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柔道の世界では
木村のあとに木村なく、木村の後に木村なし
といわれた稀代の名選手「木村正彦」氏がいましたが、
スーパーファミコンRPGの世界でも1995年
前後に並ぶもののない名作が誕生しました。
それがスクウェアが世に送り出した、
そう、こんなジャンル後にも先にもない
オムニバススタイルのRPG「ライブ・ア・ライブ(LIVEALIVE)」です。
今回はそんな名作ライブアライブを紹介したいと思います。
ライブ・ア・ライブはどんなゲーム
ライブ・ア・ライブどんなゲームかというと、
一言で言えば、オムニバススタイルのRPGです。
全部で7名の主人公(後述する隠しシナリオを入れると8人)、7つの全くことなる世界観、ストーリーによってゲームが構成されています。
一つ一つのシナリオは世界観に併せて微妙にゲームの内容もことなっており、そんな個性的なシナリオをクリアすることによってプレーヤーはこの物語の黒幕とこのゲームの世界の成り立ちを理解するそんな流れ。になっています
一見全く別々のストーリーが物語終盤、一つに収束していく、その流れはかなりぞくっと来ます。
全体的に難易度はやさしめなのですが、RPGを下敷きにしつつも、様々な種類のゲームが楽しめるようになっており、かなり意欲的な作品となっています。
昨今の無駄にストーリー重視でゲームがおまけ見たいなRPGがどうも苦手だ、という方にはおすすめ。
ちなみにそれぞれのシナリオのキャラクターデザインは小林よしのり氏や青山剛昌氏など当時に小学館のマンガ雑誌で連載を持っていた人気漫画家が担当したことでも話題になりました。
各シナリオの概要を紹介
シナリオはそれぞれ時代ごとに区切りが設けられており、原始編、幕末編、功夫編、西武編、現代編、近未来編、未来編。が用意されています。そしてこれらのシナリオ全てをクリアすることでプレイヤーは物語の革新に迫る西洋ファンタジーの世界中世編を楽しめるという構成になっているのです。細かく見ていきましょう。
原始編 テーマは接触

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まだ言葉のない時代。人々は洞窟に集落を作り、たくましく生きていた。狩猟を許される年齢になった原始人の少年ポゴが初めて狩りを行った日の晩、少し離れた所に住む部族・クー族の少女べるがポゴ達の集落へ逃げ込んでくる。生贄の儀式に捧げられようとしていたところを逃げ出してきたのだ。ポゴは異部族のべるに対し掟破りの恋をしてしまい、彼女を守ることを決意する。
このシナリオでは言葉がまだ存在しないため、台詞ではなくキャラクターの仕草(ボディーランゲージ)や絵文字のふきだしによってストーリーが進行していく。 引用 wikipedia
キャラクターデザインを小林よしのり氏が担当しました。
ゲーム内容としては普通のRPGです。
臭いで敵キャラの位置を探していくという独特のシンボルエンカウントシステムが採用されています。ほかのシナリオと比べるとゲームとしては一見シンプルな印象の強いシナリオです。
ですが、原始時代というまだ言葉のない時代を、会話はすべて音で表現、プレイヤーキャラの技はすべて擬音で表現されるなど、ハードとして限界がある中で見事に原始の世界観を表現しています。
作りこみ具合は本作一番かもしれません。
おぼっちゃまくんで知られる小林よしのり氏がキャラクターデザインのシナリオということもあり、全体的にギャグテイストのつよいシナリオです。
幕末編 テーマは密命

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キャラクターデザインは青山剛昌氏が担当しました。
主人公は若き忍者おぼろ丸
サブタイトルは『密命』。この幕末の動乱を描いたシナリオでは、悪の大名にとらわれた要人の救出のために、密命によって戦う忍者の姿が描かれる。
ゲーム中のタイトル画面で最初に紹介され、かつニューゲーム時のシナリオ選択画面で最初からカーソルが合っているのは幕末編である。
影に生きる忍びの集団・炎魔忍軍(えんまにんぐん)は、大名・尾手 院王(おで いおう)の居城の動きを探っていた。そこへ尾手忍軍が維新の要人を誘拐したとの一報をうけ、炎魔忍軍頭目のハヤテはその救出に向かわせる者に若き忍者おぼろ丸を抜擢する。密命を受けたおぼろ丸は無事潜入に成功したものの、尾手城は人妖相まった魔窟であった。
RPGではありますが、メタルギアのようなステルスアクションのようなシステムをとっています。 引用 wikipedia
RPGというよりは主人公が忍者であることからか、メタルギアのようなステルスゲームになっています。
倒した敵の人数がカウントされ、全員を倒す100人切り 誰も倒さない0人切りの達成や
強力な隠しボス
ファイナルファンタジーで言えば青魔法のラーニングのように敵から技を覚えるシステムなど
ライブ・ア・ライブのシナリオの中で一番やりこみ要素が多く用意されています。
功夫編 テーマは「伝承」

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キャラクターデザインは拳児で知られる藤原芳秀氏が担当しました。
中国大志山に伝わる功夫(クンフー)の流派・心山拳(しんざんけん)の師範である老師は自らの衰えと寿命を悟り、継承者を捜すため山を下りる。老師は三人の若者(レイ、サモ、ユン)に出会い、彼らを弟子としてとることとなる。しかし、弟子のうち2名が他流派・義破門団(ぎはもんだん)の襲撃によって殺害され、老師は敵を討つため義破門団に殴りこむ。
引用wikipedia
育成ゲームのように弟子を育てていく本シナリオ。弟子の成長共にストーリーが進んでいきます。
おすすめ弟子は唯一の女性プレイキャラクター「レイ・クウゴ」です。
天涯孤独で野盗をしながらその日暮らし
そんな壮絶な過去を持ち、本シナリオの主人公である老師にも汚い言葉をあびせるのですが...
西部編 テーマは「放浪」

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キャラクターデザインはB.Bで知られる石渡治氏が担当しました。
主人公は伝説のガンマン、サンダウンキッド
随所に名西部映画のオマージュを感じさせる仕上がりです。
サンダウンを執拗に狙う賞金稼ぎマッド・ドッグとのハードボイルドな男の友情は石渡作品を彷彿とさせます。
かつてはゴールドラッシュで栄えたという荒野の寂れた町サクセズタウンに、賞金首であるガンマン、サンダウン・キッドが訪れる。たまたま訪れたその町ではならず者の集団クレイジー・バンチが幅をきかせていた。サンダウンと、彼を追い続けているという賞金稼ぎマッド・ドッグは偶然入ったバーでギャングに絡まれるが、あっさりと返り討ちにする。その腕を見込まれ、ふたりは町の人々からクレイジー・バンチ討伐を依頼される。引用 wikipedia
戦闘はギャングクレイジーバンチとの一戦だけ
プレイヤーは、数多くいる町人の特徴を把握し、罠の設置を彼らに任せ、ギャング達に罠を仕掛けていきます。
ライブ・ア・ライブ全シナリオ中一番といっていいくらいクリアまでの時間は短いですが、頭を使うシナリオです。
現代編 テーマは最強

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キャラクターデザインはARMSでも知られる皆川亮二
主人公は高田延彦ら名格闘家をもじって付けられた高原日勝 彼の最強を目指す道程が描かれます。
主人公である高原 日勝(たかはら まさる)は、あらゆる格闘技の要素を取り入れようとすることで最強を目指す。しかし同じ最強を目指す格闘家同士、おいそれと他人に技を継がせるようなことはない。そこで高原は、実戦の中で直接相手の技を受け、そこから技を学び取ろうとする。 引用 wikipedia
単純に戦闘を繰り返すだけのシナリオなのですが、
随所に某、カプコンの格闘ゲームを感じさせる演出が光るシナリオです。
ライブ・ア・ライブの音楽を担当したのはストリートファイターの音楽を担当した元カプコンの下村陽子氏ということもあり、随所に某格闘ゲーム観を漂わせたり、この時代のカプコン特有のクールな音楽が特徴的です。
近未来編 テーマは流動

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キャラクターデザインは吼えろペンでもおなじみ島本和彦氏、
随所に島本節前回な熱いシナリオが繰り広げらます。
主人公の兄貴分である「無法松」のラストはライブ・ア・ライブ屈指の泣き所です。
また、超能力、超兵器、巨大ロボなど、男のコが大好きそうな世界観もこのシナリオの特徴です。
孤児院「ちびっこハウス」に住む超能力をもつ少年田所 晃(タドコロ アキラ)は喧嘩に明け暮れる日々を送っていた。街では突然人が行方不明になる事件が多発しており、事件の裏では暴走族クルセイダーズと陸軍がつながっていた。その巨大な軍事力に立ち向かうため主人公たちは巨大ロボット「ブリキ大王」を動かそうと画策する。全体的に熱血感のあふれる内容である。
引用wikipedia
主人公の晃という名前はもちろん、某有名マンガからとられています。
晃の超能力を駆使しながら物語を勧めていくのが本シナリオの特徴
それを利用した笑えるネタがぼちぼち多いのも本シナリオの特徴
未来編 テーマは機心

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キャラクターデザインはBASARAで知られる田村由美氏
主人公はロボット キューブです。
ほかのシナリオがギャグ要素も見られたのに対し、
本作はシリアスなシナリオで全体的にホラー要素も多いです。
2001年宇宙の旅など名SF映画のオマージュも多数含まれています。
遠い未来、宇宙船の中で発生する事件を描くサイエンス・フィクション。比較的明るい場面も多い他編に比べてそういった喜劇的要素は皆無であり、乗組員たちの疑心暗鬼から生まれる惨劇を描いている。ストーリーの正確な年代は不明だが、作中に2099年製と表記された機械が登場することから、それ以降であると推測される。
宇宙空間を航行する輸送船コギトエルゴスム号の中で1台の作業用ロボットが造られた。キューブと名付けられたそのロボット[4]は乗組員達との交流を通して船内の様々な出来事を学習していく。平穏に航行を続けていたコギトエルゴスム号だったが、あるとき地球と連絡をするための通信アンテナが原因不明の故障を起こし、それを修理に向かった乗組員のひとりが宇宙服の故障で重体に陥り、治療の甲斐なくまもなく死亡してしまう。さらに、輸送中で厳重に保管されていたはずの地球外生命体ベヒーモスも突如脱走。船内がパニックに陥る中、乗組員は1人、また1人と命を落としてゆく。 引用wikipedia
ゲームは基本的にアドベンチャー方式
宇宙船の艦内で起こった謎を解き明かしていきます。
中盤以降からは驚異の宇宙生物ベヒーモスに館内で追い掛け回されるようになり、差ながら青鬼のようなホラーアドベンチャー要素が楽しめるのです。
ちなみに館内にあるゲーム機ではゲーム内ゲームであるキャプテンスクウェアが楽しめます。
戦闘システムを学ぶこともできるので、プレイした際にはぜひ
中世編 テーマ 魔王

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キャラクターデザインは特に記されていません。
すべてのシナリオをクリアすると現れる、ライブ・ア・ライブの核心シナリオです。
なんでもこのシナリオをベースにほかのシナリオやライブ・ア・ライブの世界観が作られていったんだとか
本シナリオをクリアすることで物語の核心に触れることができます。
主人公は勇者オルステッド
魔王とそれを倒した勇者の伝説が残るルクレチア王国。主人公の剣士オルステッドは御前試合で優勝し王女アリシアに求婚する権利を得る。アリシアと共に愛を誓うものの、その夜アリシアは蘇った魔王に連れ去られてしまう。オルステッドは、ライバルであり親友でもある魔法使いストレイボウや、今は老いた伝説の勇者ハッシュ、僧侶ウラヌスと共に魔王山へと向かう。
引用 wikipedia
中世の世界観、無口な主人公、魔法、ランダムエンカウントなど一般的なRPGを意識した仕上がりです。
特徴的なのはシナリオ。
邦RPG屈指の陰鬱なシナリオというのも納得ものです。
衝撃的なラストはぜひプレイしてみてみてください。
このシナリオがきっかけで某寝取られちゃうRPGと同じく、このシナリオのヒロインが
スクウェア3大悪女に選ばれています。
最終編
各シナリオからプレイキャラクターを選び、黒幕 魔王オディオを倒すために、物語を進めていきます。
シナリオはどちらかというと殺伐としていますが、このシナリオから初めてRPGとしての本作を本当の意味で楽しむことができます。
一見やさしめなのですが、考えながらゲームを進めていかなくてはならず、うなるゲーム性です。
ライブ・ア・ライブの魅力
一通りシナリオと非常にざっくりとしたゲームシステムの紹介が終わったので、個人的に思うライブ・ア・ライブの魅力を3点にわたってお伝えしたいと思います。
1 一つ一つのシナリオが濃ゆい
まず一つは一つ一つのシナリオが濃い、ということでしょう。
泣けて、笑えて、わくわくして、時にはびびって漏らしてしまいそうになります。
ライブ・ア・ライブのすごいところはそれを単にセリフ回しで見せているのではなく、ゲームをプレイすることで味わうことができる、ということです。
スーパーファミコンの容量でこれをやっているのだからすごいものです。
最近の一部のしょうもないRPGみたいにゲームがシナリオのおまけになっているようなことはないんですね。
そして、一つ一つのシナリオのプレイ時間が短いというところもよいです。
中だるみをせずに、そうした良質なシナリオを味わうことができます。
2 戦闘システムが秀逸
ライブ・ア・ライブのもう一つの魅力はチェッカーバトルシステムと呼ばれるバトルシステムです。
7×7のマスの上で戦闘が行われるのですが、
キャラの向いている向き、位置、そしてフィールドの状態(火、水など)によって戦況が左右されるなど、戦略性があります。
このことによって、レベル上げだけしていれば何とかなってしまうという、RPGのゲームとしての致命的な欠点も補われているだけでなく、
低レベルクリアや縛りプレイクリアなどのやりこみ要素も生み出しています。
3 音楽が秀逸
最後に三点目としてライブ・ア・ライブの作曲家である下村陽子氏の作るBGMが秀逸です。
各シナリオ別に本当に一人の人が作ったのかと思われるような多彩な楽曲が収録されています。
ただ、一つ一つの完成度は非常に高く、BGMを聞くためだけにこのソフトを買うのもあり、ではないかと思います。
個人的にはスーパーファミコンの名曲としても名高いボス戦BGMメガロマニアが秀逸です。
その他、スーパーファミコンの名作については以下の記事を書いているので、気になったら見てみてください。
その他スクウェアのゲーム記事
ライブ・ア・ライブの悪い点
ライブ・ア・ライブのいい点ばっかり書いていて気持ち悪くなったので、悪い点も書かせていただくと
難易度が高い、普通のRPGとは全く違う、ということが言えるかと思います。
オムニバスRPGということで、キャラゲーのような印象を感じておられるような方もいるかもしれませんが、全然そんなことはありません。
かなりの難易度です。理不尽にやられたり、シナリオの進め方によっては詰んだりします。
また、レベル上げも実際そこまで重要ではなかったりもします。
普通のRPGがしたいという方にとっては肩透かしを食らうかもしれないなぁというのは正直なところです。
面白いんですけどね。
スマホでのリメイクがまたれる
そんなライブ・ア・ライブ、ほかのロマサガシリーズやファイナルファンタジーをはじめスクウェアのスーパーファミコンの名作と同じく、
2014年にスマホでのリメイクが宣伝されていました。
今のところ任天堂のVCでの発売は実現しましたが、まだ、スマホでのリメイクは実現しておりません。
ゲームの内容やボリューム的にスマホでやるのがぴったりだと思うのですが、
ただ複数の漫画家が関わっており、権利関係が複雑そうですし、いろいろ難しいのかもしれません。
いつになるのでしょうか、待ち遠しいです。
ロマサガ3のリメイクといい、最近ちょっと残念なことが多いのも事実。
スクウェアさん、どうしたんでしょうか。
ではでは
スーパーファミコンより、電池の心配がいらないこっちの方がおすすめかも