スーパーファミコンはまだネットが普及する前に登場したハード。というわけで、数多くの真偽不明の都市伝説、裏技、イベントの情報が頻出したハードでもあります。
その中にはのちに実際に発見されるなど確認検証が進むものもあれば、、リメイク版で当時の噂を元にしたイベントやボス(開発段階で実装予定だが実装されなかった場合もあるようです)が登場したりすることも。
例えば、スーパーファミコン初のファイナルファンタジータイトルとなった「ファイナルファンタジー4」では、最終盤に登場する、マップ「月」に意味深なモアイが登場しました。発売当初は特に何もイベントが起こったりはしませんでしたが、後年発売されたゲームボーイアドバンスのリメイク版では、エクストラダンジョンの入り口になっています。
ドラゴンクエスト5の裏ボスであるエスタークも発売当時は既定のターン数以内に倒せば仲間にするという情報が出ました。後に発売されたPS2以降のリメイク版では、クリア後に訪れることのできる、双六場をクリアすることで、次章「エスタークの息子」プチタークを仲間に出来るようになっています。
こうした様々な噂の中でも、いまだに真偽も含めて議論が続いているのが、スーパーファミコン版の真女神転生で実在すると誠しやかに噂される「バグ画面:すぐにけせ」なのです。
スーパーファミコン版真女神転生の噂「すぐにけせ」とは
事の発端は旧2ちゃんねるのオカルト版に突如投稿されたコメント。
コメントを投稿したユーザーによれば、真女神転生2のカセットを起動すると不協和音と共に、画面いっぱいに赤いおどろおどろしい文字で「すぐにけせ」という文字が表示された、とのこと。
もともとは単なる都市伝説の一つでした。ですがその後、「真女神転生Ⅰ」のプログラミングを担当したと自称するユーザーが「遊びでいれた初期ロットではおこると発言。リセット時にランダム抽選が始まり、1/65536の確率で起こると語ったのです。
女神転生シリーズには「魔人」と呼ばれる極低確率で出現する、レア悪魔も存在するため(後に検証する人間が現れましたが、ネットがない当時は一部のコアなプレイヤー以外にとっては噂にすぎない存在だった)、すぐにけせも実在するのではないかと、議論は紛糾しました。
さらに数年後、ニコニコ動画に、「すぐにけせ」と題した、動画が投稿されました。
ニコニコ動画に検証動画も投稿され話題に
真女神転生Ⅰを利用したとする検証動画では、ゲームを起動してから、しばらくすると不協和音と共に画面いっぱいに赤字ですぐにけせの文字が。
しかし、この「すぐにけせ」動画は作った過程もわからず、最終的には起こった状況を再現した動画ということで、動画投稿者がプレイした真・女神転生Ⅰで起こった現象なのかはどうかはわからずじまい。
その後、検証動画を上げる人も現れず、果たして本当に存在するのか、しないのか、結局真相は闇の中に……
2012年ATLUSが「すぐにけせ」をネタとして取り入れる
そんなこんなで現在もその存在がまことしやかにささやかれる、スーパーファミコン版真女神転生のバグ画面「すぐに消せ」都市伝説。
その他のレトロゲームの噂話、ネタと同様に、最終的に本家であるアトラスが後のゲームで採用することに。
採用したのは2012年発売の「ペルソナ4 ジ・アルティメットマヨナカアリーナ」です。ペルソナ4シリーズのキャラクターが闘う格闘ゲームの本作。
本体の時間設定を「ゲーム発売前に」して起動すると画面いっぱいにすぐにけせの文字が出るという仕様です。
アトラスさんも遊び心があります。
2018年女神転生シリーズシナリオライターの鈴木一也氏がデマだと断言
そして、2018年、とうとう真相に近づくコメントが開発陣から出ることに。ウェブメディアバズプラスニュースが「すぐにけせ」に関して女神転生シリーズのシナリオライティングを手がけた、鈴木一也氏にインタビュー。鈴木氏が当時の開発状況、そして「すぐにけせ」があるのかどうかについて革新に迫る内容を語りました。
記事に登場した鈴木氏によれば、「真・女神転生Ⅱを作ったプログラマー本人にも聞きましたが完全否定しています」とのこと。ただし、噂が流れる理由はあったようです。
鈴木氏はバズプラスニュースの取材にたいして、過去に女神転生で入れられたイースターエッグ「カブちゃん」の存在について語ります。
女神転生の初期ロットでは「バグ」というモンスターとエンカウントすると一定確率で「カブちゃんはデバッグをはじめました」というメッセージが表示され、オートモードに勝手に切り替わってしまうという、いたずら心のある仕掛けがあったそう。
また、鈴木氏は「あながち完全なデマとも言い切れない」と語ります。どうやら女神転生2ではゲーム画面を放置すると「すぐにけせ」という文字が出る要素が当初は仕組まれていたものの、発売前に要素が消されてしまったとのこと
ATLUSの遊び心や実際に当時開発をしていた方々の思い出がもしかするとこのような都市伝説を生んでしまったのかもしれません。
引用元 バズプラスニュース https://buzz-plus.com/article/2018/05/08/megamitensei-sugunikese/
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