真女神転生if…レビュー ペルソナシリーズの起源にして、ダンジョンに特化したストイックな作品

ゲームレビュー

※以前のレビュー記事から改めてプレイして印象が変わったので、大幅に内容をかえております。

1994年10月28日発売。

ファミコンから始まった女神転生シリーズとしては5作目、真・女神転生シリーズでは3作目の作品であり、シリーズ初の外伝的作品でもある。

舞台となるのは、真・女神転生Ⅰの後藤とトールマンの戦いが始まる少し前(パラレルワールドとする説もある)、新宿飯田橋付近にある「軽子坂高等学校」。生徒の一人である主人公(男・女どちらも選べる)は、放課後、机の上で突っ伏して寝ていると、不思議な夢を見る。

軽子坂高校の男子生徒でありIQ260の天才少年としても知られる「狭間偉出夫」(ハザマ)が夢の中に現れ、自らが人間の身であることを捨て、魔界の支配者になったこと、そして、その力を使い、自らを軽んじた者たちに報いを受けさせると伝えるのだった。

友人の声で目を覚ます主人公。何事もなく家に帰れるかと思いきや、轟音が鳴り響き、突如風景が一変、主人公たちは学校ごと魔界に転移させられてしまう。

ハザマの言った言葉のとおり、ハザマを軽んじたり、イジメていた生徒や教員たちをつぎつぎと異変が襲う。主人公は携帯型のパソコンに悪魔召喚プログラムをインストールし、パートナーの力をかり、聖書の七つの大罪から取った傲慢・暴食・怠惰・嫉妬・強欲・憤怒の名を持つ魔界のダンジョンをさまよいながら、元の世界に戻る方法を探すことになる。

真女神転生if…では選べる性別、パートナー

本作、真・女神転生if…は外伝的作品ということもあり、それまでの真シリーズとはかなりプレイ感が異なる。まず、主人公の性別が固定ではなく、男女で選べる。基本的にどちらも、ゲームプレイ開始前の診断によって決められたタイプ(スピード、パワー、ラックなど)ごとに能力が割り振りされている点は変わらない。ただし、女主人公では基本能力が若干下がるものの限定防具も用意されており、よりやり込み要素が強くなっているのが特徴だ。

主人公が選べるように、パートナーも選ぶことができる。パートナーは全部で4人だ。

プレイヤーは初期状態だと三人のパートナーからどれか一人を選びゲームを進めていくことになる。一人は主人公のクラスメイトの白川由美(キャラクター名ユミ)。もう一人は自転車を盗んだことから「チャーリー」というあだ名を持つ、主人公と同じく軽子坂高校2年の黒井真二(キャラクター名チャーリー)。3人目は軽子坂高校1年で、ハザマの妹であるバックストーリーを持つ、赤根沢玲子(キャラクター名レイコ)だ。

ユミは巻き込まれた人々を助けるため、チャーリーは自分たちが魔界を脱出するため、レイコはハザマを助けるため、とパートナーたちはそれぞれ異なる目的で主人公と手を組むため、特に終盤以降のゲームの進め方やシナリオが異なっている。

個人的にプレイした感想で言えば、ユミは一番オーソドックスなので、まずは真・女神転生if…を感じたいという方にお勧め。レイコはユミ編よりも高レベル悪魔の登場する。やり込みたい人におすすめだ。チャーリー編はネタバレになるので明言はさけるが、レベルが低い状態で終盤を迎えるため、終盤の難易度が他の2人に比べて高い。合体システムや仲魔の強さ、武器・防具の相性などをある程度理解したプレイヤーがプレイすることをお勧めしたい。

そしてゲームをクリア(SFC版の場合は、ラストダンジョンボス前までいったセーブデータが記録されているカセット)すると、最後の四人目、宮本明(キャラクター名アキラ)のシナリオをプレイすることができる。他の3人のシナリオと異なり、魔界にある巨塔「幽閉の塔」をのぼり、ハザマのいる最上階を目指すという、まったくことなるゲーム制となっている。いわゆるエンドコンテンツなので、ダンジョンの難易度、敵の強さなどは段違いだ。攻略サイトなどをみながらプレイすることをお勧めしたい。

このように真・女神転生if…は非常に盛沢山のシナリオが楽しめる作品となっている。

ペルソナシリーズにもつながるガーディアンシステムが登場

また、真・女神転生if…より登場したもう一つの新要素が、ガーディアンシステムだ。真Ⅰ、真Ⅱのパートナーはレベルが上がるごとに魔法を習得していったが、真ifでは、レベルを上げるだけでパートナーに魔法を習得させることはできない。

ユミ、レイコ、チャーリー、アキラにはそれぞれ、守護霊のような「ガーディアン」と呼ばれる存在が用意されており、それを憑依させることによって、魔法を習得していくのだ。

また、主人公もその性格に応じてガーディアンが用意されており、ガーディアンを憑依させることで能力補正などのメリットが得られるようになっている。

ガーディアンを装着するためには一度死ぬ必要がある。死亡する際にどのガーディアンが憑依するかは悪魔を倒すことで集めることのできるガーディアンポイントで決まる。

ガーディアンポイントが多くたまっていれば上位でより強力なガーディアンを憑依させることができるが、ガーディアンポイントの少ない状態では、下位のガーディアンがついてしまうという仕組みだ。

ただ、それぞれガーディアンによって、修得できる魔法が異なっているため、例えば基礎能力値は高いものの有力な魔法は覚えていない上位ガーディアンを付けるのか「タルカジャ」や「スクカジャ」などのバフ魔法を覚えている下位ガーディアンを憑依させ、魔法を習得されるのかを考えながら進めていかなければいけない。

また、満月時に死んだ場合、1/256 というごくわずかな確率で、レアなガーディアンを装着させることもできる。中盤以降はこのレアなガーディアンを憑依させることによってしか取得できない武器、防具も用意されている。

どのガーディアンを付けるかはあらゆる面で重要だ。

また、ガーディアンシステムにより、死ぬことも演出の一つになっているため、本作にはゲームオーバーがない。主人公が死ぬとガーディアン着けかえの演出がはいり、ダンジョンの入り口に戻されるだけだ。

つまり、単にガーディアンのつけかえを狙うだけでなく、ダンジョンの中盤以降戻るのが面倒だった場合は死ぬという選択を意図的に取ることもプレイヤーに有利に働くわけだ。

本作真・女神転生if…でプレイヤーはガーディアンの憑依、ダンジョン探索を優位に進めるために、いつ死ぬのかすら戦略的に選ばなければならない。これもまた他の女神転生シリーズにはない、本作だけの魅力だろう。

真・女神転生ifはストイックな3Dダンジョン探索RPG 難易度は高いが、救済要素も用意されている

ゲームの基本的なシステムは先述したガーディアンシステム、ゲームオーバーがない点以外はこれまでの女神転生シリーズと大きな変更点はない。悪魔を倒し、時に会話をして仲間を増やし、邪教の館で合体させてより強力な仲魔を作っていく。準備したパーティで3Dダンジョンを攻略し、強力なボスを倒し、次に進むという流れだ。

ただ、真Ⅰ、真Ⅱくらべifはよりストイックなゲームになっている。過去2作にあった、2Dマップを探索する要素は真・女神転生if…には一切用意されていない。プレイヤーはひたすら3D ダンジョンを探索することになる。

各地を移動することができるセーブポイント「ターミナル」はなく、かくちを移動する魔法「トラポート」も3Dダンジョンの入り口にもどる魔法「トラエスト」もない。

街も、例えば、装備やアイテムをそろえ、仲魔を作り準備を整えてから、近場にあるダンジョンに挑む、といったこともできない。ダンジョン内に街の要素があるものもあるが、プレイヤーに都合のよい、状況で街があるとも限らない。ダンジョンの序盤に出てくるところもあれば、入り口とダンジョンの終着点である、ボスまでのちょうど中間にあるダンジョンもある。中にはボスのすぐそばにしかないダンジョンもあるし、そもそも街の要素がないダンジョンもある。プレイヤーはとにかくダンジョンを潜り続けることになるのだ。

また、主人公側はかなり非力だ。武器防具はあまり多くなく。最強武具である「ひのかぐつち」はやり込むレベルでないととることができない。基本的にはいかにして「タルカジャ」「スクカジャ」などのバフ魔法を以っている悪魔を味方に引き入れ、強化できる状況にもっていくかということも重要になるのだ。この点もストイックな遊び心地につながっている。

総じて難易度の高いゲームだ。だが、救済要素もそこかしこに用意されており、遊びやすさ、ゲームバランスのよさ、という点では真Ⅰ、真Ⅱに比べて進化している。

間欠泉で入り口まで戻れる、強い雑魚敵にもハマ・ムドがききやすい、ケルベロスが強いなど救済要素も多い

まず、ゲームオーバーにならないという点もいい。本作は終盤以外は学校にもどらないとセーブできない。だが、安心だ。死んでもゲームオーバーにならないからである。また、主人公が死んだ場合はダンジョンの入り口に強制的に帰還させられるため、例えば、序盤のダンジョンに戻って装備を準備したり仲魔を集めたり、ということもできる。

また、武器防具が貧弱だ、という話をしたが、一方でハマ・ムド系の即死魔法が本作では非常に効きやすい加えて強力だ。相性にもよるが、終盤の悪魔でも、余裕で命を奪うことができる。また、ハマオンやムドオンは3~5回ヒットするので、一撃で敵悪魔の群れを一掃することも可能なのだ。

またタルカジャ、スクカジャなどに関しても、エンドコンテンツである「アキラ編」以外は序盤のイベントを通して必ず仲間にできる「ケルベロス」が持っている特技「パワーブレス」がスクカジャ、タルカじゃの両方の効果を持っているため、一度仲魔にしてしまえば後の戦闘がグッと楽になる。

こうしたように、かなりの救済措置が用意されていて、慣れ親しんだ人間以外でもプレイやしやすいようになっている。

気になる点 怠惰界

気になる点もある。それが中盤「レイコ編「ユミ編」「チャーリー編」で訪れる怠惰界だ。

軽子坂高校の生徒がただひたすらお宝を掘るために穴を掘り進めているのを待ち、お宝を手に入れる、というのが怠惰界の進め方なのだが、これがとにかく面倒くさい。

真女神転生シリーズには月齢システムと呼ばれるシステムがある。月の満ち欠けによって、新月から満月、そして新月へと16段階で変化していくもの、特に満月の時特定の宝箱を開けると「宝石」が手に入る一方悪魔と会話ができないといった効果がある。

怠惰界で生徒がひとます穴を掘り進めるためにはこの月齢を1週廻る必要があるのだ。そしてそれをちょうど8回進めないとクリアできない。タイミングもシビアで「ちょうど1週廻した」状況で話さないと、また1週分またなければならない(筆者のプレイ環境でそのような状況があった、人によって違うという話もある)その間は特に何もできることがない。ただ、序盤(中盤の頭)なので、強い仲魔を集めることも出来なければ、レベル上げも難しい(真・女神転生シリーズではレベル差が多い(敵のレベルが高いほど)経験値が高くなるため)。だからイベントが終わるまで、文字通り、ただひたすら歩き続けることになる。

これが非常に面倒くさい。これは特にバグというわけでもなんでもなく「徒労感をプレイヤーに味併せるため」の使用のようだ。たしかに怠惰な人間に与える罰としては、ということなのかもしれないが、もう少し遊びやすさが欲しいと感じる人間もいるだろう。

この怠惰界を乗り越えられるかどうかが、真・女神転生if…を楽しめるかどうかの分水嶺になるだろう。

とはいえ、真・女神転生if…は、バグの多かった真Ⅰ、真Ⅱと異なり、非常に完成戸の高い作品だ。怠惰界もプレイの魅力を損なうほどのものではない。

真女神転生(女神転生)シリーズ バグ 裏技まとめ アイテム無限増殖からフリーズ、デバッグモードまで

システムも良くできていて、ガーディアンシステムはのちにPSで展開され、以降女神転生シリーズとは独立したタイトルになっていった「ペルソナシリーズ」のペルソナシステムに通じるところもあるなど、以降の外伝作品の礎を築いた作品といってもいいだろう。

今は、Switchオンラインにも配信され非常に遊びやすい状況である。きになった方は一度プレイしてみてほしい。

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