1月21日に発売を控える、2Dアクションゲーム「カンパニーマン社畜の下克上」。マレーシアのインディーデベロッパーForustStudioが手掛ける本作。体験版(NintendoSwitch)をクリアまでプレイしたので感想をまとめていきます。
結論から言えば、とんでもな世界感が気にいるなら、期待してもいい、完成度の高い2Dアクションゲームでした。
カンパニーマン社畜の下克上 概要
主人公は若き社畜候補ジム。やっとのことで入社したグッドウォーター社、初出勤の日「俺はこの企業の社長になる」という若者らしい夢を胸に抱き、業務に励むジムでしたが、そこに現れるのが、嫌みなジムの指導社員ウィリアムです。ジムはウィリアムからこの企業で生き延びる方法を教わります。それは何とキーボードを武器に社員たちをバッタバッタとなぎ倒し、力で自身の立場を示すことだったのです。
ウィリアムに導かれ、ジムは順調にY(Switch)でキーボードを使った攻撃、Aボタンでダッシュ、Bボタンでジャンプといった、生き延びるための社畜マーシャルアーツとでもいうべき、動作を覚えていきます。
ウィリアムが待つ巨大なメール送信機の前までジムが辿りつくと、彼はジムを「並の新人とは訳が違うというわけか」と一言。嬉しそうにするジムにウィリアムはをマシン動かすように求めます。実はこれがとんでもないわな。嫌味な上司にはめられたジムはマシンを壊してしまい、この会社の”ゴミ”とも呼ばれている魔窟カスタマーサービス部に左遷されてしまうのでした。
入社初日に左遷されてしまうという、大きなトラブルに見舞われたジムは、社畜マーシャルアーツを武器に嫌味な上司、同僚たちをぶちのめし、嫌みなウィリアムを首に追い込むため、カスタマーサービス部から這い上がり、グッドウォーター社の頂点を目指すため奮闘します。
息の臭さで火すら起こしてしまう、カスタマーサービス部の社員たち。空から降ってくる人間爆弾と化したインターン生。そして立ちはだかる横暴な上司たち。若き社畜ジョンの明日やいかに。
というのが大まかなゲームの概要。自分で書いていても訳が分かりませんが、そうとしか言いようがないぶっ飛んだゲームです。
カンパニーマン社畜の下克上 世界感の完成度の高さは秀逸
カンパニーマン社畜の下克上、好みは分かれますが、世界感は完成度が高い。社畜が主人公、狂ったブラック企業が舞台という設定をうまく2Dアクションゲームに落とし込んでいました。
休憩地点のコーヒーメーカーで挟まれる妙に生々しいジムの「コーヒーだ!やっと一息つける マズい!今度はオシッコしたいよ」という妙に生々しいモノローグ。
ジムが歩く後ろで苦悶の表情をする牢獄に閉じ込めながら働き続ける社畜たち。キーボードで社畜や人間爆弾となったインターンを殴ると発する力のない「あう」「おぉう」という叫び声。そして嫌味な上司たちの「くだらん質問をするとはどういうつもりだ?!」といった言葉。
ゲームとして表現するために、誇張されてはいるものの、誰しもが感じたことのある企業のイヤなところが妙に生々しく表現されています。これが個人的にはたまりませんでした。
カンパニーマン社畜の下克上は2Dアクションゲームとしても完成度が高そう
そんな会社の中をジョンはキーボードを武器に力で渡り歩いていくわけですが、アクションのバランスも往年の名作のようなシンプルながらも奥の深い操作性でかなりそそられました。
ジョンのできるアクションは体験版で確認できたものだけで言えば、キーボードを使った攻撃、ダッシュ、ジャンプ(長押しでさらに遠くに飛べる)、ダッシュ中のジャンプ、遠隔攻撃(攻撃的な言葉をメールで飛ばし心理的ダメージを与えるという設定)これらを駆使してジョンを進めていきます。操作性はレトロタッチながらも、可なり良好でした。
ステージ制でライフが尽きるとゲームオーバー。マップは体験版ということもあってかシンプルでしたが、序盤から登ろうとしたところに定期的に火を噴いてくる敵がいる。昇ろうとする足場に、空から爆弾(人間)が降ってくるとトラップが絶妙な位置に配置されている。などステージギミックはかなりいやらしい配置。ダメージをくらい、死にながら覚えていくタイプのなかなかやりごたえのある難易度でした。ボス戦前や難所の前にはきっちりとリスタートポイントが設定されており、やり直しにめんどくささを感じさせない、現代のゲームらしい心遣いも感じられます。ストーリー倒れではないゲームとしての完成度の高さに開発陣の本気を感じました。
現状ボリュームに関しては全く把握できていないので、ボリューム不足になるかも、といった不安はありますが、不満となりそうな点はそれくらいです。世界感が気に入り、アクションゲームが好きなプレイヤーであれば、満足のできるゲーム体験が期待できそうな一作でしょう。販売は1月21日から。
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