魔訶魔訶は名作なのかクソゲーなのか クソゲーだぞ!

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「フーン、どこがおもしろいの」

いかにも退屈そうで眠そうな目で、小学生の頃の私の友人が放った一言だ。何に対してかと言えば、私がプレイしていたゲーム魔訶魔訶にである。

だが、私は憤慨していた。主人公の仲間である板前のマサが包丁をふるう姿を見ながら、「絶対面白いのに」そう確信していた。

魔訶魔訶は1992年シグマ技研というゲーム制作会社が人気ギャグマンガ家相原コージをキャラクターデザインやシナリオに据え、ミリオンヒットを飛ばした、名バンドJ-Walkのリーダー知久光康氏が音楽を担当。

そして細かな脚本をアニメドラゴンボールzを担当した戸田博史氏が担当したという、どこからどう見ても名作の香りしかしないメンツによって、作られたRPGだ。

もちろん、多くの人が知っている通り、このゲームは一般的な評価でいえば、面白くもないし、バグも多くてゲームとして破綻している。クソゲーの名に恥じないクソゲーだ。徹頭徹尾ろくなゲームではない。

 

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クソゲーの王 魔訶魔訶

魔訶魔訶がクソゲーと呼ばれるに足る理由が多数ある、それぞれご紹介していこう

狙いすぎて寒いバカな世界観

まぁギャグマンガか相原コージがいろいろかんでいるということがある通り、このゲームは狙って作られたバカゲーだった。シナリオ自体はよくよく聞くとシリアスな部分はあるのだが、敵の光線で人間がミジンコになったり、張りてばばぁという強力な張り手を武器にしている以外は単なるばばぁ以外の何物でもないキャラが敵のボスとして出て来たり、かと思えば鼻男という鼻に手足を付けただけのボスも登場する。

ボスもさることながら、一般の敵も強烈で、なぜかボディコンのおねぇさんが普通の敵として出て来たりアソコ、というアソコと書かれた文字の見た目をした敵も出てきたりする。そしてそこそこ強い。

見方もよくわからない、主人公はまじめなのだが、強烈にブスな南の国の王女が出て来たり、段ボールをまとったさすらいの旅人が出て来たり、どう見てもウ〇ト〇マンが仲間になったりとやりたい放題だ。誰か止めなかったのだろうかと聞きたいくらいである。

とにかくバカなのだ。キャッチコピーも「マカマカマーカ摩訶不思議」だし、とにかく人を馬鹿にしている(ちなみにストーリーは馬鹿なだけで、そこまで摩訶不思議ではない)

本当はシュールでちょっとおしゃれなバカ世界を表現したかったのかもしれないが、行き過ぎている。ただ、まぁいい感じのテンションの高さなので、これだけであればただのバカゲーとして認知されるだけで済んだのかもしれない。だが、もちろんそんなことはなかった。

 

無駄に難易度が高い

濃すぎる世界観なので、ゲームはさっぱり楽しみたいところ。だが、この魔訶魔訶こってりしている。クリアするまでに普通に30時間くらいかかる。しかもただ、やりこムベキ部分が多いならいいのだが、エンカウント率が異常に高かったり、ボスが理不尽なほど攻撃力が高かったりと、アニメーションを無駄に作りすぎてロード時間が異様に長かったりと、プレイヤーが許容できない部分で容赦なく時間をかけてくる。

多くのプレイヤーが怒りに打ち震えただろう。だが、もちろんゲームを問わずサブカルの媒体でもクソゲーとして認知されているこのソフト、ゲームバランスがおかしい、難易度が高いなんてかわいらしい問題だけでは収まらない。

嵐のようにバグが起こっても「仕様です」ですます

それが猛烈なバグだ。文字化けのようなかわいいものもあれば、キャラクターが無敵になるカセット時代のロマンが詰まったバグもあれば、進行不能になるような驚異的なバグもあり、さながらそれはバグの総合商社のようである。

もちろん現在と違い高額なスーパーファミコンソフト、1万近い大枚をはたいてこのゲームを買ったのにこのありさまであれば、多くのプレイヤーが怒りに打ち震えたことは間違いない。だが、クソなのはゲームだけではなかった。

開発元のシグマ技研は魔訶魔訶がバカゲーの装いであることをかさに着て猛烈なバグの嵐を「仕様です」の一言で済ませたのである。アメリカだったら訴訟が起きてもおかしくないレベルだ。現代だったら猛烈な炎上が起こったかもしれない。

でもね、みんな聞いて、当時の優しいプレイヤーは全部許したの。おおらかだったの。というわけで、魔訶魔訶は単にバカゲーばぐげークソゲーなだけでなく、時代が感じられる文化財的な魅力も実は持っている。

クソゲーだがわいは楽しかったで

魔訶魔訶は今の家庭用ゲームやインディーゲームの完成度から考えれば到底許されるような出来ではないゲームだ。開発中だと言ったら誰もが信じるレベルである。正直なところ私も今プレイしろと言われたら、正直こまる。

だが、当時の私はこれが初めて自分でプレイした家庭用のRPGだった。GBとかではやっていたんだけど、これが本当に初めてだったのだ。2Dのきれいな画面に酔いしれ、今思えばバカ丸出しのキャラクターたちが無駄にぬるぬる動く姿に感動し、うきうきしながら楽しんでいた。

正直なところバグも楽しかった。GB、GBCくらいから結構ゲームの完成度が高くなってきて、基本的ソフトがヤバイ状況におかれるあるいは意図的に何かするでもなければバグが起こることはなかった。だから楽しかった、画面が「ゆ」という文字まみれになってもゲームが勧められるところとか。

とはいえ、今あの当時の自分に声をかけるのであれば、おめぇよ、とりあえず他のゲームしとけよ、と言いたくはなるのだが。

ちなみに、魔訶魔訶はネタになるだけまともなのだが、正直のちにプレイした相原コージの異色作「イデアの日」はもっとつらかった。完成度が高くてただただつまらないのだ。地獄である。

イデアの日 こっちは本当にクソゲー 
ソフト基本情報 発売年 1994年 発売元 ショウエイシステム 定価  魔訶魔訶の残念なところを直したはずが、 1994年北斗の拳5などの問題作をおくりだした、ショウエイシステム ...

 

 

 

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