Back to the Dawn~ブレイク・ザ・アニマル・プリズン デモ版レビュー 獣人囚人を操り、プリズンをブレイクする高難度アドベンチャー

ゲームレビュー

今回は6月28日にデモ版が配信されていた「Back to the Dawn~ブレイク・ザ・アニマル・プリズン」(以下Back To the Dawn)のデモ版をプレイした感想をまとめておきます。

端的に言えば、獣人がメインキャラのかわいらしいビジュアルながらもハードボイルドな世界観で高難易度なテーブルトーキング式RPG×アドベンチャーが楽しめる良作でした。カナダのスタジオが開発していますが、デモ版を見る限りではローカライズもかなりうまくいっている模様です。発売がかなり楽しみ。

スポンサーリンク

Back to the Dawn概要

開発を手掛けるのはカナダ、ブリティッシュコロンビア州の州都ビクトリアに拠点を置く、小規模スタジオ「Metal Head」です。設立は2009年と結構ベテランでもともとはスポーツ系のゲームを作っていたとのこと。代表的なものとしては米大手EA(エレクトロニックアーツ)社の「Super Mega BaseBall」シリーズを手掛けており、その流れからか、2021年に米大手に買収され傘下に入っています。というわけで、本作Back to the Dawnはかなり久しぶりのオリジナルタイトルみたいですね。

Back to the Dawn シナリオ概要

プレイアブルキャラは複数いますが、体験版でプレイできるのはおそらくキツツキテレビ報道記者である、キツネの「トーマス」のみ。(後述しますが体験版の自由度が高く、もしかするとパンサーのボブもプレイできるかも)

Back to the Dawn

以下ではトーマスのシナリオについて触れていきます。

Back to the Dawn

トーマスの来歴は3つの中から選べる

トーマスは低所得者層が住む町「スキッドロード」周辺を流れる「レームレッグ川」の工業汚染問題に関する報道に携わっていました。

Back to the Dawn

紫色に変色し、刺激臭が漂い、生きている魚はほとんどいないほどの荒れようのレームレッグ川。周辺に住むビーバーによれば、2年近く前に「坂木化学工場」がレームレッグ川ほとりにできてから、おかしくなったのだとか。

Back to the Dawn

トーマスの「行政に陳情してみては」という訴えに対し。住民は怒りをあらわにし「とっくにしたがたらいまわしにされている」そして「市長の甥が化学工場の株主だ。市長が裏でつながっているんじゃないか!?」という特ダネ発言をするのでした。

Back to the Dawn

この問題をテレビで報じたトーマスを「イレイザー(消去する者)」の異名をもつオオカミ(?体験版では細かな素性は明かされない)のアンジェロが喫茶店に呼び出します。

Back to the Dawn

アンジェロは市長選が迫っていること、そして市長の再選にはトーマスの報道が目障りであることをそれとなく伝え、アタッシュケースから金をちらつかせ……。

記者魂はみじんも揺らがなかったトーマスは、取り付く島もない対応で、喫茶店を後にします。しかし、すでにアンジェロの魔の手がトーマスに迫っていました。

Back to the Dawn

突如現れた警官たちが「薬物があると匿名の通報があった車の中身を調べる」と言い出し、従うと、トランクの中からあるはずのない「薬物」が見つかってしまい。

Back to the Dawn

弁明するも、現物が出てしまっては……。トーマスはボウルダートン刑務所に収監されてしまうことに。

Back to the Dawn

このままでは市長の汚職はうやむやになってしまい、無実も晴らすことができません。しかし、市長選まで残されたのは21日のみ。保釈を待つ時間すら残されていないトーマス、もとい受刑番号1220号は刑務所からの「脱獄」を決意します。

Back to the Dawn

Back to the Dawnシステム概要

というわけで、トーマスがムショに放り込まれたとこから物語は始まります。基本的にはスマホゲームで言うところの「スタミナ」を管理しサバイブしながら、刑務所の中で比較的自由に動ける朝・昼・夕・夜の活動を通して、ときに電話を通して協力者であるレッサーパンダの弁護士・リードや元恋人イタチのマギーの助けを借りながら脱獄を図るのが主な流れです。

朝、昼、夕、夜、限られた時間の中で何をするか?

刑務所につきものなのが、良くも悪くも規則正しい生活。生活はスケジュールで管理されており、それぞれでできることは異なります。

Back to the Dawn

朝は労働、囚人や刑務官との会話
ランチ 仕事をし過ぎて遅れると好きな食事にありつけないことも
昼 外で自由に過ごせます。図書室で本を読めばスキルが身に尽くし、ジムで運動すれば筋肉もりもり
夕方 映画を見たり、シャワーを浴びたり
夜 あれ、トーマスの房の洗面台、なんだか動きそうだぞ?

といった具合にそのタイミングでできることをコツコツこなしながら、脱獄計画を練っていきましょう。

刑務所で労働だ!

Back to the Dawn

電話料金、むちゃ高い

ほとんどなにも持たずに刑務所に収監されたトーマス。しかし、ここは悪名高き「ボウルダートン刑務所」です。電話をかけるのにもカネ、歯ブラシやせっけんなど日用品を得るにもカネ、そして情報を得るにもカネ、といった具合であらゆることにカネがかかります。

Back to the Dawn

おカネを得る手っ取り早い手段が労働です。刑務官隊長のブルースから許可を得ることで「アイロンかけ」「洗剤づくり」といった労務に従事、いくばくかのカネが得られます。

Back to the Dawn

途中から時間が表示されなくなるので結構難しい

仕事は全てミニゲーム方式例えば「アイロンかけ」であれば、規定された秒数でうまく「ズボン」「上着」を延ばすことができればより高いカネがもらえるといった仕組み。中には「囚人の持ち物を盗む」といった裏稼業も。手伝うことでより条件のいい仕事ができたりして……。

こうして得たおカネで外との連絡手段である、電話代をまかなったり、食事を少し豪華なものにしたり、時にわいろを渡したりして、刑務所ライフを豊かにするというわけです。

孤立しないように仲間を見つけろ!

おカネと同様に刑務所ライフで大切なのは「仲間」たち。カネがあっても一人で弱ければ強者からむしり取られるし、秀でた暴力を持っていても徒党を組んで襲われれば、かないません。

Back to the Dawn

あんまり頼りない、薬物中毒のアルパカディエーゴ

「殺人」「薬物」「窃盗」「詐欺」「元警官」そして「何らかの理由で刑務所に潜入している男」など一癖も二癖もある同じ獣人囚人たちと知り合い、そして贈り物を通して仲を深めていくことも大切です。

仲を深めることで「情報」が得られたり、便利なアイテムを譲ってくれたり、刑務所で派閥争いをする三つのギャング集団と親交を深めればメンツのために助けてくれたり、アイテムの融通をしてくれたりも。

ゴミ拾い、鍵開け、聞きづらい情報を聞くのは運しだい! 運がなけりゃ数であたるかスキルを磨け!

ときにはアイテムを集めるためにゴミ拾いをしたり、脱獄に必要な情報を聞き出したり、盗みを働かなければいけないこともでてきます。

Back to the Dawn

そのときはテーブルトークRPGのようなダイスロールとなり求められた数字を満たす目が出れば成功というわけ。

 

Back to the Dawnダメでも回数限定で振り直しができますし、トーマス各能力値を高め「スキル」を獲得することでより要求される数値を下げ、より有利にことを勧めることもできます。

どう進めるかはあなた次第!

スタミナ管理に気をつけろ

というわけで、進め方を書いたのですが、だらだらとやっていれば良いわけではなくトーマスも一匹のキツネにすぎず、気力・体力には限界があります。

行動するために必要な値 体力
囚人と知り合いになったり、ダイスをリロールするために必要な 集中力
頭を使った作業に必要な 理性値
戦闘などにも反映される 健康値
お腹がすいては力が出ない 満腹度
喰うもの食ったら出るもの出るぞ 便意

これらの数値を管理しながら、限られた時間をいかにうまく活用するかがもとめられます。
がんがんやっても、途中で体力が尽きれば、進めなくなりますし。
健康値が減れば体調不良に陥り、力は半減、弱弱しくなってしまいます。

といった具合。それぞれ食事を取ったり、ベンチで休憩したりすれば、回復はできますが、カネや時間といった大切な資源が失われていく。

このリソース管理も非常に重要なのです。

Back to the Dawnの魅力

というわけでここからはプレイして感じた魅力を。

まず、良かったのがキャラデザですね。獣人たいが結構いい。アルパカの薬物中毒者は常によだれを垂らしながら、イマジナリーフレンドと戯れていたり。象の囚人は寡黙ながらも、その巨躯を生かして、ギャング集団のボスになっていたり。

動物のデフォルメされた特徴がうまく、刑務所という環境にマッチしている。動物を題材にすることで生々しくならなかったり、どこかで見たようなデザインになっていないのも良いですね。

Back to the Dawn

個人的にはパンダの囚人「李」爺さんがかなり好み。好々爺のような雰囲気なのですが、どこで手に入れたのかわからない酒を毎日がぶがぶ飲んでいたり、10年も刑務所に入っているという設定があったり。

Back to the Dawn

パンダのかわいらしさと猛獣としての恐ろしさ、ゆえのどこか不気味な感じがうまく表現されていてかなり好み。そのほかにも魅力的な「獣人囚人」が多く登場するのも魅力でしょう。

もう一つはほどほどに調整された難易度。リソース管理が難しく、基本的にはかなり難しい部類に入るのですが、気楽にやり直しができる要素があったり、プレイした中で想像する限りでは時間制限以外に「ゲームオーバー」要素がなかったりと、難しいながらも試行錯誤して突破できる要素が残っていおり、ここは好印象でした。

アドベンチャーが得意ではない方でなければおそらくかなり万人が楽しめるゲームになるのではないかと。

それと体験版は3日目の終わりまでしかプレイできないというかなり短めなのですが、意外とプレイしていると、「ここはこうすればよいのか」という発見があり、結構さきまで楽しめるようになっています。

まずは体験版を手に取ってみるのが良いかと思われます。

発売日は2023年中を予定しているとのこと、楽しみな一作です。

その他レビュー記事はこちら

筆者プレイ動画

動画で雰囲気を見たいという方はこちらをどうぞ、体験版の最後までプレイしています。

この記事が気に入ったら
いいね !

コメント

タイトルとURLをコピーしました