カセットフーフーの魔力 なぜ私はフーフーしたくなるのか

現在主流のディスク型やカード型のソフト、およびそれに対応しているゲーム機だと、ソフトが読み込みづらくなってきた=ソフトや本体が不調になっている、ということを指してしまうわけですが、スーパーファミコンをはじめ、昔のゲーム機は構造がシンプルであるが故に、非常に些細なことでカセットがうまく読み込まれなくなったり、映像が変になったりしました。

そんなわけで、レトロゲームと呼ばれるゲームをプレイしていた多きお友達や小さいお友達はカセットの起動をめぐって、いろいろ苦慮していたわけです。そんな中で、おそらくもっとも多くの人がやったであろう対処法が、カセットの端子をフーフーするというもの。何をバカな、と思う方もおられるかもしれませんが、意外とこれが効果的。

それまで、全く動かなかったカセットが嘘のように動きだしたり、画像が変だったカセットが治ったり、単にカセットをフーフーしただけなのに、それはもう魔法のような効果がありました。

ちなみに、当時の私はカセットの端子をフーフーすることの魔法のような効果について、フーフーすることで、端子についたごみや汚れがとれるから、カセットが動くようになるものだと勝手に理解していました。私の以外にもこんな理解をしていた方は少なくないかもしれません。

ですが、昨今レトロゲーム復活材が売られていたり、各ブログ、ウェブサイトでメンテナンス方法が解説されていることからもわかるように「フーフーすること」には、もちろんそんな魔法のような効果はありません。長い目で見ればむしろ逆効果。実際のところ「カセットフーフー」は悪魔との取引ともいえるような、その場しのぎの対処法なのです。

カセットをフーフーすることがなぜ悪魔との取引なのか。それはフーフーすることによってカセットが動くようになる、その仕組みに関係しています。 簡単に言うと、カセットをフーフーすることによって、呼気に含まれていた微量な水分(唾液)がカセットの端子に付着。そのことによって、起動する確率が上がったり、一時的に汚れが本体側の端子、ソフト側の端子の接触を邪魔しないようになる状態が作れるからなのです。

もちろん、フーフーで作られる状態は一時的ですし、カセットも非常にアナログな仕組みとはいえ、れっきとした電子機器。もちろん水分は大敵です。フーフーした後に待っているものと言えば、水分が付着したことにより、より汚れが付きやすくなる、水分がしっかり乾かず端子がさびるという、最悪なもの。

カセットゲームの宿命として、セーブデータが消えるというものがあります。もちろん電池の劣化、あるいは電池切れが主な原因であるのですすが、中にはフーフーしすぎたことによる接触不良でデータが飛ぶ、なんてこともあるわけです。

「あれ?セーブデータが消えたのに、そのあとプレイしていても普通にセーブできるぞ」なんてことがある場合は、おそらくこのフーフーによるせいでしょう。

そんなことから、多くのお友達たちの対処法として、愛されてきたフーフー。多くのレトロゲーム愛好家の間では禁じて、あるいはカセットを強引に抜くことなどと同じように、愛するソフトを守るためにやってはいけないタブーの一つとして扱われています。本当にきれいにしたいのであれば、綿棒でこそいだり、あるいは中性洗剤を使って汚れを落とすという方法が安全だし、効果的なわけです。

 

でも、でもですよ。やっぱり、スーパーファミコンや古いゲームをプレイしている人間としては思うことがあります。やはりレトロゲームの類というのは単に、ソフトが面白いからということだけでなく、カセットを入れる一連の動作によって生まれるなんとも言えないノスタルジーも味のひとつだったりするわけです。なんか気軽な仕組みなのに、気軽にプレイさせてくれない感じとか。

今だったら、カードなりディスクを入れて起動させればぽんとゲームができますが、カセットだと、そんなハイテクな感じではなく、カセットを差し込み電源レバーを上にやるという気軽なアナログで実に前時代的な方法ながら、なんともうまく起動しない。確かに「アーめんどくせぇ」となりますが、そのめんどくせぇとなる瞬間にも楽しさがあるのです。なんというか、ゲームをさせられているのではなく、自分の手でゲームをプレイしているとでも言いましょうか。

そうなると、やはりカセットをがちゃっと差し込む以外にも大切なのが、「うーん、うつらないなぁ、とりあえず息でも吹きかけておくか」という一連の動作なわけです。中には本体を軽く小突いたり、カセットを振る人もいるかもしれません。私にとってはそれが、息を吹きかけることなのです。

少し端子のにおいをかぎ、錆とも何とも言えない、おそらく人の唾液も少々混じった、微妙なあのカセット独特のにおいにちょっと顔をゆがめ、そして少しばかり息を吹きかけてから、本体にまた差し込む。それを何度か繰り返した先にゲームがプレイできるうれしさを体感する「お、これでスーパーマリオができるな!」と。この一連の動作をやることによって私は「あーレトロゲームやってんなぁ」という何とも言えないノスタルジーに浸ることができるのです。

「気持ちワリィナ」という声が聞こえてきそうですが、どうでしょう。そこのあなたも実はそうだったりしませんか。とか言っているのですが、やっぱり旗色が悪そうなので、今日はこの辺で終わりにしたいと思います。でもカセットのゲームをプレイするときに、とりあえず一回はフーフーしておくと、なんだか気持ちが盛り上がるきがすんだけどなぁ。

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