ソフト基本情報
発売年1995年
発売元パイオニアLDC
バウンティ・ソード 大人な戦略シミュレーションゲーム
バウンティ・ソードは1995年パイオニアから発売されたリアルタイム戦略シミュレーションゲームだ。
ストーリーは以下の通り。
神暦4093年、南エウロペア大陸の小国「神祖連邦オルドバ」により引き起こされた戦火は、瞬く間にエウロペア大陸全土に広まっていった。古代の超兵器『機神』による侵略の手は南エウロペア大陸のみならず、北エウロペア大陸をも包み込んでいった。その前に立ちはだかる全ての国を焦土と化しながら……。そして、神暦4095年、北エウロペア大陸を制圧したオルドバ軍の前に残されたのは、北方の島国「ラインメタル連合共和王国」のみとなっていた。
一方、そのラインメタルに一人の男がいた。男の名は「ソード」。かつては騎士として輝かしい日々を過ごすも、10年前のある事件を境に、その日暮らしの賞金稼ぎに身を落として日々をしのいでいる男だ。そして、ある依頼のなかで、ソードは一人の少女と出会う。その出会いこそが、失った時間を取り戻す戦いの始まりであるとも知らずに……。
重厚な戦略シミュレーションゲームだ。後期に発売されたソフトでかなりマイナーだが、キャラクターの操作は自律式で、リアルタイムで刻一刻と変わる戦況を見ながらプレイヤーは指示を下していく必要があるゲーム性は今見てもかなり革新的だ。
スーパーファミコン以外に現在はプレイステーション版も発売されている。アーカイブスが出ているので現在プレイするならこちらがいいかも。
エヴァ製作陣が手掛ける重厚な世界観
このゲーム一時期は100円で投げ売りされていたりすることもあったのだが、近年ではまた評価が高まる動きにある。その背景にあるのが、豪華な製作陣だろう。
シナリオ、後半出てくる機神などのデザイン、音楽をのちにエヴァンゲリオンにかかわる製作陣が担当しており(のちに発売されたプレイステーションの一連のシリーズではGONZOが製作を手掛けている)
ファン垂涎の一品としても理解されているのだ。ただ、主人公は心に闇を抱えた中年のおっさんだし。バカといってくれるヒロインもいないのだが…..(ただ、おっさんと妖精、幼女という組み合わせはなんだかそんな香りがしないでもない)
ストーリーはそんなエヴァ的なところは一切なく、ハードボイルドなおっさんソードがひとり孤軍奮闘する(もちろん仲間はいるがそれほど大きなつながりはない。)戦場で人の命を奪うこと、その重さがこれでもかと描かれている。その中にしっかりとSFの要素が織り込まれ次第に過去に滅びた文明の影が明らかになり単に戦争を超えた大きな戦いの渦にソードが巻き込まれていくその流れはさすがとしか言いようがない。
リアルタイムで戦況が変わる戦略シミュレーション
ゲームは冒頭紹介したように戦略シミュレーションタイプのRPGとなっている。
ただ、この手のゲームでは珍しく、コマンドを入力してキャラクターを進めていくタイプのものではなく、
「自由にうごけ!」
「目標を設定」
「行動を設定」
またHPのなん%になったらキャラクターが体力を回復するための行動を取るのかを指示できる程度だ。
キャラクターの大まかな動きの方向性、目的を決められるものの、基本的にはAIで自律的にキャラクターが動いていく方式だ。
キャラ一人一人の個性があり、みていて面白い。
また本作品ではプレイヤーは物語の舞台であるエウロペアに起ころうとしている大きな変化の渦中にいるソードを導くある種傍観者として選ばれたことが物語冒頭で告げられ、そうしたストーリー的な面でもこのゲームシステムを採用にすることによってプレイヤーが没注にしやすくなっているのではないだろうか。
ちなみに仲間にしたキャラクターは基本的に死んだりして永久に消えてしまうことはない。戦線から離脱したら復活する仕組みで、ファイアーエムブレムシリーズのような凶悪な難易度ではない。
こういった戦略シミュレーションゲームが始めて、あるいは難易度から敬遠していた、という方でも楽しめるゲームになっている。もちろんしっかり考えてやらなく手はならない、やりこみ感のようなものはしっかりつくられていて、難易度がやさしめであることによって、ゲームの面白さが損なわれていることはない。
今だからこそプレイしてほしい隠れた名作
今回はスーパーファミコン後期にパイオニアLDCから発売された戦略シミュレーションRPG「バウンティ・ソード」をご紹介してきた。
当時はそれほど日の目を見ることがなかったようだが、重厚なストーリー、よくねられたゲームシステムともに非常に完成度の高い一作。
エヴァファンのみならず、多くのゲームファンにプレイしていただきたい作品だ。
後期の作品だがそれほどプレミアがついているものではないので、見かけたら、ぜひプレイしてみてください。
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