず。「スキャナー」に指定のアイテムを持っていく必要があるようです。
じゃあ、やるか、とスプーン、鉛筆、シュシュを持っていくと装置が起動。
装置が作り出した「光の輪」に入ると主人公の視界にノイズが走り、暗転。
目を覚ますとミタちゃんの部屋は真っ暗になっているわ、寝室の人形は目を赤く光っているわで、メチャクチャ不気味に。とはいえ、暗いと何もできないのでブレーカーを電源を入れることに。電源を入れると、今度は装置を再起動させるためにバッテリーが必要だと言われます。
バッテリー集めに奔走する中、いびつに歪み始めるミタちゃん家、胸に去来するいろいろな思いを押し殺し、バッテリーを集めきり、機械を再起動させます。
また現れた光の輪に飛び込み、さて、何が起こるのか。
また、ノイズが走り、暗転。目を覚ますと今度は明るい部屋になっています。後ろに振り返るとそこには、ミタちゃんの姿が!
「やっと会えた!」と嬉しそうなミタちゃんですが、こっちは驚きの連続。
「ミタちゃんこれはどういうこと?」というこちら疑問を見透かしたのか、間髪入れずにミタちゃんが告げます。
「あなたに早く会いたかったからこの装置を作りました、あ、でもバージョンを間違えてしまった、それについては長くなるから置いておいて、とにか会えてうれしい!」
え、じゃあ、ゲームの世界に入っちゃったってコト……? それに今、大事なことを言いかけていたような……。
というこちらの不安はよそに、一緒の生活を楽しもうと言わんばかりで話が通じなさそうなミタちゃん。
まずは、状況を把握しなければ、とミタちゃん家をうろうろすることになります。するとキッチンで「指輪」のようなものが。
ミタちゃん、結構重そう……
とか思いつつ、指輪を拾うと、後ろにまたミタちゃんが!
ジャンプスケアな登場をするミタちゃん、なんだか怪しいぞ。
しかし、こちらの疑問には全く答えず、わが道を行きます。
今度は主人公に料理の手伝いを要求、半ば強引にキッチンに連れていかれてしまいます。
スマホゲームと同じように、ニンジンやジャガイモなど野菜を切る羽目に。それはそうと、メチャクチャ怖い包丁の持ち方ですね。
野菜を切り終わりしばらくしてジャーマンポテト風の料理が完成すると、次はハサミを持ってくるように言われます。
「何故?」という疑問が胸に去来しますが、断るとなんだかヤバそうな雰囲気も。というわけで今度はバスルームにはさみを取りに。
バスルームに入るや否や「ごそごそ」と物音が、音のする方に視線を移すと、バスルームにあるダクトの蓋が取れています。
気になり見ると、中には「真弓」など人っぽい名前が書かれたラベルが張られたピンク色のカートリッジが山盛りに……。
なにこれ……。
と思ったのですが、特にゲームの側から説明はないので、目的物の「ハサミ」を取り、ミタちゃんの待つ、キッチンに向かいます。
一足先にテーブルで待っていたミタちゃんにハサミを渡すと、ハサミを使ってケチャップらしきものの口を切るミタちゃん。
なんだ、そんなことか、安心安心、と思っていると切っ先がこちらを向いた状態でテーブルの上にハサミを置くミタちゃん。
え、どういうこと?
なんだかヤバそうな状況で食事会がスタートします。
とはいえ、このまま黙っているわけにもいかないので、疑問をぶつけることに。
ワイ「ミタちゃん、なんでナイフがあるのにハサミもいるの?」
ミタ「欲しかったの、準備が必要だから」
ワイ「窓の外が真っ白なのは何で?」
ミタ「奇妙かもしれないですが、これが私の世界の特徴です。遅延を避けるために作られました」
ワイ「遅延?」
ミタ「そういうことに遭遇しないといいのですが」
ワイ「全てが夢のようだね」
ミタ「逃げるつもりですか」
ワイ「違うよ、すべてが非現実的に見えて」
ミタ「でも、私は本物です」
ワイ「いつ家に帰れますか?」
ミタ「何故? ホームシックですか? 私がいます」
ワイ「準備ができていないで突然ここにきてしまったから」
ミタ「知らなかった」
ってな具合に会話が続きます。日本語訳は現状おそらく機械翻訳と思われ、ミタちゃんが突然キレだしたり、彼女的なキャラのはずなのに、ずっと敬語だったりと、いまいち雰囲気が把握しづらい。雰囲気をくみ取ると、おそらくミタちゃん、肝心なことはごまかし、都合の良いことしか言っていません。
こりゃ会話にならんな、ということで切り上げ、ミタちゃんお手性の食い物をペロリと平らげる主人公。
そんな主人公を見た、ミタちゃんが一言「全部食べましたか 私の食べ物はエンドレス」。やっぱり意味不明です。何を機械翻訳に変えたらエンドレスが出力されるのだろうか?
今度は食べ終わったお皿を片付けます。シンクに向かうと、主人公の視界をノイズのようなものが覆います。
「これはなんだ」
という問いに答えないミタちゃん。
あまりのつらさに耐え切れず倒れてしまう主人公、そんな主人公の手を取り、何が起こったのか教えてほしい、私は原因を知っているからと答える、ミタちゃん。やっぱりいい子かも!
快方してくれそうなミタちゃんに導かれ、バスルームに向かうと、今度は症状を抑えるために、とミタちゃんが謎の錠剤を渡してきます。
なんのための薬?
という不安がよぎりますが、ミタちゃんに肩をがっしり抑えられ、見つめられている中で、飲まないわけにもいかず、飲む羽目に。
薬を飲むや否や両手で主人公の視界をふさぐミタちゃん。一体なんでだよ。思う主人公に、ミタちゃんは異変が起こっている理由と思しきものを語ります。
しかし残念! 日本語がめちゃくちゃで何を言っているかわかりません。英語も混ざっちゃってます。悲しい……。
よくわからないうちに会話イベントが終了、視界はもとに戻り、体調も万全に。しかし、今度は傍にいたはずのミタちゃんがいません。ミタちゃん、どこに行ったの?
家の中を探そうとリビングに戻ると、不可思議なことに部屋の配置がメチャクチャになってしまっています。
なんとか、キッチンにいるミタちゃんを探し出し、疑問をぶつけます。「なんで部屋の配置変わってんの?」
するとミタちゃん「私が部屋の配置を変えたから」とあっけらかんと言うではないですか。やっぱりここはゲームの世界か、と思っていると、畳みかけるような出来事が。
キッチンから出ようとすると部屋の外が真っ暗で空中に「読み込み中」の文字が浮かびます。
「これはもしかしてスマホの中の世界なの?そしてそのスマホは読み込みが遅いの?」
と問う主人公に、ミタちゃんはこのゲーム世界の確信と思しきことをとうとうと語り始めます。
しかし、悲しい……!
またもや、はちゃめちゃな訳で何を言っているかわかりません。
疑問は全く解決されず、今度は二人でゲームをすることに、まずは対戦格闘ゲーム。
これが意外とよくできています。4本先取した方が勝ちとのこと。一気に3本先取した主人公ですが、ここからミタちゃんが本領を発揮、いきなりむちゃくちゃ強くなり、そこから4連続で負けてしまうことに。4縦の女、ミタ。
次は寝室で二人でカードゲームに興じることに。ちょっとHな雰囲気だぁ。
ゲームは「トランプ」を使ったシンプルなものかと思いきや独自のものでした。ルールは以下の通り
・カードにはそれぞれ ハート 剣 盾3種類の数値がある
・ターンの最初にコインを回し(盾、剣、ハート)出たスタンスに応じバトルが始まる
・それぞれ場にカードを出す スタンスに対応した数値が高いカードを出した方が勝利
と結構手がこんでおり、単体だけでも結構面白そうなものです。そしてカードバトルが始まるのですが、ミタちゃんに有利な展開しか来ない……。
この辺の展開は、インスクリプションっぽさもあるかも。
そんなことを思いながら、カードゲームをプレイしていると左奥のクローゼットから「ごとっ…」と物音が。
「何の音?」
聞いてもごまかすミタちゃん。
ここまでの不満が噴出、クローゼットに詰め寄り、開けようとします。
「ダメ」
「下着が入っている」
とか何かと言い訳し、開けさせようとしないミタちゃんですが、それでも無理に開けようとすると
ミタちゃんが豹変し……!
とここで体験版が終了します。
Misideこれまでとしてはありそうでなかった美少女ゲームとホラーの融合という感じで結構面白そうです。シンプルな追跡もののホラーになるのかな、とプレイ前は思っていたのですが途中ではインスクリプションっぽい要素も設けていたりと、なかなか先の展開が読めません。非常に気になる作品です。
ただ、一点だけ気になるのが邦訳です。体験版なので、これから改善するのでしょうが、今のところ機械翻訳を校正もせずそのまま載せているレベルのでき。
今の状況だと、おそらく英語版をプレイして、適宜プレイヤーが意訳しながら進めた方が、ゲームシステムや物語の理解がはかどると思います。
発売は24年を予定しているとのこと。修正はは、アーリーアクセスになるのか製品版になるのかはわかりませんが、今後の改善に期待したいところです。
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