今回はSteamネクストフェスにてデモ版が配信されていた「The Backworld」を遊んだ感想をまとめたいと思います。開発はNumorgames
明らかに、マザー2やBackroomのフォロワー作品ではありますが、完成度は高く世界観・システム面でオリジナリティがあり、楽しみな一作でした。
現状では日本語対応していないので、ウィッシュリストに入れて、日本語対応になることを期待したいですね。
※以下シナリオ箇所やキャラクターのコメントとうとうはDeepLとにらめっこしながらまとめたものです。誤りなどあるやもしれません。ご容赦ください。
The Back World概要
物語の舞台となるのは、現代をほうふつとさせるゲーミングPCやらテレビやらガジェット類が散見する、どこかの街です。
大きく異なるのは住民たちが何らかの「超能力」を持ったヒーローたちであるということ。超絶筋力を持ったヒーローや影に自らを溶け込ませることのできるヒーロー、タコ足のようなガジェットを駆使して戦うヒーローまでさまざま。
主人公の「少年(名前は任意)」もまた、御多分に漏れず、ヒーローの子供で自身も「サイキックパワー」を持っています。
ゲームはそんな主人公の少年が奇妙な夢を見たところから始まります。
漆黒の空間に一人浮かぶ少年に語り掛ける、謎の声「君は今暗闇の中で一人、永遠ともいえる時間を過ごしている。ここには何もない。でも、やがて、循環が君を完全なものにしてくれるだろう。
あと少しで、すべてが消える」
そして、暗闇の中に浮かぶ恒星のような輝く物体に降り立ちスタートです。
まずは青色の巨大な人間の頭部の形をした存在に導かれながら、夢から覚める方法を探すことになります。(ようはチュートリアル、カットもできるようです)
操作はキーボードで、大まかなシステムは一般的なコマンド選択式のRPGと変わりません。例えば、戦闘はシンボルエンカウント方式で攻撃ギミックを敵シンボルにあてることで、有利に進めることができる、とか。この辺りはよく見た感じです。
面白くかつ、目新しいと感じたのが「逃走」要素です。本作では通常戦闘となる敵以外に、捕まると即ゲームオーバーになってしまう、デンジャラスな敵が多数登場します。
主人公の場合は「ダッシュ」など、各仲間キャラクターが使える「超能力」を駆使して、敵から逃げることもThe Backworldのメイン要素となっているんです。
システム自体は「青鬼」などツクール系のホラーゲームと同様なのですが、これが普通のコマンド選択RPGと合わさっているのが個人的には斬新だと感じました。
ホラー要素を中だるみさせないためか、レベルアップも敵を倒す方式ではなく、マップに落ちている「EXP」を得られるアイテムを入手する、という仕組みになっています。この点も結構独特です。
RPGと言えばゲームを進めていくにつれ、キャラが強化されてしまい、タイトルを愛しやりこめばやりこむほど、自キャラが強化され、戦闘がつまらなくなり、その結果シナリオにも没入しづらくなる、といった逃れがたい欠点があるように思うのですが、そうした問題はあまり起こらなさそうだなと思いましたね。
コミカルな家族、「オネット」のような町、「ポーキー」のようないじめっ子
目が覚めると、もう夕ご飯の時間に。階下で待つ「お母さん」に頼まれ、外出している妹のベッツィー・弟のケビン・お父さんたちを連れ戻すことになります。町のマップは下の画像みたいな感じ。ビット調の2Dです。
キャラクターや建物はどれもデフォルメされた、丸みのあるタッチで描かれています。みな、口調はどこかコミカル、雰囲気としては、明らかにマザー2の影響を感じさせますね。
ただ、マザーシリーズと言えば、大きな目的以外はほとんど伝えられないシステムでしたが、The Backworldでは、イベントが起こるキャラクターやギミックの上に「!」が表示されるなど、細かな遊びやすさが加えられています。
家族に「お母さんが待っている」とつたえ、ときにいじめっ子を撃退し、家に戻ると、家の前にいじめっ子の親玉である「チャド」の姿が。
デモ版の段階では主人公とチャドにどのような因縁があるのかはわからないのですが、The Backworldの影響元であるマザー2で言えば、主人公の前に幾度となく立ちはだかる「ポーキー」のようなキャラクターと言えるかもしれません。
チャドを退け、家に戻ると食事を楽しむ家族の姿が。しかし、このまま一家団欒とはいかず。お母さんが落とした「財布」を取りに家の外に出た主人公が戻ると家が「何者か」に荒らされてしまします。お母さん、弟、妹の姿は見えず、唯一いたお父さんも「何者か」に襲われ、命を落としてしまうことに。
いったい何が起こっているのか。訳も分からないでいる主人公の前に、ついに怪物が姿を現します。ジグソーパズルに目を付けたようなかわいらしい見た目をしていますが、触れたら最後、体が溶け命落とす危険なやつ。
必死に逃げる主人公、逃げた先には「家」ではなく、黄褐色の絨毯が敷き詰められた奇妙な空間が待ち受けていました。
黄褐色の絨毯が敷き詰められた奇妙な空間で化け物に襲われる
これ以降のシークエンスではBackroomの影響がかなり感じられます。ここからは、先述のジグソーの形をした敵から逃れたり、
・のっぺらぼうがスーツを来た姿の「シチズン」
・肌色に黒髪で犬のように4足で歩く「ハンター」
といった化け物たちと戦いながら、奇妙な空間からの脱出を目指します。
道中では影に溶け込む超能力を有する女の子「サンドラ」の力を借りることになります。
このスキルを使った要素も楽しいですね。キャラクターにはそれぞれ「スタミナ」のような要素が用意されており、バーがなくなるまでは特殊能力を発動できるようになっています。
サンドラの場合は影に溶け込み気配を消す、いわゆるステルス能力が使えます。これを駆使して進む、というわけですね。
しばらく進み今度は怒りを力に変える特殊能力を持った坊主頭の少年「エリィ」が仲間に(見た目に比して名前がカワイイ)といった感じで、遊べる最序盤までがデモ版の中身でした。
完成度たかし、参照元にもリスペクトがある
The Backworldデモ版を終わりまで遊んでの第一印象は完成度が高い。でしたね。システムの破綻もなく、ゲームバランスもよく、加えて遊びやすい工夫もありました。
また、UIやフォント、ゲームシステムなどはマザー2や Backroomといった参照元を全く隠す気もなく作られているのですが、シナリオ面や組み合わせなどでオリジナリティを打ち出しており、こちらもかなり好印象です。
デモ版ではうっすらと触れられていましたが、マザー2のようなジュブナイルもの、バックルームのようなホラー要素だけでなく、マルチバース要素もゲーム、シナリオに含まれているようです。欲張りでいいですよね。
発売までに期待したいこと
というわけで、The Backworld個人的にはかなり期待大の一作でした。ここからは、重箱の隅をつつくというか、個人的にプレイして気になった点や発売までに期待したいことを。
パッド操作もできるようになってほしい
The Backworld、現状ではキーボード操作しかできません。おそらく登場キャラクターが多く、前述した特殊能力を使う際にコマンドを割り当てる関係で、キーボードにしているのかな、とも思います。ただ、FPSとかではないので、できればパッドも使えるようにしてほしい。
日本語訳ほしいよね
そして、日本人として期待したいのは日本語対応です。今のところは英語しかありません。結構難解な単語も使われていたので、英語のみだと、翻訳ソフトなどを駆使してプレイするレベルではシナリオ理解がかなり難しいと感じました。
世界の人口比率からは日本語話者はあまり多くないので、売り上げ的にはあまり日本人を気にする必要はないとは思いますが、一日本のゲーマーとしては日本語対応を期待したいところ。
ウィッシュリストに追加しているユーザーの国籍比率によって対応言語を決めるデベロッパーもいると聞いたので、とりあえず、ウィッシュリストには追加してみました。
さてどうなるか。
The Backworld近日発売(未定)の一作、発売が待ち遠しいですね。
了
その他、レビュー記事
筆者プレイ動画
もっと雰囲気が気になる という方もいるかと思いますのでプレイ動画を載せておきます。
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