すさまじい探求心。だが、真似したいとは思えない。
カナダ、アルバータ州最大の都市カルガリー在住のプログラマー・グレッグスミス氏は、今や我々の生活からは失われた古のデバイスをFPSゲーム「DOOM」のコントローラーに仕立て上げた。
彼が使ったのはダイヤル式電話である。電子工作などに使われるマイコンボード・Arduinoを、ダイヤル式電話の内部に設置。ダイヤル操作によってドゥームガイを動かせるように改造したのである。
ボタン割り当ては下記の通りだ。
1 Ctrl(Doomでは攻撃ボタン)
2 →移動
3 ←移動
4 ↑移動
5 ↓移動
6 Space(Doomではドアの開け閉めなど)
スミス氏は、海外の掲示板型のSNSRedditのArduinoを使ったプロジェクトのコードなどを投稿し合うコミュニティーr/Arduino Projectsに、ダイヤル式電話コントローラーでドゥームガイを動かす動画を投稿している。実際のところDoomのシンプルな操作性も相まってか、実現のハードルはそこまで高くはないようだ。
Playing DOOM with a rotary phone "gamepad" (pro micro) from ArduinoProjects
一方でダイヤル式電話コントローラーは右を入力するために、ダイヤルを回し2までもっていき、さらに上に進むために、またダイヤルを回し4にもっていく、といった、いちいちダイヤルを回す操作方法になるため、スミス氏の操作するドゥームガイは牛歩のようなゆっくりとした動きとなってしまっている。
操作自体はできるようだが、FPSのような素早い入力が要求されるタイトルをクリアまでプレイすることは、とてもではないが無理そうだ。端的にいって最悪の操作性に見える。
海外メディアKotakuなどが報じたところによれば、スミス氏自身も、ダイヤル式電話でDoomをプレイすることは「最悪の経験だった」と語っているという。ではなぜそんなことを……?
という素朴な疑問が頭をよぎるが、Doomはシンプルな操作性からか、よくこうした改造の題材となっているようだ。過去にはレジスターやデジタル式の妊娠検査キットをコントローラーに改造してプレイする猛者もいた。彼ら彼女らの姿を見て、スミス氏の技術者心がくすぐられてしまったのかもしれない。
スミス氏は本作の作成の様子とArduinoのコードをGithubにも公開している。”最悪の経験”をしてみたい、通なプレイヤーは覗いてみるといいかもしれない。
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