STRANGER OF PARADISE: FINAL FANTASY ORIGIN 先行プレイレビュー 初代FFを再構築したシナリオとソウル風死にゲーが合わさった良作

FFオリジンゲームレビュー
公式サイトより

3月18日に発売を控えた、ファイナルファンタジーシリーズ最新作、「
STRANGER OF PARADISE: FINAL FANTASY ORIGIN」(以下:FFオリジン)。

予約購入者向けに3月15日から配信開始された本編をクリアまでプレイしたので(難易度Action クリア時間15時間強)

・ゲームシナリオの概要説明

・システム説明

・個人的な評価

にわけて本作の内容など紹介していければと思います。

(以下はシナリオやゲームシステムのネタバレが含まれます)

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FFオリジン ストーリー

FFオリジンはE3などでの発表時から、公表されていた通り、初代ファイナルファンタジーの宿敵ガーランドがなぜ、時の輪廻を繰り返し、生き続ける邪悪な存在「カオス」になったのか。その起源が描かれます。

主人公となるのは「ジャック=ガーランド」。彼は異界から訪れた民「ルフェイン人」からもたらさた技術によっていびつに発達した社会が融合した中世ヨーロッパが融合したような独自の文明を持つ国家コーネリアに異国から訪れた騎士です。

ジャックはおよそ自分に関する記憶のすべてを失っています。唯一の手掛かりは肌身離さず持っている黒い水晶の玉、そして、闇をつかさどる存在である「カオス」を自らの手で倒す、という渇望に近い強い使命感です。

ジャックはコーネリア王から、世界が闇おおわれたときに現れ、世界を救う存在「クリスタルを手にした4人の光の戦士」の伝承を伝えられます。

コーネリア王はジャックに、闇の根源たる存在「カオス」によって力を封じられてしまった「土」「水」「風」「火」4元素をつかさどる4つのクリスタルを解放してほしいと告げるのでした。

自らを「光の4戦士」の一員であると信じて疑わないジャックは、同じように記憶をなくし、「黒いクリスタル」を持つ、大柄な男アッシュ、好青年風のジェドとともに、各地のクリスタルを探し求め旅を始めます。

舞台となるのは初代ファイナルファンタジーで描かれたコーネリアの世界

ジャックたちが旅をするのは、カオス神殿や港町プラボカなど初代ファイナルファンタジーで描かれた場所ばかり。ビッケ船長やダークエルフのアストスなど、初代をプレイした方は見知ったキャラクターもちらほら登場します。

初代と同じような剣と魔法で悪を滅する物語が始まるのかと思いきや。

物語が進み、同じように黒いクリスタルを持った仲間「ネオン」や「ソフィア」が集まるにつれ、徐々に様相が変わっていきます。

コーネリア人とは全く異なるH&Mで買いそろえたような現代の若者風の恰好をしている一行。果たして彼らはそもそも何者なのか。

徐々にジャックたち一行が推理小説でいうところの「信頼できない語り手」であることがわかっていきます。

カオスからクリスタルを解放することで、おぼろげながら復活する記憶。頭に浮かぶコーネリアとは全く異なる一面稲穂に覆われた世界。ジャックがフラッシュバックするときに見た、黒い水晶を渡す謎の存在。ネオンが語る「カオスなど存在しない」という言葉の真意。

ルフェイン人の残した遺物となぜかつながりのあるジャックたち「光の4戦士」。自分たちはなぜ異邦人(ストレンジャー)としてコーネリアにいるのか。なぜカオスにひかれるのか。記憶を忘れた理由はなんなのか。「クリスタル」をめぐる旅を続ける中でジャックたちは自らの果たすべき使命を思い出します。

といった感じのストーリー

FFオリジン ゲームはソウルライクな死にゲーアクションRPG

ゲームは仁王シリーズで知られるコーエーテクモゲームスのTeam Ninjaが携わったアクションRPGとなっています。

各マップをボスまで進めてボスを倒すとクリアのステージクリア方式のシステムです。ゲーム性としては、仁王や仁王がインスパイアを受けたともいわれるソウルシリーズと同じ、アクション重視のゲームとなっています。

難易度はさすがTeam Ninja制というべきかかなり高め。敵の攻撃は序盤から終盤までとにかく重く、ボスに限らず、マップで出てくる雑魚敵でも数発、状況によっては2発程度で死ぬレベル。弱点やマップの構造を死んで把握し立ち向かう必要があります。

ただし、仁王やソウルシリーズと比べると、マップ探索要素(一撃死のトラップなど)はそこまで多くなく、敵との戦闘が終始続いていくような構成になっています。

ソウルシリーズと同じく回復アイテム(本作ではポーション)は個数が制限されているため(基本的に五個、強敵や難所を突破すると個数が回復する場合がある)いかにダメージを受けずに雑魚敵を倒し、難局を突破するかをプレイやーは考えることになります。

とはいえ、ソウルシリーズなどのように、敵の集団を切り抜けないとボスまでたどり着けないといったことはありません。基本的のボスの直前にはリスタートポイントが用意されており、煩雑な戻し要素などは排除されています。これはFFオリジン流の配慮といえるでしょう。

FFオリジン削り値(ブレイク)管理が非常に重要

一つ一つの戦闘の難易度もかなり高くなっています。その一つがソウルシリーズでのスタミナ、Sekiroでの削り値にあたる、ブレイクです。

ライフゲージのほかに用意されており、盾や剣でガードをすることで、このブレイクを消費し、攻撃をふせぐことができます。ソウルシリーズなどのような物理カット率、炎カット率といった細かな内訳はなく、物理であれば100%カット(一部特殊能力を除く)、魔法であればダメージをカットという仕様です。

また、攻撃をそのまま食らっても消費され、ゼロになるとジャックをはじめとしたキャラクターたちはダウンしてしまい敵からの猛攻にさらされてしまいます。基本的にはこうなったらほぼ死亡、いかにゲージを管理するのか、つまりどの攻撃をガードしどの攻撃を回避(本作にスタミナ要素はなし、ただし、回避範囲はそこまで大きくない)を考える必要があります。

このブレイクは敵側にも用意されており、こちらは削り切ると演出が発生相手を一撃で倒す「ソウルバースト」が発動できるようになっています。

ソウルシリーズなどをプレイしている方ならお分かりの通り、ゲームを有利に進めるうえでは、このブレイク管理が非常に重要な要素なのです。

以下本作オリジナルの要素をもう少し細かく見ていきます。

FFオリジン メインのジョブとサイドジョブを切り替えて戦え

FFシリーズおなじみのジョブシステムが本作にも登場します。シーフやモンク、剣士にナイト、黒魔導士、白魔導士、赤魔導士、忍者といったお馴染みのジョブをはじめ、上級職ではタイラント、ブレイカー、といったこれまでになじみのなかったジョブも登場します。

基礎的なジョブはゲームスタート時からすべて解放されています。本作の育成要素はこれらジョブのレベルを上げることです。

ジョブの仕組みは一般的なRPGのそれと変わりません。道中の敵を倒すことやアイテム「アニマのかけら」を使うことで経験値が入り、一定までたまるとジョブレベルがあがります。

ジョブレベルに応じて手に入るジョブポイントでスキルツリー(能力を獲得、ジョブ適正(マックス400%、パーセンテージに応じて、能力補正が得られる)を解放し、最後に上位ジョブが解放されるという仕組みです。

ネタバレになるので名言は避けますが、イメージとしては上位ジョブになるほど、扱える武器種(魔法使いでは魔法の種類)が増えてき、最上位ジョブではそれに加えて、特殊攻撃が使えるという流れになります。

FFオリジン 武器と防具でジョブ適正を上げろ

本作の武器防具は基本的にステージ終盤、オンラインマッチの時に高レベル帯になればなるほど、能力値があがる、ユニーク武器は基本的になく、敵がランダムで落としレアリティによって補正値や使用できる特殊能力が変わる。というもので仁王で採用されたものをよりシンプルにした、ディアブロなどに近いものとなっています。

本作独自の要素という点でいうと、武器にそれぞれ、ジョブ適正値が採用されているという点が挙げられるでしょう。武器ごとに、この武器に適正がありそうだな、という感じのジョブ、つまり刀であれば、侍、グローブであればモンクといった具合にジョブ適正値がランダムで割り当てられています。これをうまく組み合わせることでより強力なキャラクターにすることも可能となっています。

 

FFオリジン MP回復要素は攻撃とパリィ

本作独自の要素といえるもう一つのものが、MPです。ソウルシリーズの精神力やこれまでRPGのように上限があり、その上限を育成で伸ばす、といったたぐいのものではありません。

能力に応じて、1個、あるいは2個と個数を消費して使うタイプのもので、ステージスタート時はマックス2個。後述する本作のパリィ要素(ソウルシールド)を決めることで上限を増やすことができます。

基本的にマジックポーションのような回復アイテムはなく、ソウルシールドを決めるか一部ジョブの固有能力、敵への攻撃で回復するよりほかはなく、いかにしてこの特殊能力を決めていくかが戦況を左右するゲーム設定となっています。

繰り返し登場したソウルシールドは本作の「パリィ」要素です。敵の近接攻撃、魔法攻撃などにちょうど良いタイミングでボタン(PS4版では〇ボタン)を押すことで攻撃を無効化できます。MPが回復し、上限値が上がるほか一部敵の特殊能力はそのまま奪い取り、□ボタン(PS4版)攻撃することも可能です。もちろんこのソウルシールドは有利なばかりではありません。決められないと、先ほど説明したブレイクゲージが大幅に減少、ダウンにつながる恐れもあります。

ソウルや仁王シリーズのパリィと比べると、入力タイミングはシビアではありません。また、FFという作品のレガシーもあってか、本作では通常近接攻撃以外は攻撃の前に敵の頭上に技の名前が浮かぶ仕様になっており対策は立てやすくなっています。

一方MPシステムの仕様により、戦闘のどこかでソウルシールドを決めなければいけない場面が頻出するため、パリィなどに比べると重要度が高い(=つかわなければならない)局面は多く。それが本作独自の難しさにもつながっていると感じました。

FFオリジン 仲間はAIで動く 敵のカーソルでヘイト管理しよう

ここまではプレイヤー側個人でできる個別の要素の紹介をしてきました。FFオリジンではストーリーの説明に、光の4戦士と紹介したように、「仲間」が戦闘に参加します。

仲間のうちから2名を選び、3名で戦うことが可能です。FFオリジンの仲間はFF7リメイクなどのようにコマンドで操作するものではありません。一部技(特殊能力を使いやすくするよう指示を出すくらい)の指示はできるものの基本的にはAIによって勝手に動きます。

勝手にポーションを使ったりとなかなか優秀です。ソウルシリーズなどとことなり、ヘイト管理も容易です。Rスティック押し込みで敵をロックオン。ジャック以外にヘイトが向いている場合は、カーソルが青く表示、ジャックにヘイトが向くと赤く表示されます。

本作はかなりの高難易度ですが、プレイスキル以外に仲間をうまく組み合わせて、攻略しやすくできる要素もあり、ある種の救済要素にもなっていると感じました。

FFオリジン個人的な評価 気になる点はあるが良作

さて、ここまでいろいろと概要を説明してきました。まずはFFオリジンへの個人的な評価について触れたいと思います。端的に言えば、スクウェアエニックスが看板タイトルの名前を付けて出すだけはある、良作だと感じました。

ストーリーの面では、突如フィールドに放り出されて旅をしていく中で世界の輪郭、ガーランドという存在の謎が明らかになるという流れだったファイナルファンタジーを踏襲し、現代風に再編集しなおしたといえるシナリオは秀逸です。

重大なネタバレになるので、名言は避けますが全体を通してガーランドがなぜカオスになるのか、を描きながら、コーネリアという台地はいかにして誕生し、そしてそこになぜ光の戦士がやってくるのか、という期限を描くシナリオとなっています。

メンバーそれぞれが「記憶をなくしている」ことを一つの舞台装置に、様々な要素の布石をストーリーやフレーバーテキストの中にちりばめ、最後は一気に回収し、起源=オリジンにつながるラストに持っていく流れはさすが。

もちろん、一つ一つの要素に説明不足感や唐突感はあるものの、このシナリオだけでもプレイの価値はあると思わせるものだと思いました。

FFオリジンのコアとなるアクションRPGとしてのゲーム性も破綻なくまとまっています。アクション要素を敵との戦闘に全ぶりしているため、一部マップでは対策を間違えた瞬間に袋叩きにあうなど、ストレスのたまる側面がなかったといえばうそになります。ただ、その点もゲームの味といえるレベルに収まっています。豊富なジョブを活用した、戦闘スタイル、戦略の構築と、死にゲーとしてのギリギリを突き詰めるバトルがちょうどよいバランスでまとまっていて、常に緊張感があるものの、プレイスキルの向上が楽しめる、正統派死にゲーとしての面白さがあるのです。

クリア後にはエンドコンテンツも用意されており、これもかなりのボリューム。仁王シリーズではたびたび、DLCが出されていたことを考えると、今後の追加コンテンツにも期待できます。(某戦士との闘いがあったりして)

本編クリアまでの時間は短めな点は少し不満は残りますが、約9000円出しても、文句は出ないタイトルでしょう。

個人的にはソウルライクのFFと聞いていて望んでいたものが、来たな、というシンプルですが、最も期待していた通りの感想を抱きました。

 

そのほかレビュー

 

 

 

 

 

 

 

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