ゲーム・アンド・ウオッチは1980年に任天堂から発売された、携帯型ゲーム機である。ゲームの父とも呼ばれる横井軍平氏が発案した。日本国内で1287万本、国外で3053万個、合計4340万個売れるという大ヒットを記録、社会現象を巻き起こした。
ゲーム・アンド・ウオッチの好セールスが、その後、任天堂がゲームを中心とした路線へと変わっていくきっかけたともいわれる。これがファミコンをはじめとした、今日まで続くゲーム文化が生まれることとなったのだ。つまり、ゲーム・アンド・ウオッチ(以下ゲームウオッチ)は、日本のゲーム界における記念碑的作品といえる存在なのである。
2021年8月21日、そんなゲームウオッチの一つがヤフーオークションにて100万円(1001000円)で落札され、話題となっている。
千葉の出品者から、くだんのゲームウオッチが出品されたのは8月14日のことだ。開始価格は1円だったが、見る見るうちに金額が吊り上がっていき、最終的に1001000円での落札となった。
高額で落札されたのはこちらのゲームウォッチである。
ソフトはドンキーコングだ。蓋のメタルプレートにはゲームウオッチのデザイン全般を手がけた加納誠氏のものと思われる、肩を組んだ三人の男性のイラストが描かれている。下にはイラストの男性の名前と思われる文字列がそれぞれ左から、G.YOKOI K.MOMOSE T.ISIDAと記載されている。
G.YOKOIとはもちろん、ゲームウオッチの生みの親である横井軍平氏のことを指す。K.MOMOSEは、『任天堂コンプリートガイド』などの著作で知られるライター・山崎功氏のツイートによれば、当時ゲームウオッチの銘板を手がけていた百瀬製作(すでに廃業)の代表百瀬氏ではないか、とのことだ。T.ISHIDA氏が何者かは、現時点で明らかになっていないようだ。
こちらのゲームウオッチ、詳細は明らかになっていないが、1982年にゲームウオッチ2000万台出荷を記念して作られ関係者に配られた、非売品の一つとみられている。すでに同様に2000万台記念時に作られた「グリーンハウス」、1000万台記念時の「EGG」は存在が明らかになっていたのだが、「ドンキーコング」は未発見だった。
少なくとも、歴史的な価値がある逸品なのは間違いないようだ。
出典:ヤフーオークション
山崎功氏 Twitter
昭和50年男 2021年1月号
任天堂 社長が訊く ゲーム&ウオッチ
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