この記事では2022年3月17日に発売されたアクションアドベンチャーゲーム「TUNIC」の感想をまとめておきます。
端的に言えば、タイトルの通り、ゼルダ風のクォータービューの世界観とソウルライクの硬派な難易度、そして、メタ的な要素も絡めた独自の謎解き要素が楽しめる傑作でした。
ただし、謎解きに関しては一部理不尽に難しいものがあり、その点については人によって評価が分かれてしまうのではないかと感じました。
個人的、あまりゲーム性につながりがなく、ストレスに感じるところがありました。
(本作謎解き要素の解説記事はこちら
細かいゲームシステムの解説はこちら)
TUNIC--謎が多い世界を旅するゼルダ風アクションアドベンチャー
TUNICは主人公である狐の少年を操り、TUNICの舞台となる島の謎を解き明かすことが目的のアクションアドベンチャーです。
主人公が上下緑の衣服、剣と盾を身にまとっていることからわかる通り、ゼルダの伝説をオマージュしたタイトルとなっています。
クォータービューを駆使したアクションも楽しめる
アクション自体はオマージュもとのゼルダに準じるものが多くなっています。剣や魔法を使ったアクション、敵との闘いなどれも完成度は高いです。ただし、既存作と大きな違いはありません。
一つ大きな違いとして挙げられるのが「クォータービュー」の画面でしょう。
過去にはメガドライブの名作「ランドストーカー」などでも使われてきました。上下見下ろしではなく、3D画面を斜め上から見下ろしているような画面構成となっています。
TUNICでは、このクォータービューであることを生かした
・見えない場所に通路がある
・画面構成を考えながら解く謎解きがある
といった謎解きがあります。また、全編を通していわゆるアニメーションによる演出はないのですが、ストーリーの要所要所でクォータービューであることを生かした画面演出が用意されており、新鮮さとこのゲームが持つ独特の美しさを感じることができます。
ソウルライクなシステムも採用し破綻なくまとめている
また、細かくシステムを掘り下げていくと、
・チェックポイントで能力アップができたり、回復ができる。回復すると敵も復活
・回復アイテムは個数制限
・パリィがある
・死にゲー
といった点では最新作エルデンリングなどで知られる「ソウルシリーズ」の影響を感じさせる仕上がりです。TUNICで描かれる世界は要所要所でダンジョン的な場所はあるものの、基本的にはシームレスでつながっており、特にソウルシリーズ2作品目の「ダークソウル」のロードランをほうふつとさせます。
どれも、とりあえずとってつけたようなものではなく、完成度が高く、納得できる仕上がりになっていました。
メタ要素もある謎とき
TUNICはアクションと謎解きがメインとなっているゲームです。特に謎解きはゲームそのものの根幹にも関わっており、すべての謎が解けたときは思わずうなってしまいました。
端的に言うと、TUNICの世界各地に「TUNIC」の取扱説明書のページが落ちており、それを見つけることで「ゲーム内言語の解読」「ゲームシステムの理解」「一部的の攻略」「謎解きのヒント」がわかるようになっているという仕組みです。
謎解き、そしてゲームが進むにつれて取扱説明書が集まっていき、ゲームの輪郭が徐々に姿を現していくという、構成になっています。
この説明書は「ファミコン」や「スーパーファミコン」の頃にあったような紙の冊子のような形で表現されています。
随所随所に主人公のキツネの少年がボールペンで書いたようなメモが記載されており、この表現も個人的には好みでした。
気になる点一部謎解きは異様な難易度かつゲームとはあまり関係がない
こういった謎解き要素じたいは実に手が込んでいて、とても楽しいものとなっています。ただし、正直なところゲーム本編との乖離があまりに大きいものです。
端的に言うと、ゼルダのようなアクションを駆使した謎解きではありません。純然たるパズルなのです。加えて、一部は名言は避けますが理不尽なほど難しいと来ています。
しかも、これが単なるやりこみ要素だったらいいのですが、ここまでで説明した通り、ゲームシナリオに絡んできており、ネタバレになりますが、取扱説明書をすべて集めないとグッドエンドを見ることはできません。
終盤まではアクションゲームを楽しみ、終盤からはパズルをひたすらとくような流れになっていくのですが、個人的には、高難度アクションからノートにメモをとらないと説くことが難しい、高難度パズルゲームへという急激なゲーム内容の変化はつらかったです。
もう少し、バランスよくまとめてくれなかったのか、というのが、正直な本音です。
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