ソフト基本情報
発売年 | 1992年 |
発売元 | エニックス |
定価 | 9600円 |
ドラゴンクエスト5--ドラクエ最高傑作の呼び声も高い一作
1992年、スーパーファミコン初のドラゴンクエストシリーズ、「天空の~~シリーズ」第2弾として発売されたのが「ドラゴンクエスト5 天空の花嫁」でした。
父親パパスとの旅路、幼馴染であるビアンカとの冒険。父との死別、奴隷としての生活、再起と妻との出会い。そして生まれる勇者の血を弾く子供たち。
という親子三大にわたる壮大なストーリー。
妻を選び結婚する、「結婚システム」はドラクエ11でも(リメイク版の8)採用されました。
また、そのほかにもドラゴンクエスト5はシリーズ初となるシステムが盛りだくさんでした。
モンスターを倒すと一定の確率で仲間にすることができるシステムはドラクエ6など後続のシリーズナンバリングタイトルにさまざまな形で受け継がれました(ドラクエ7では、モンスターが落とす心を使うことで、モンスタージョブになれる、8ではモンスターのチームが戦闘を手助けしてくれるなど)。
また、このシステムはその後の「モンスターズシリーズ」にも引き継がれています。
エンドコンテンツもシリーズ初登場。ストーリークリア後に解放される、ダンジョン最奥で待ち構える「邪神エスターク」はその後、スライムが表なら裏はエスタークと言えるようなドラクエシリーズを代表するキャラクターになりました。
こんなドラゴンクエスト5、様々なシリーズ初といえるシステムを生み出したソフトでもありましたが、最後の作品といえるものでもありました。
ドラゴンクエストシリーズはファミコンで発売された、初代ドラゴンクエストからチュンソフト(現スパイク・チュンソフト、不思議のダンジョンシリーズ、弟切草、かまいたちの夜などのサウンドノベルでも知られる)が開発を手掛け、エニックスが発売するという方式でしたが、ドラクエ5を最後に、開発はチュンソフトからハートビートに開発がうつります。つまり最後のチュンソフトによるドラゴンクエストでもあったのです。
こうした様々な要素から、ファンに愛され、後に、PS2版、DS版にリメイク(スマホ版はDS版を元にしている)ドラゴンクエストシリーズ屈指の名作として愛されると主に、ファミコンからドラゴンクエストをプレイしていた通なファンから、ドラクエ5以降のドラクエは同じ名前の別ゲーム(確かに個人的にも微妙になんか世界観が変わった気はします)といわれることもある作品となりました。
そんなドラゴンクエストシリーズの傑作であり、一つの節目ともなった作品がドラクエ5なのです。
容量が増えたことにより充実したのは、ゲームシステムだけではありません。ストーリーの細かな部分でも、遊び心が隠されていました。
ビアンカ、フローラとっちを選ぶ?
本作の一番のだいご味といえるのが、親子三代にわたる物語です。その中核とも言え、またほかのRPGでもいまだにこれほど完成したものがないのが「ヒロインと結婚、そしてそれがその後の物語に反映されるというシステム」です。
物語序盤、父パパスと二人でまるで子連れ狼のような二人旅が終わり、魔人ゲマに父パパスを殺された主人公はともにその現場に居合わせた、ラインハット王国の王子ヘンリーと共に、奴隷にされてしまいます。そこから逃亡、数々の苦難を乗り越えて、物語の中盤にサラボナという町で幼馴染の「ビアンカ」かサラボナの大富豪の娘「フローラ」のどちらかと、結婚をすることになります。(DS版・スマホ版ではフローラの姉デボラも追加されます)
正直なところ、幼馴染であるビアンカ以外はなんのフラグもなく(PS2版以降では最序盤の港で、フローラたちと遭遇するイベントが追加されてはいる)、かなり唐突な感は否めないのですが、「天空の花嫁」という副題のとおり、重要なアイテム「天空の盾」を入手するためになくてはならないイベントでもあり、その後生まれる子供たちに、妻の特性が引き継がれるという、ゲームの方向性を決める、なくてはならないイベントなのです。
イベントの概要はこんな感じ
――
主人公はなき父パパスが残した手紙に従い、伝説の勇者そして、その勇者が装備できるという「天空」の名を冠した武具を探す旅にでる。
旅のさなか、サラボナという町にの「大富豪ルドマン」が「天空の盾」という天空の名のついた盾一つを持っているということをしり、主人公はサラボナへと向かう。
ルドマンは天空の盾をゆずるのもやぶさかではないようだ。条件、それは、「炎のリング」と「水のリング」と呼ばれる魔法の指輪を手に入れ、ルドマンの一人娘(実は養子、DS版では二人娘のうちの一人)フローラの結婚相手となること。
指輪を求める旅の途中、主人公は幼馴染のビアンカと劇的な再開をし、昔と同じようにともに冒険をすることに。二人が別れてから、すでに10年以上の時が流れ、お互い、いい年に。
何か思うところがあったのか、ルドマンの出した条件をしっているのに、サラボナについてきたビアンカ。ルドマンの粋な? 計らいにより、主人公はビアンカとフローラ(あるいはデボラ)のどちらか一方と結婚するように迫られる。
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PS版2以降のリメイク作品では物語の序盤にフローラとは一度であっており、唐突さはなくなっているのですが、SFC版では特に何の紹介もなくフローラが出てくるので、主人公もなんでいきなり結婚しようとしたのかわからない。
しかも説明書やパッケージに姿が描かれているのはビアンカ。フローラもビアンカ押し、攻略本も微妙にビアンカ、カセットもビアンカとビアンカこれでもかというくらいにビアンカ押しである。
物語的にも主人公とビアンカは天涯孤独どうし、露骨にビアンカを選ばせにかかっています。
ここで、物語にそって、一人のヒロインと結婚しそのまま物語が進むのではなく、2人いるヒロインの中から(DS版では三人)一人選んで花嫁にするという選択の要素があり、プレイヤーごとに好みが出るようにしているのもドラゴンクエスト5特徴でしょう。そして後述しますが性格が悪い。
二人いるヒロイン、ビアンカとフローラを詳しく説明すると
ビアンカ
主人公の幼馴染で物語の序盤から登場、明るく天真爛漫な感じ。主人公と一緒に冒険に出たり、中盤主人公を陰ながら支えたり、
実は血のつながっていない両親と暮らしていて(本人は知らない)、物語が進むにつれ母親が亡くなり、父親が病気にそれを懸命に支えるヒロイン属性抜群のキャラです。金髪なのもぐっとです。
でも全体攻撃呪文は弱め
もう一人が
フローラ
物語中盤唐突に表れるヒロイン候補の一人
富豪ルドマンの一人娘(DS版では二人いる娘のうちの一人)正直プレイしていた当時はそんなに疑問に思わなかったのですが、主人公が王様になったとはいえ、物語の都合上あまりに唐突であとで詳しく説明しますが、チュンソフトや堀井雄二さんの悪意も個人的には多少感じます。
おしとやかで文字通りお嬢様のようなキャラクター
サラボナに住む幼馴染のアンディとは思いあっているような描写もあり、この辺も何やらあとで説明しますが、制作側の思惑をッ感じさせます。
全体攻撃魔法を覚える(イオナズン)
とこの二人から一人を花嫁候補として選ぶのです。
DS版ではこれ以外に攻撃が少し強い、フローラの姉、傍若無人なSMの女王様をそのまま現実世界に生み出したようなデボラがここにくわわるわけです。そしてデボラも魔法攻撃は強い。
ビアンカ以外を選ばないほうがいい理由
では今回の記事の本筋、ドラクエ5でビアンカ以外を選ばないほうがいい3つの理由を書いていきたいと思います。
ちなみに僕は初回プレイ時(ちなみに初めてのプレイはps2のリメイク版でした、SFC版だとやはり選択は違っていたと思います。)に特に理由もなく、「金髪ってなんかやだなぁ」という理由からフローラを選択その時の経験からこの記事を書いているわけです。
まず前提として、繰り返しになりますが、リメイク版で多少改善されたとはいえ、SFC版から公式ではどう考えてもビアンカ押し、というかビアンカ以外はヒロインではないというぐらいの扱いの違いです。
game本編でもリメイク版ではシーンが追加されましたが、SFC版ではビアンカがらみのイベントが多数あるのに対し、フローラは結婚するまでは結婚式がらみのイベントしかなく、あまりにも唐突な登場
正直に言って、遊びで入れたとしか思えないような感じですらあるのです。
そんな感じなわけで後述するように制作側が考えたであろう、悪意のある展開が待ち構えているのです。
ビアンカを選ばないとその後がずいぶん不幸
ビアンカを選ばないことによる影響としてまずあるのが、ビアンカを選ばないと彼女がその後不幸になる、ということです。
どういうことかというと、ビアンカには両親がいるのですが、物語の中盤ビアンカと再会した時に、元気だったお母さんがなくなり、病弱なお父さんだけが残っていること、そのお父さんを気丈に一人で看病しているということが明らかになるのです。
ここまではよいのですが、いろいろなイベントを経て晴れて結婚相手を選ぶ段階になって、ビアンカを選ばず、フローラを選ぶとその後の展開がまさに鬱、といった感じで
ビアンカはあれだけ明るかったのに(未プレイの方は遊んでみてください)主人公への未練をたらたらに残しているようで、物語が終わるまでは(主人公が結婚してから物語が終わるまではゲーム内では10年近い年月が流れています)恋人の一人もいないような状況で、しかも相変わらず、体調がすぐれない父を看病し続けているというような状態なのです。
2. フローラを選ぶとビアンカが不幸なのと対比的にいいことがありすぎる
そしてこれに輪をかけて制作側の悪意を感じさせられたり(いい意味で)なんか悪いことしちゃったなとプレイヤーに思わせてくるのが、フローラを選んだあとのメインイベントの展開です。
イベントがあるごとにフローラの父である大富豪ルドマンか豪勢なプレゼントが送られてきて、仲にはプレイしている段階によっては強すぎるくらいの防具が渡されるなんてこともあるのです。
それに比べて、あのビアンカの暮らしぶり、、、
3. ビアンカを選ばないと物語に感情移入できない
そしてこれが個人的にはフローラを選ばないほうがいい一番の理由です。
まぁ物語に感情移入できません。
ドラクエ5はパパス 主人公 そして子供(伝説の勇者)三世代にわたる壮大な物語が売りなのですが、
なんかフローラだと、あれ、という感が否めません。
ビアンカの場合だと、パパスのことを知っている、物語の最初からいる、ビアンカ自身も主人公が災難に見舞われていた間に、母をなくすなど不幸に見舞われている(いろいろ対照的でよくできています。主人公はもともと母がいなく、父を亡くしビアンカはもともと父が病弱、元気だった母を亡くしています)物語的にもよく考えられていて、
一つ一つの展開にも感情移入できます。本作の重要人物でもあるサンチョさんもしってますからね
それでは翻ってフローラはどうかというとSFC版では天空の盾を手に入れるにあたっていきなり登場
恵まれた生い立ち、かつ、パパスのことも知らなければ主人公とはなんのえにしもありません。
まぁお母さんを見つけたときの感動とか物語の重要な部分でなんかこれじゃない感がすさまじいのです。
こういった理由から個人的にはゲームとしてのみ楽しむならいざ知らず、ドラクエ5をむっちり楽しむならビアンカ以外をお勧めできないのです。
まとめ
今回はドラクエ5の花嫁選びビアンカ以外は選ばないほうがいいよ、そんなことを長ったらしく書いてきました。
今も色あせぬ名作ドラゴンクエスト5
SFC版PS版いろいろありますが、ゲームバランス的にはDS版、アプリ版がおすすめだったりします。
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コメント
そういえばチゾットの村の女性フローラの時「女って大変よね」的なちょっと説教っぽいお話出たのですがビアンカの時はなかったような。
フローラ選んだ場合その後ネチネチセリフが少し入ってる気がするのは気のせいかなあと当時反発してました。
デボラほんとはスマホ版でも買ってプレイしてみたいです。
毒舌耐性がなく7でマリベルを棺桶にしたまま(生き返るたびに棺桶)プレイした経緯あるのでプレイしきれないかなあと手を付けずにいます。言い返す、やり返すことができれば棺桶にしなかったのですが、こればっかりは(笑)